SONY MDR-E484 修理

2002.04.07作成
2003.12.19更新
2005.10.14更新

2016.05.07更新

現在は入手不可能?

 最近のインナーイヤーヘッドホンは全体的に見て価格が安くなりましたが、音質的に興味をそそられるものはなくなってしまいました。SONYのMDR-E484は僕が高校の時に買ったものですが、この当時は1万円のインナーイヤーというものもありました。本格的なヘッドホンにまで手を出す余裕がなかった僕は、インナーイヤーで最も音質が良いものにしようということで、各メーカーのカタログを集めてきていろいろ考えてこれに決めました。

 当時のSONYはヘッドホンの振動板に採用している素材を大々的に宣伝していて、確か上から「アモルファスダイアモンド」「ゴールド」「サファイア」・・・というようにランク分けしていたと思います。それとコードにもランクがあって、導線に使われる銅の純度が高い順に「LC-OFCクラス1」「LC-OFC」「OFC」というようになってました。実は現在もカタログにはそのことがちょこっと記載されてるんですが、説明がないので何がどう良いのか全然わからないですね。

 MDR-E484は「アモルファスダイアモンド蒸着振動板」と「LC-OFCクラス1リッツ線」を採用しているということですっかり気に入ってしまい、疑いようなく買ってしまった訳ですが、今になって思うのは、ヘッドホンの音質は実際聴いてみないとわからないということですね。カタログにはいいことしか書きませんから。普通に使う場合で考えると、スペックで注目するところは再生周波数帯域ぐらいでしょうが、これも広いからといってこれだけで音質が良いとはいえないですし。でも、やはりそれまで使っていたインナーイヤーよりはずっと音が良かったので、数年間はメインで活躍しました。

 その後、E484の後継として「バイオセルロース振動板」を採用したMDR-E888が発売されました。ちょうどそのときE484のコードが断線しかかっていたこともあったので買ってみましたが、E484と比べると若干柔らかめの音で、ぼやけるような感じがするのであまり好きになれず、やはりE484を使ってました。しばらくして完全に右から音が出なくなったので、E888に乗り換えざるを得なくなりましたけど。

形は当時の付属ヘッドホンと変わらない・・・

 それからオーディオにはまってしまってヘッドホンも増殖しましたが、E484の音も捨てがたかったので修理に出すことにしました。とはいえ生産完了から4年ほど経っていたので、修理できるかどうかわかりませんでしたが、カタログの後ろには補修部品の保有期間は製造打ち切り後6年って書いてますのでなんとかなるだろうと。とりあえずそこら辺の電気店に持っていっても受け付けてもらえるかどうかわからなかったので、ソニー修理受付認定店へ持っていくことにしました。

 店で「ヘッドホンの修理お願いしたいんですけど」といって出してみましたが、インナーイヤータイプのヘッドホンは、修理ではなく新しいものに交換ということになるらしく、E484は生産完了しているのでE888と交換という形になるといわれました。でも、E888はすでに持ってますし、E484じゃないと意味がないので、何とかなりませんかとお願いしたら、問い合わせてもらえることになりました。とりあえず同型番で交換または修理してもらえる場合のみお願いするという形で預けました。ちなみにE888に交換だと、定価の半額の4000円で交換してくれるそうです。もしE888が壊れたら、買い直すよりここで交換してもらった方が安く上がりますね。(E888は交換ではなく、修理対応であるということをどこかのページで見ました。どっちが正しいのかわからないので、上記一文は削除しておきます。03.12.19追記)

 店の人に「何で新しい型のE888じゃだめなの?」って不思議そうに聞かれたので、「前の方が音が良かったんです」って説明したら、どういう訳か「最近の家電製品は安くなったけど、機能も性能も落ちてしまいましたね」って話に発展してしまいました。「最近は値段が下がりすぎてメーカーの儲けなんてないですよ」って話には、自分も痛感しているので激しく同意しましたけど。

 修理できるかどうか確認とれたら連絡をくれるとのことでしたが、平日は仕事で自宅にいないので、留守電に入れておいてくださいっていったら、「説明しないと納得してもらえないかもしれないから、会社の番号教えてください」っていわれて困ったことに。同業他社なんですってのも何か言いづらいので、「修理できるかどうかだけでいいんで留守電に入れといてください」っていって逃げてきました。店側から見れば、いろいろ変な要求をしてくる厄介な客だったかもしれません。(^^;

 修理には3週間弱かかりましたが、無事直って返ってきました。ユニット以外は全部交換ということで、技術料を含めて全部で8,022円となりました。定価超えてしまいましたが、もう売ってないんでしょうがないですね。ということで、現在は外に持ち歩くようなことはせず、自宅で大事に使っています。

 E484はオークションでもなかなか見かけないんですが今出ていますね。高級イヤホンがごろごろ出てきた今となっては存在が薄れてしまったかも知れませんが、どのくらいの値段で落札されるか楽しみですね。(2005.10.14追記)

2016.05.07追記

 上の記載見てるとヘッドホン(イヤホン)の環境も昔と変わったなあと感じますね。今は数十万円するイヤホンありますからね。オークションで高値取引されているE484ですが、音質うんぬんというよりはレアものコレクターアイテムとなってますね。久々に取り出して写真撮ってみました。(クリックで拡大)