」」」 長い前書き<10> 」」」
インターネット界の先輩達に会った(前編)


スカウト活動に奔走しつつも、
当然シゴトもしなければならんわけですが、
この頃、僕は「フロム・エー関東版」で
『インターネットのおかげです』という
7ページの特集記事を作る機会に恵まれた。

自分のショップを持ちたい!
本を書いて出したい!
自分の会社を作りたい!
という若い読者のニーズにこたえる形で
「インターネットでやってみるのはどう?」
と提案する企画だったんです。
この特集で、僕はタイプの違う
4人のインターネット界の先輩達に出会えました。
これが非常にタイムリーというか
タメになるいい機会だったんですよ。
今回はその話をすることにします。

まず最初に会ったのが
1日1万5000アクセスあるという超人気サイト
「webやぎの目」の林雄司さん。
この人は、普通の会社員なんですが、
「やぎの目」の連載コーナー「死ぬかと思った」が
単行本になり、なんと20万部もの大ヒットしてるんです。
さらには「〜2」も出るという破竹の勢い!
さらには、別の人気コーナー「においカミングアウト」も
単行本化していて、今ではいろいろな雑誌に
連載コーナーを持っているという売れっ子ぶり。
本業がライターだというのに、僕とは雲泥の差ですな…。

で、実際このウェブサイトは面白くて
僕も大好きなんですよ。
単行本化した企画以外にも、駅や公園などで
寝てる人たちを盗み撮りした写真集や、
駅のトイレに書いてある落書きを集めた企画、
あと個人的に非常にソソられたのは、
いろいろな「ガスタンク」の写真を集めたコーナー。
どれも脱力気味なコーナーばかりなんですが、
そのくだらないことに本気で取り組んでる姿勢が
なんというかクールでかっこいい。
しかも基本全部ひとりでやっているのもスゴイ。
「東京トイレマップ」という駅便所写真集では、
なんと150個ものトイレを撮ったというから怖れいります。

御本人に会って聞くと、
最初に「東京トイレマップ」を作った頃は、
インターネットには
かっこつけたサイトが多かったそうで、
逆にふざけたページを作ってやろう、と思ったとのこと。
で、やったことが駅のトイレの写真を撮りまくること(笑)。
それが人気を呼んで、2日目には800件も
アクセスがあったというから、すごいよなー。
この「とあるウェブマガジン準備号」は
約2週間で現在240件。
自分的にはこれでもスゴイと思ってるんだけど、
そう考えると、800件って驚異的な数字ですよ。

で、そんなトイレマップをきっかけに
サラリーマンをしながら
売れっ子ライターになってしまうんだから
なんというか
インターネットの恐るべき力というか
未知なる可能性を感じてしまいました。
むろん林さんの才能あってこその話ですが。

次にお会いしたのが
価格比較サイト「価格.com」
若き社長・槙野光昭さん。

価格比較サイトというのは
簡単に説明すると、パソコンや家電を
どの店で買えば一番安いのかという
情報を提供しているウェブサイトです。

槙野さんはもともと「メルコ」という
パソコン周辺機器のメーカーに勤めていたんですが、
営業しながら「価格比較」というビジネスを
思いついて、23才で退社。

その後、一人で
「価格.com」というホームページを作り、
約2年間「ひきこもり状態」でそのサイト運営に没頭。
約1年間はまったくの無収入だったにもかかわらず、
成功を信じて有限会社にしてしまった信念の人です。

しかし、その信念通り、2年目の終わりには
広告収入が入るようになり、なんと年商1000万円に!
その後は、株式会社にし、社員も増やし、
今や28才にして、社員12名を引きいる代表取締役、
その世界では日本一の存在になってしまいました。
なんというか、絵に描いたようなサクセスストーリーです。

で、かなりスゴイ話を聞いたので、
槙野さんの話を引用させてもらいます。

「昨年、アメリカのディールタイムという
 価格比較サイトがその技術力をひっさげて
 日本に会社を作ったんです。
 各大手が出資して10億円も集めたんですね。
 これはヤベエなーどうしよう、と。
 僕らはまだ有限会社の時代だから
 資本金300万の時代ですよ。
 それが1年たったら撤退したんですよ。
 お金を使いすぎたんですね。
 僕のサイトはほんとチープです。
 つい最近コピー機を買ったような会社ですから。
 お金を使ってないんです。
 広告宣伝費もいっさい使ってないし。
 でも我々のユーザーはクチコミで来た
 真のユーザーだったんですよ。
 だから僕らの方がアクセスもあったし広告もついた。
 資本金300万円が資本金10億円に勝った!
 本当に痛快でしたね」

一人ぼっちで始めた個人のホームページが
巨大な資本が作ったものに勝ってしまう!
本当におとぎ話のようで痛快です。

個人と個人がダイレクトに、
密接なつながりを持つことができる
インターネットは、
もしかしたらビジネスの形すら
変えていってしまうのかもしれない!
…そんなことを思いました。
(僕はすぐに激しく影響を受けやすい)

けど、誤解してはいけないのは
それはインターネットの力ではなくて、
槙野さん個人の尋常ならざる
信念と頑張りがそうさせた
という認識をすることですが、

  ※「今もほとんど休むも取らず、
   シゴトにひきこもってる状態です」本人談

それでも、個人が大企業に勝った、
という現実は、勇気がわいてくる話でした。

…この話、まだ続くんですが
タイムオーバー。
シゴトをせねばなりません。
つづきはまた次回。

              (つづく)



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