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『MAT』停滞、…そして

デザインおよび
ホームページ作りの実作業を
担当してくれるはずだった
Sの参加辞退で、
僕は茫然としていました。

準備号のページ作りだけなら
デザイナーのTがやってくれる
と言ってくれていたけど
肝心の本編をいったいどうするのか?

でも
インターネット上にあふれている
無数のホームページの多くは
みんな自分で作ったもののようだ。
60才の女性だって自分で作ってる。
すごいよなぁ、みなさん。
俺にだってできる…んだろうか?

しっかし
テレビの説明書ですら
見るだけで頭が痛くなってしまう俺。
ズバリ自信なかった。
何をどうすればいいのか
想像もつかなかった。

ウェブデザインの学校にでも
通おうかな?とすら考えた
しかし、そんなのに通ってからじゃ
いつできるのかわかったもんじゃない。

それにあまり時間がたつと
熱も冷めてしまうだろう。

そんな時、ある友達の顔が
浮かんできた

八島くんというデザイナーだった。

彼は、その昔、
一緒に住んでいたこともある友達で
映画や音楽などについて
常に一緒にアツく語り合ってきた間柄だった。
センス的に共感しあえる部分も多い。
そういう部分で、最も信頼できる
友達の一人だった。

彼が仕事で
どんなデザインをしているのか
まったく見たことなかったが、
絵のうまさはよく知っていたので、
直感的に「大丈夫だろう!」と思った。

彼は編集者的な発想ももっていたし、
このウェブマガジンにも
興味をもっていてくれた。
問題は時間に余裕があるかどうか…?

デビッド・シルビアンのライブに
一緒に行った数日後、
僕は事情を話し、彼に切り出した。

「んじゃ、どういうのにする?」

やるとか、やらないとかではなく、
いきなり彼はそう言った。

さすが長年の友達だった。

「心の友よ!」
とは言わなかったけど、
僕はそんな心境だった。

ただ彼は、デザインは考えるし、
できるが、ウェブデザインはやってないし、
できないよ、と言っていた。

でも、それでいいと言った。

僕にとってまず必要だったのは
実際にデザインするというよりは、
デザインコンセプトなどを一緒に
考えていけるパートナー、
つまりアートディクレクターだったのだ。

そこさえ、なんとかなれば
後はそれから考えよう!
…あまり根拠もなく、そう決めた。

そしてその数日後、
飯田橋の飲み屋で第1回
打ち合わせに突入したのだった。

ところで、この
「とあるウェブマガジン」だが
実際には誌名があった。

それはSと企画を始めた最初の日から
もう決まっていた。

「MAT」という名である。

そもそも最初にプロレスの関する
ホームページを作ろうと思った時に
考えたものだった。
「マット界」の「マット」。

結果的にプロレスものは
やめたわけだけど、
この名前はそのまま残っていた。

どんなウェブマガジンになるのか
わからないし、内容も雑多、
それにあえて方向性を決めない
記号的なネーミングにしたかったので、
「MAT」でもいいかな、と。

Sも「それ、いいと思いますよ」
と言ってくれたので、
じゃこれでいこうかなと。

「みんなで・集まって・楽しいことしよう」
とかの略にもなるし、
「メディアなんとかかんとか」みたいな
それっぽい英表記の略称のようでもある。

書き手の参加決定者第1号のKも
「マットなら、『ござ』って意味でもあるから、
 フリーマーケットみたいに
 いろんなコラムが『ござ』に並んでる
 イメージにもなるんじゃないか?」
そんなことを言っていたので
「なるほど!いいかもね」
そう思い、その名前でいくことにしていた。

見る人によって、
いろんな解釈ができるネーミング。
「MAT」

しかし、これはSと二人で
進めてきた時の名前だったし、
もっとわかりやすいネーミングの方がいいのかな?
という思いもあったんで、
八島くんとやることになった以上、
リスタートする意味も含めて
違う名前にしようかなとも思い始めていた。

そう八島くんに言うと
「『MAT』でもいいんじゃないか?
 ただ、確かにもう少しわかりやすくした方が
 いいかもな」という話になり、
その「わかりやすくする方法」を
まず一緒に考えることにした。

で、議論の末、たどりついたのは
「突刊マット」
という名前だった。

日刊でも週刊でもないし、
突発的に刊行するメディア、ということで
「突刊マット」(トッカン・マット)。

語感もいいし、ぐっとマガジンぽくなった。

うん、いいんじゃないか!
「突刊は新しいよぉ!」「流行ったりしてな!」
二人はすっかり気に入り、
そんなことを言いながら、
興奮して盛り上がった。

その翌日くらいには
すぐに八島くんから
ロゴが送られてきた

うん、いい!

で、ここで僕は
「突刊」という言葉を
試しに検索エンジンにかけてみた。

すると…

あった!

しかもいくつも!!

ガーン!!!!
である。
新しくねえじゃん!

さすがインターネットだねぇ…
苦々しく、そう思った。

こうなった別の名前だ!
そう思い、考えた。

「瞬間的に発行するから
 『瞬刊』はどうじゃい!」

…が、これもあった

うーむ…なんてこった

「快刊」「撃刊」「気刊」「速刊」「未刊」「度刊」
「読刊」「勇刊」「直刊」「超刊」「衝動刊」etc…

ヤケになっていくつも考えた。
でも検索するとやっぱり既にあったり、
そうでなくとも気に入らなかったり…

そうしているうちに
「〜刊」というネーミング自体が、
そもそもダメなんじゃ…?
そんな気がしてきた。

インターネットという
新しい表現の場で何かするのに
雑誌や新聞という
もう既にあるものを
イメージさせる言葉は
あんまりワクワクしないこと
なんじゃないか…?

しかも、すでにそういう
名前のホームページも多い…
二番煎じどころじゃないぞ

そんな風に思えてきたのだった。

じゃ、どうするか?

数日間、考え続けていると
フッと、あるぼんやりした
イメージが「降りて」きた。

おっ、きたぞ!
そう思った

         (つづく)

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