Sugden HeadMaster レビュー

2002/09/23 作成
2002/09/28 更新

 本格的なオーディオシステムが欲しいなと思ってはや数年。お金は一向に貯まらず、高級機と呼ばれるものにはいつまでたっても手が出せないでいる訳ですが、ヘッドホンで音楽を聴く環境ならそこそこのものを揃えることができるんじゃないかと思い立ち、ヘッドホンアンプを買うことにしました。ヘッドホンはたくさん持っていますが、今まではプリメインアンプのヘッドホン出力に接続して音楽聴いてましたので。

 で、いろいろ調べまして、最終的にたどり着いたのがこの「HeadMaster」です。初めの頃は、audio-technicaの「AT-HA2002」や、SAECの「HP-2000」も考えていたんですが、どちらも「音質」という点ではそれほど高い評価をされている訳ではないみたいでしたので・・・。本当は店頭で聴き比べとかすべきなんでしょうけど、いつも思うのは店頭で少し聴いたぐらいではさっぱりわからないというのが正直なところなので、Webでの評判や評価を信用することにしました。貸し出してもらえるならそれが一番なんですけどね。

 これを選んだ一番の理由は、AIRYさんとこのレビューにもありますが、「純粋主義」ということです。ヘッドホンアンプ買うのは初めてですし、最初は味付けされていないものを選ぶのが無難かなと。(^^;

 購入して2ヶ月が経ちました。そこそこ聴き込みましたので、レビューというか感想を書きたいと思います。あくまで個人的な感想ですので、その点は理解して見て頂けるとありがたいです。ただ、少しでも信頼性(笑)をあげるために、僕が以前から所有している環境との比較というのをやってみました。

試聴環境

HeadMasterR (Sugden) 上段中
 プリアンプとしても使えるヘッドホンアンプ。今回のメインなんですが、なんか一番目立ってないですね。(^^;

PMA-2000 (DENON) 下段右
 単品コンポとしては入門クラスのプリメインアンプです。今は「PMA-2000 IV」まで出ているようですね。僕のは初号機です。

AX-F1 (Victor) 上段左
 システムコンポのプリメインアンプです。普段はセカンドシステム(PC用)として活躍しています。

DV-AX10 (Pioneer) 上段右
 DVD-A/SACDデッキ。試聴に使ったソース(CD)は自分の趣味の曲ばかり。リズム系の曲です。

AT6A56/1.0 (audio-technica)
 ラインケーブルは同じもので比較したかったので、試聴するアンプを換えるたびに接続し直すというそれは面倒なことをやってます。;D

 左下のはビデオデッキです。無視してください。(^^;


使用したヘッドホン

ATH-W10VTG (audio-technica)
 今回はこれをメインで使ってます。

ER-4S microPro (ETYMOTIC RESEARCH)
 長時間これ使うと疲れます・・・。

MDR-CD900ST(SONY)
 最初これだけでいこうと思ってましたが、あまり使えませんでした。

比べてみました

HeadMaster vs AX-F1

 まずはAX-F1でいろいろ聴いてみました。CD DIRECTスイッチがあるのでONにしています。思っていたよりも音が良いことにびっくりしました。普段このアンプはメインシステムに接続してないので気づかなかったんですが、ヘッドホン出力は、そこそこまともな音が出ていると思います。HeadMasterと比べるまでは、特にこれといって悪いところは感じられませんでした。

 次にHeadMasterで聴いてみました。AX-F1と比べてみて受けた印象は、こちらの方がクリアな音が出ているなという感じです。どの音も小気味よく鳴ってくれます。レスポンスがいいといいましょうか。低域の量感は問題ないので音が軽いからというわけではないです。また、どこかの帯域に偏った音が出てるといった感じは受けません。素直ではきはきした音が出ます。というわけで、AX-F1と比べるとHeadMasterの方が明瞭な音が出ているなといった感じです。

HeadMaster vs PMA-2000

 これもまずはPMA-2000から聴いてみました。SOURCE DIRECTはONです。音質はAX-F1と似たような感じですが、違いは若干低域がずっしりしているかなってところです。HeadMasterと比べると、違いはやはり音のクリアさといったところです。ただ、普通に聴いてる分にはHeadMasterとさほど大きな違いは感じられません。どちらのアンプも電源ケーブルは付属のものを使っているので、これに足を引っ張られているのかも知れません。

感想

 ここ最近はずっとHeadMasterばかりで音楽を聴いていましたが、プリメインアンプのヘッドホン出力もなかなか侮り難しってところが正直な感想です。HeadMasterは音に味付けをした感じがしないので、特定の音楽や楽器だけにぴったりはまるといったことはないようです。ですので、AX-F1やPMA-2000とは、主に音の純度といったところで違いが出てくるんでしょうね。「とりあえず、原音を忠実に出力しておくから後はヘッドホンさんお願い」ってところでしょうか。

 今回の比較にはあまり使いませんでしたが、HeadMasterとER-4Sの相性は結構いいですね。ER-4Sのクリアな音にさらに磨きがかかった感じがします。まあ、聴く曲によってはもう少し柔らかい音の方がいいかなと思うこともありますけど・・・。

 というわけで、そこそこのシステムコンポをすでに持っている人なら、まず初めはヘッドホンにお金をかけるべきだと思います。ヘッドホンアンプはそれなりのヘッドホンを使うことで、初めて実力を発揮すると思います。普及クラスのインナーイヤー(SONY MDR-E868)を使って軽く比較してみましたが、違いはわかりませんでした。

 HeadMasterは「原音に余計な味付けはいらない」「音をクリアに聴きたい」って人にお薦めできます。そこを重視すると、組み合わせるのに最も良さそうなヘッドホンは、ER-4SかSENNHEISERのHD600でしょうか。HD600については単に僕が欲しいからそう思ってるだけかも知れませんが。(^^;