2002.05.29作成
2002.07.10更新 はじめにすでにいろんなところで話題になっているSOTEC販売の「AFiNA OP-VH7PC」ですが、僕はこれが投げ売り爆安価格で売られていることをソフマップの店頭で初めて知りました。 一応説明しておきますと、「AFiNA OP-VH7PC」は、SOTECがKENWOODと提携して、KENWOODの「Avino VH-7」というコンポ(アンプ,CDプレーヤー,チューナーを一体型にした本体とスピーカーのセット)をベースに、PC用のPCM音源を付加し、PCオーディオシステムとして開発したものです。「Avino VH-7」は、3年ほど前に発売されたコンポですが、別売のMDレコーダと組み合わせると定価で10万円超のシステムとなるので、ミニコンポの中ではグレードの高い製品だったといえます。 それがソフマップで14,800円でたたき売られてるんですから一瞬目を疑ってしまいました。後にネットでさらに安く売っているところがあることを知りましたが・・・。 というわけで、購入決定。:D このページでは、「AFiNA OP-VH7PC」をPCオーディオというよりは、普通のオーディオコンポとして使うことに重点を置いて、音質向上に向けていろいろやってみたいと思います。 デフォルトの音質 とりあえず、何も考えず適当に設置して音質を確認してみました。低音がうなりまくってスピーカーがビビってます。デフォルトでは「N.B.2」というモードになっていて、低音と高音を補正(ラウドネス補正)しているらしいんですが、これでは補正になってません。(^^; スピーカーは小型ですが、結構低音は出ます。どうやらアンプ側である程度持ち上げているみたいです。といっても体に響くような超低域はさすがにムリです。スーパーウーファーを加える手もありますが、バランス取るのが難しいのと、音楽を聴く上では特に問題ないレベルなので、このままいくことにします。 音質向上に向けてこのランクの製品となると、スピーカーの作りもそれなりにしっかりとしているので、いわゆる「オーディオ的」な楽しみ方が出来るんじゃないかと思い、基本といわれる音質改善のアプローチをやってみることにしました。つまり、
ということです。本体のCDチューナーアンプは一体型なので、ほとんど手を加えることができないのはしょうがないですね。せめてこの細い電源コードを何とかして取り換えたかったんですが、それをやってしまうと保証外となるので断念しました。まあ、手軽に音質改善をやってみるってところを目的とすることにします。 セッティングスピーカーの設置場所ですが、とりあえず床に直置きというのは却下です。スピーカーの振動が床に伝わると音が濁りますので。しっかりとしたスピーカー台やオーディオラックの上に置くのが理想なんですが、これを買った人のほとんどはPCオーディオとするのが目的でしょうから、PCモニタの両脇に置いて考えることにします。僕はPCモニタをパソコンラックではなく机の上に置いてますので、両脇にスピーカーを設置するスペースがあります。スピーカーのトゥイーターから出る高域の音には指向性があるので、なるべくトゥイーターが耳の高さになるように設置するのが良いと思います。 ですが、パソコンラックを使っている人は、スピーカーの大きさからしてモニタの横にというのはつらいんじゃないでしょうか。その場合は、ラックの天板などのなるべく耳よりも高い位置に置くようにした方が、足下に置くより遙かにマシです。実際試してみるとすぐわかると思いますが。 本体は縦置きより横置きの方が安定するので音質的には良いと思うのですが、これについては比較してないのでわかりません。どちらにしてもしっかり安定としたところに設置するのが基本です。 セッティングボード
インシュレータースピーカーの下にインシュレーターを敷く場合には、3点支持と4点支持という方法がありますが、今回は小型スピーカーなので、低音の出力に有利といわれる3点支持にすることにしました。インシュレーターは、金属系、木材系、ゴム系をとっかえひっかえして音質の違いを調べてみました。 金属系(DELCA 「AVX-101」)
木材系(山本音響工芸 「QB-2 アサダザクラ」)
ゴム系(EXCEL SOUND 「ESI-70」 + ブチルゴム)
僕はブチルゴムをメインとして使ってます。リズム系の曲ばっかり聴くこともあり、弾力感のある音を聴くといった点ではこれが一番しっくりきましたので。 スピーカーケーブル付属のスピーカーコードでもそれほどひどいと感じることはないのですが、じっくり聴いてみると低域が少し弱く、全体的に奥行きがない薄っぺらい音に感じました。したがってこれも何種類かのケーブルに交換して比べてみました。比較基準は付属スピーカーコードです。 SPACE & TIME 「Prism NEXA-8N」 3,000円/m音が全体的に明快になった感じがします。締まった低音が出るようになり、低域の量感が増えました。テンポの良い曲には合いますね。 ORTOFON 「6.5N・SPK-300」 1,600円/mこちらは音の深みが増したような感じ。音の広がりが感じられます。少し柔らかめの感じがしますが、どんな曲にも合いそうです。 audio-technica 「AT6138」 500円/m評価中・・・。 今のところ「Prism NEXA-8N」が一番好みの音になったので、これを固定で使っていこうかなと思っています。 リスニングポイントについてオーディオとしての音を楽しみたい場合は、机に「かぶりつき」の位置だとつらいものがあります。僕が特に感じたのは低域不足なんですが、ある程度離れた位置で聴くことで問題はなくなりました。このことは部屋の状態にもよると思いますけど・・・。 PCM音源についてUSB接続の外部音源は、CPUパワーを食いまくってレスポンスが悪いので、「AFiNA OP-VH7PC」では、USB音源に過度の期待はしないことにしてます。でも、とりあえず使ってみての感想を以下に書きます。ちなみに「GEOBIT/SOUND by KENWOOD」っていうバンドルソフトは持ってないので、普通のUSB音源としてできることしかやってません。 音質については、問題ないレベルだと思います。ノイズも少ないですし。まともなサウンドカードを持っていないので、それと比べて良いとも悪いともいえないんですが、少なくともオンボードサウンドよりは遙かに上です。 CPUは「Pen3 700MHz」ですが、DVDを見てるとたまに「ブツッ」というノイズが入ります。やはり負荷はかなり高いようです。でもこれはCPUパワーがあれば回避できそうです。MP3を聴くだけなら特に問題はありませんでした。 ただ、このPCM音源がアンプに少なからず悪い影響を与えているような気がします。元となった「Avino VH-7」はどうなのかわかりませんが、ヘッドホン出力の音には結構ノイズが乗っています。だから、あまりヘッドホンで音楽聴く気にならないんですが。(^^; さいごにラジカセ程度の値段で買える「AFiNA OP-VH7PC」は間違いなくおすすめです。5万クラスのMDコンポよりも音質は上ですし。安物コンポはスピーカーから直接細いコードが出ているものがあり、断線したらどないすんねんとか思いますが、これはケーブル交換可ですし、バナナプラグ対応なので、大抵のケーブルなら接続できます。また、PCオーディオとして見ても、これを超える音質のものはそうそうないんじゃないでしょうか。 スピーカーは思っていたよりもセッティングに敏感に反応したので、なかなか楽しませてもらえました。やっぱりコンポを買ってきて、一度接続して電源入れたらそれで終わりってのはオーディオとして楽しむには物足りないですよね。 「AFiNA OP-VH7PC」は音質を自分好みに改善する余地はあると思いますので、もしここを見て興味がわいた人がいましたら是非試してみてください。 やっているウチに費用が本体の値段を超えるかも知れませんけど。(^^;
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