07/23/02〜07/31/02




07/23/02 08:57am

昨日も稽古だった。
初めて行った稽古場は、「町内会の集会所」といった感じの場所だった。つまり、床は畳敷きで、ちょいと狭い。そこは、芸者さんやら舞妓さんやらが踊りの稽古をつけたりする、芸事の稽古場なのだ。
風情はあるのだが、コントの稽古場としてはどうか? 演出席(といっても只の座卓!)の正面には大きな姿見があり、*ネコだか獅子だかの人形の模様の布がおおってある。
「誰の部屋、ここ」といったらいいのか。

15人以上が一カ月近くいる場所として、どうなのか? といった話になって、制作に他の稽古場をあたってもらうことになった。
制作さんはホント大変です。頭がさがります。
「24畳の部屋ですけど、いいですか? って聞いたら、ケラさんは"いいよ"ってゆったのよ」と言われ、(はあ。それなら、しょうがないよなぁ。でも、ココはなぁ)と思った。
ケラさんのフォローをすると、「24畳」といっても、「団地サイズ」かなんかの24畳で、横(畳のどっちが縦だか横だか知らないが、短い方)が3尺ないのだ。
ウエハースみたいな形の畳で、「ふつうの24畳」を想像していたら、それよりはかなり狭いのだなぁ。

「前もってケラさんに稽古場の下見をしてもらう」のが一番いいのだろうが、忙しい人なのでそうもいかないしね。
「ここに15人以上入って稽古をすると、どうなるのか?」と、制作さんに想像力を働かしせてもらうしかないよなぁ。

蚤はまだ他にもいるらしく、昨日も刺されてしまった。
グヤジー!

*訂正 「稚児」だった。07/24/02

07/24/02 03:59pm

昨日も稽古。
ビシバシステムの住田隆さんがとても面白い。ひょうひょうとした風貌、それにピッタリ合ったトーンの声で妙なセリフをしれっと吐かれると、吹き出さずにはいられない。
その上、スケジュールの都合で稽古にいらっしゃれなかった、くりぃむしちゅー有田さんが出演するコントの代役までしていただいて、感謝多謝ですわ。
住田さんに演出陣(ケラ氏、いとう氏)からダメが出るたび、(有田さんの代役だから。住田さんに出しても…)と思ってしまいました。
しかし、そういったそぶりも見せず、逆に楽しそうに演じてらっしゃるのを見て、(いい人だなぁ…)と、ほのぼのレイク。

住田さん演じるところの「怖い人」ってのも面白い。
小劇場を見に行くと、狂犬みたいな演技(自我を爆発させ、自分だけが気持ちいいナルシシズムむき出しのヤクザ演技)をする役者がいるが、それは有効ではない。客が引くからだ。
住田さんはそこのさじ加減が素晴らしく、明らかに狂っていて怖い人なのだが、面白いのだ。くらべるのも失礼なのだが、彼らとの違いはなんなのだろう?
分かんない。今後の課題だ。

稽古後、前日の懸案だった「別の稽古場」を制作の中山さんと下見にテレビ東京へ行くことになった。
想像力を働かせるまでもない、いい部屋だった。しかし、ズーッと使わせてはもらえないようだ。
テレビ東京、シリーウォーク主催とは思えない、小劇場チックな「稽古場ジプシー」となってしまうのか?
小道具を毎日稽古場に持って行ったり、持って帰ったり… 荷物の山だよホント。汗だくだなんだよ夏は。電車の中じゃ白い目だよ。あーやだやだ。悪夢だね。
昔は疑問も持たずやっていたが、それは若手だったからだ。劇団員でも、若手でもないんだからそんなことはもうしない。と、心に誓うタイチなのでした。

その後、テレビ東京の伊江さんと相談をしていた映像ネタの話をした。
結論から言うとむつかしいようだ。

理由
1)
2)
3)

と、一応3つ書いてはみたのだが、Netに乗せるにふさわしい文章かどうかアヤシイし、あとから怒られそうなので自粛。
まあ、「大人の世界ダゼ」ってなことでしょうか。

07/24/02

稽古休み。
一日、台本の整理とスタッフへの電話連絡をしていた。なんだか休まらない。
ああ、そうか。ついでに↑みたいな文章をだらだら書いてるからだ。

07/25/02

朝は土砂降りの中、シリーウォークの事務所へ行き台本のコピーとり。
昼は稽古。

三谷幸喜さんの演技プランはどこからきてるのだろう?
はっきり言ってかなりヘンで、「外国の人?」って感じだ。
しかし、三谷さんの中では筋が通っているようで、なんだか妙な説得力がある。
(もしかして、「古畑」や他のドラマのキャラクターたちも、三谷さんの頭の中ではこういう風に動いているのかも)と思いながら見ると面白い。
稽古着(シャカシャカしたウインドブレイカーみたいなの)にちゃんと着替えてる三谷さんがまたカワイイ。
「役者ですから」と言ってましたぜ、ダンナ。う〜ん!

今日は結構な人が稽古に参加して、我我演助にさえ机がなかった。
「セマイセマイってゆうけど、結構すいてたじゃん」と制作の中山さんは言っていたが、【ある程度人が帰ったあとを見て言われてもなぁ!(怒髪)】と思った。なんだかなぁ。

午後5時に稽古は終わり、舞台美術の本郷さんと演出陣、制作を交えての打ち合わせ。
舞台セットのミニチュアを本郷さんは作っていらした。ネタバレしてもアレなので詳しくは書かないが、「モダンな和風」といった感じ。

そして、帰宅。コロッケと野菜コロッケ、納豆に冷や奴で夕食。
もう外へ出るのが嫌になる。

しかし、午後10時、新宿で舞台美術の打ち合わせ。
本郷さん、美術原案陣(安齋肇さん、しりあがり寿さん、なんきんさん)と制作とで打ち合わせなのだが、「やはり」と言うか、「待ってました!」と言うか、安齋さんがかなりの遅刻。
「こうでなくちゃ安齋さんに会った気がしない。タモさん気分満喫!」と云った感じか?

あ〜、ここんとこの日日はかなり豪華な出演陣ですなぁ。まあ、しゃーないんだけど、ちょっと「ここぞとばかり」感ツヨくてカッコ悪いっすかねぇ? って聞いても誰も答えないんだよなぁ。
ココに書き込んでみてよ、勇気をだして初めての告白。
なんだそりゃ。
いやマジで、なんでもよいから。


ひと通り演出陣の意向をお伝えして、しばーらくして安齋さんの登場。
ちょっとしりあがりさんの説明を聞いた安齋さんは、「ちょうちんに絵を描いて、こう、バラバラバラッ!ってやる(閉じたのを広げる)の良くない?」と言いだした。
その後、何度も何度も「バラバラバラッ!」と言いたいがための「アイデア」を色色と出して頂き、皆おおいに笑う。
しりあがりさんが「もう、"おもしろアイデア"はいいですから」と言うまで、お三方はなーんだかアイデアを出し合う。
ん〜、もったいない。「小屋が違えば、そのアイデア出来るのに!」といったものばかりだ。(なんきんさんの「根本的なアイデア」は、作家として参考になった)

「ちょっとここでは言えない理由」から、深夜の喫茶店で何度もジャンケンするオヤジ三人… おもしろうございました。

打ち合わせが終わったら、帰れないことに気づいた。電車が「あるんだかないんだか」の時間なのだ。
(ん〜、いわゆるひとつのタクシー?)と心の長嶋がジャッジしてくれた時、「世田谷方面の方、よかったら車でお送りします」と天使の声が!
お言葉に甘えて、本郷さんの車で大原の交差点あたりまで送って頂く。
本郷さんはとてもいい方で、「止めた駐車場が遠くてすみません」とか「(ぼくの家の付近の)道をしらないので教えて頂けますか?」とか、どっちが車で送ってもらってるのか分からない状態でした。
ホント、ありがたかった。ほれた。

家についたら、午前1時過ぎ。疲れた。
ビール飲んで寝た。

07/26/02

休み。
一日、演助(同僚)の坪田さんから借りた「ワープロソフト」について色色やる。(ソフトの違法コピーは止めましょう。ハハハ)

5時間も休まずズーッとやってるのに、うまく台本がプリントアウト出来ず、泣きそうになる。(泣かないけどな。しかし、中学生ぐらいまでのオレなら泣くね、確実に)
(バチか? 違法コピーソフト神の? スンマセン、スンマセン)とか思いながらやったさあ。
ようやくちゃんとプリントアウト出来たのは10時間ぐらいたってからで、(オレ天才かも。いや天才だ!)と思いました。なんだそれ。

自意識ってのは、設定されたハードルと、そのクリアによって満足するものですね。
良くできたロールプレイングゲームってのは、そこのクスグリがうまいのだなぁ。

いやはや、大変でした。

07/27/02

休み。
明日、シリーウォークの事務所は日曜で休みなので、稽古のための台本をコピーしに行く。
(土曜日も基本的には休みだが、制作の中山さんが事務所にいる間を聞いておいて行ってみた)
街のコンビニにコピーしに行ってもいいのだが、枚数が多いし、過去の演助生活でコンビニにはいい思い出がない。

それにしても暑い。やんなる。

07/28/02

稽古。
いとうせいこう氏は稽古不参加。演出はケラ氏のみ。

くりぃむしちゅーのお二人が今日は稽古NGの予定だったのだが、いらっしゃって、演出/演助ともども驚く。
「稽古に来れないのはいいんだけど、急に来られても困るからさ、ちゃんと確認しといて」とケラさんが制作に言う。
贅沢な悩みだがもっともだ。
演出側は、一応三日ぐらい前から参加できる演者を組み合わせ、稽古できるコントの予定を立てているわけでして…
急遽参加されると、その人が稽古できるネタをやらねばならず、予定が狂うのでな。(稽古にいらしてそのまま何時間かボンヤリされても悪いよね)

07/29/02

稽古。
稽古前、シリーウォークの事務所にコピーをとりに行く。暑い。

当たり前だが、くりぃむしちゅー上田さんのツッコミはスゴイ。
どのような状態で、誰がどんなことをしても、的確な言葉で瞬時にツッコむ。自由自在だ。
まるで言葉が前前から用意されてるようなのだ。
思うに、頭のクロック周波数が常人と違のだろう。映画「マトリックス」の「弾丸の軌跡がスローで見える世界」みたいな。

ラッパーのZEEBRAが「MCバトルとかDJバトルとか、ヒップホップの中ではすごく大切なもので。スポーツと同じで、戦うからどんどん記録が上がっていくんだと思うし。(中略)ある程度、スポーツマンシップじゃないけど、そういうのに則ってやるもんだとも思うしね」という世界にすごく近いとも思った。
言葉のアスリートっつうか。
スポーツマンの妙技を見るように、ぼくは上田さんのツッコミを見て、感動しながら笑う。

惜しむらくは、芸人の妙技を見せる場がテレビの中にほとんどないことだ。

稽古のあと、衣裳の打ち合わせがあった。

07/30/02

稽古。
稽古の前に例のごとく台本のコピーとり。コンビニでやった。やんなる。

今日の稽古場は初めて行くところで、辿り着くまでけっこう迷った。
途中、交番があったのだが、なんだか悔しいので自力でがんばってみた。
おかげで、舞台美術の打ち合わせに遅れてしまった。
んー反省しろ、オレ。
はい。

今日は初めて出演者が全員揃う日でもあり、色色なスタッフが稽古に来てなんだか緊張した。
YOUさんが初参加なだけなんだけどね…

YOUさんはテレビで見たままの人でなんか安心した。っつうかなんだろ、ちょっとショックだった。
「本当に裏表がないんだぁ」と言うか。
パブリックイメージの"ちょっとうるさがたの人"ってんではないよ。
演助のぼくのところへチョコチョコっと来て、「(耳打ちで)稽古着に着替えた方がいいのかなぁ」と言う感じ、っつうか。

演者ってのはスタッフに愛された方が勝ちなのだ。
今回の出演者の中にも「立場で人を判断する人」ってのがいるけど、これは得策ではない。
スタッフは確かに、出演者よりも下の立場だ。(演助なんてえのはテレビの世界で言う「ADくん」みたいなものだろう)
しかし、だからと言ってぼくも人間だ。これ見よがしに役者風を吹かれると面白くない。その人を愛せなくなる。
ぼくの場合だと、その人について演出上なにか気づいても絶対に言わなくなる
(そのセリフを言うときの角度を、ちょっと変えれば、もっと良くなるのに)などと思っていても言わない。その人を良くしたくないからだ。
「そこそこ行ってればいいんじゃない?」っつう感じ。
衣裳だったら「力入ってないけど、このデザインでいいや」ってなことになるだろうし、照明だったら「この人、明るくする必要あるのかね?」ってなこと。
自分の仕事としてはちゃんとこなすけど、それ以上はやらない。みたいな。

そういった意味で、「立場で人の上下を決める人」ってのは損だ。
しかし、マンガに出てくる「女優」みたいな人ってのは確実に存在する。(女でなくても)
「そんなにエバりたいの? 好きにすれば。でもあんた、演出家にはそういう風に言わないだろう?」みたいな人。

精神構造的に、「セクハラ上司」と同じなのだ。

07/31/02

休み。
手書き台本の清書をした。
結構な量で疲れた。


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