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         48のA,724日号

『私の平和の創り方』(ゲスト 川口創弁護士)

 ごった返し。1日中、午前だけ、午後だけ参加の人。突然、住民監査請求をする為参加不能になるも、姿を現した議員さん達。次期選挙に立候補予定の人も。司会は初参加のHさん。弁護士さんは30代前半で、皆若さにびっくり。ボランティアで眠る時間を削ってイラク訴訟の弁護団事務局長をされています。講演というより膝を交えてという言葉がピッタリの、川口先生の平和のり方のお話に、30人のがま口は真剣な眼差しの2時間でした。

▲こんにちは。川口創です。愛知県の弁護士1000人弱のうち100数十人がイラク訴訟の弁護団に入っていて、その事務局長をしている。この中でイラク訴訟の原告の方は?(数人挙手)。裁判の存在自体は聞いたことある方は?(大勢挙手)

今、全国で、北海道、仙台、栃木、東京、静岡、山梨は終わって、名古屋、京都、大阪、岡山、熊本とやっている。北海道は箕輪登さんという、元郵政大臣、自民党防衛族のタカ派だった方が最初に提訴され、それに名古屋が続いた形。名古屋は
3000人を超える原告で、戦後最大規模の裁判になっている。自民党のタカ派の人達も入っていて、今までとは違った広がりのある裁判になっている。残念ながら箕輪さんは先日亡くなられたが、北海道では超党派の元国会議員のOBとかが中心になって、その遺志を継いでいる。

今日はイラク訴訟の現状を紹介しながら、去年出された自民党の新憲法草案を見る。自衛隊をイラクに派兵した事と、この草案は別個独立の物ではなく、同じ方向に流れている表れだと捉えて欲しい。日本国憲法の
9条だけは読んだ事があると言う人が多いと思うが、憲法が何条まであるか、ご存知の方は?

はい。103条です。(ほーっ!)

素晴らしい。103条まで読んだ事がある方は?(笑い)(一度は読んだ事あるような気がするけど)憲法9条は読んだ事ある?自民党の新憲法草案をザッとでも見た事のある人は?(ある)じゃ、ちゃんと読んだ人は?Mさん、読んだ印象はいかが?

今までは、そこのページを開くと「戦争放棄」と大きく書いてあったのに、戦争放棄の字が消えて「安全保障」になり、自衛隊が自衛軍になっている、国際協調の為にナンタラカンタラって書いてあるのは、軍を外国に出せるって事。後、国内で、そういうのヤダよって言う人がいたら、それを軍の力で抑えこめるという風に。

僕が話したい事だいぶ言われた(笑い)9条の一項二項が元々ある。第二章戦争の放棄から始まって、戦争放棄というタイトルだったのが、安全保障に変った。戦争の放棄を止めるという事。9条の一項は形式的には残っているが、二項、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」を核として、9条の二を創設した。Tさん読んで下さい。

我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮者とする自衛軍を保持する。

、自衛軍は前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

3自衛軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行う事ができる。

4前二項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。

だいぶ9条の中身が変る事が分かったと思う。今のイラク派兵の問題と連動して考え、日本の国際社会の平和とか安全を全部アメリカに置き換えて考えて下さい。今回はフランス、ドイツ、ロシア、中国がイラクへの侵攻、侵略に反対していたにも拘らず、アメリカ・イギリス、その他一部の連合軍と言われる、連合国が連携をとってアメリカのイニシアチブの下、イラクに侵略した。

国際法上明らかに違法だし、大量破壊兵器もなく、大儀、理由も全く無く侵略して人をいっぱい殺し、今でもその状況は変わらない。それに日本政府は無批判で支持し、イラクへ自衛隊を派兵した。

今後もこのような姿勢をもっと強固に無批判に、海外展開を自由にして行く為に
9条の三項で、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」という形で、全部国際社会とか国際的に協調してと言う。アメリカの為に、アメリカと日本の国益の為にという形で読み替えて頂きたい。

今でも
9条の理念を踏み越えて派兵しているので、明らかに9条違反だという事でイラク派兵の裁判をやっている。憲法が変われば裁判すらできない。国民が「それはおかしい」と、国に対して文句を言う、「憲法」という武器自体が失われてしまうという事になる。

加えて、「緊急事態における公の秩序を維持し」というのは一体何だろう。さっきのは国際的、対外的な話。「緊急事態における公の秩序を維持し」は何か?Oさん。

有事立法に表されているみたいな、病院だとか学校だとかが全部統制下に入る事?

それを前提として想定されるのはどういう事か?(戦争?) 戦争よりもっと手前の話。(北朝鮮かなあ?ミサイルが飛んできたとか) そんな所までもいかない。

国内の弾圧。人々が集まったりすると…(共謀罪だ)(※色々声が出る)

共謀罪もそうだが、例えば、安保闘争とかで、デモ…、今の日本ではあそこまでのデモは起こりえないと、残念ながら思うが、国民がデモをする、それを治安維持活動だという名の下に弾圧する事を想定している。

軍隊は対外的な戦争に出て行く為だけに存在する訳ではない。例えばフィリピン国軍は海外で人を殺した数より、国内で国民を殺した数の方が圧倒的に多い。軍隊は国民を守る為ではなく、あくまで国家権力を安定的に維持する為の暴力装備だというのは、法律の世界では常識。

軍というものが…今は自衛隊は明文に書いてないから、日陰者扱いなので、それが表に出てくる事はイリーガル
(違法)な話だ。自衛軍が統治作用の重要な組織として明記されて、政府に対して文句を言うと、軍隊が圧力をかけてくる。直接、実際、軍がデモかなんかの時に、すぐ出て来ないと思うが、出てくる可能性を残すという事によって、十分に萎縮される。ものが言えない社会に、今、どんどんなっているが、より言い辛くなるだろうと懸念される。

 国民の生命若しくは自由を守るための活動を行う事ができる国民の自由を守る為だと言ってしまえば、軍隊を出動させる理由をつけられる。国際貢献というので海外へ派兵するとともに、緊急事態でなくても、国民の生命若しくは自由を守るためというフレーズを使う事で弾圧をかけるのも可能になる。かなり危険だという認識をもった方が良い。ものを言えない社会を作っていく。背景に軍隊を想定している事の裏返し。直接権利義務の関係がどうなっているのか、という事だが、憲法の13条をUさん読んで下さい。

個人の尊重等。すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。(その下の今の憲法も) すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

▲両方「公」で、そんなに変らない気がする。お互いの人権の調整をキチッとしていく為に、調整原理として公共の福祉という概念が用いられるのであって、公益という国の利益という意味ではない。

例えば大企業の人権と
1人の人権を比較した時に、単純に大企業、大人数の人権を尊重するというような思考に行ってはいけない。1人の人権を守るのが、人権の大事な所だというのが日本国憲法の由来。少数者の為にこそ人権はある。

多数者は、自分の利益は国政上反映される可能性が高いが、マイノリティ、少数者の立場の人達が、個人としての尊厳、人として尊重される為にこそ人権というものはあるので、「すべて国民は個人として尊重される」。これが日本国憲法の一番の大基本。

9条以外の条文はあまり読む機会がないかと思うが、日本国憲法の一番の柱は13の一番最初。すべて国民は個人として尊重される。…国民って、解釈上は別に日本国籍に限っていない。人々は人として尊厳を持った存在として尊重され、だからこそ人権がある。だからこそ戦争を放棄する為に平和憲法9条がある。

全部そこから人権も平和の問題も形作られているというのが日本国憲法の理念なのに、新しい自民党草案は優先順位としては国の利益。基本的に公益とは、戦前は天皇の事を言ったが、抽象的に国の権力とか、公の秩序を大事にして、その範囲でしか個人は尊重されないという風に思いっきり転換したのが、この
13条だ。

個人はあくまで公益の為にある。戦争等も基本的に国際貢献。公の秩序を守る為には軍隊を出動させて、反対する人達に刃を向けてもかまいません。仮に銃口を向けて殺してしまったとしても、憲法上は許される。

私が勝手に言っている訳では全然ない。去年の
11月、立党50年記念大会で宣言した。新しい憲法として提示する事を前提にしているので、サンプルという軽い意味ではないという事を意識する必要があると思う。もう1個安全保障の第四項、もう一度読んで下さい。Hさん。

前二項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。

何が想定されているか?こういう事が想定されてないかなあと思う人。

憲法で書いてなくても、法律さえ変えればすぐに自衛隊が活動できる状況になっている。

それに加えて、ちょっと気にしてほしいのは、組織及び統制って所。今志願制の国と徴兵制の国があるが、大まかに言って志願制は、国民の中で階層化が進んでいる国で多い。大学に行きたい、もう少し豊かな生活をしたい、市民権を獲得したいとかの為に志願する事で軍隊の人員を確保している。アメリカもどんどん志願兵が減っている。

今、日本も格差社会が進んでいるが、いざ戦争とか、もっと軍隊を補強したい時に、志願では賄えない。徴兵の余地を残しておこうと言うのが文章に出ている。徴兵制を認めると書いてしまえば反発を食らう。法律で定めると付託しちゃえば、後は法律で定めればいい。非常に恐ろしい事になりつつある。そもそも憲法というのは何の為にあるのか?
Tさん。

●国の秩序を守る為?

それは違う(笑い)。国の秩序を守る為だったら自民党の言う事は素晴らしい(笑い)

そっちの方はね。国民が国に対してこうあってほしいと願って作ったもの。

惜しい(笑い)Kさん。

国民を守るもの。(何から守る?) 一番大きく言えば、人権を守る為だと思う。

Iさんは?

個人として尊重される為。(どういう関係において?) 権力関係。

国民から、ですよね。

▲元々歴史の上では秩序維持の為だった。でも実際は権力側からは作る必要は無い。自分がやりたい放題やればいいから。そこで、歴史上、憲法として出てきたのは、1215年イギリスのマグナカルタ。昔はどこの国も王様が好き勝手やっていた。

貴族からしたら、王に勝手にやられたら困る。特に税の問題。基本的な背景としては、貴族により王権を制限していくというのがマグナカルタ。ある一定のルールを科して縛りましょうというのが憲法。

特にフランスの市民革命を経て、国民が主権者だとなってきた。権力はどんどん干渉して、国民の自由を侵害していくというのが歴史上の教訓なので、国に対してきちんと縛りをかける事が大事。

個人間であれば、契約自由の原則といって、契約をして私が嫌だと言えば、その契約はなしという事になる。大きい会社との間ではある程度認められるが、国との関係では、法律で作られてしまったら、勝手に権利が侵害されてしまうし、税金も消費税が又
10%まで上がっちゃうとか、そういう事がある訳だから、きちっと権力に対しては縛りを国民側からかけないと、私達の人権も生活も守られないという教訓の下、憲法が作られてきた。当然、租税法律主義と言って、租税の問題についてもきちっと含まれている。

そもそも、国が暴走しない為の安全装置として憲法が作られてきた。今回の自民党の法案を見ると、その縛りをとにかく緩めて、権力の側がやりたいようにさせてくれという事。軍隊を出すのもいちいち国会の承認を得ていたら間に合わないから、グローバリズムの中では迅速化が必要だという言い訳の下、縛りを緩めて、やりたいように出来るシステムを作ろうというのが、この新憲法草案の狙いだ。その結果、私達の権利も制約されていく。

 イラク派兵というのはそれを先取りしている。戦闘地域・非戦闘地域という概念を作ったり、イラクの人達に銃口を向けないように、一生懸命自衛隊の人達も努力をし、幸い陸自については、直接人を殺さず、又死ぬ事もなく一応形式的には帰ってきた。

形式的にはと言うのは、自殺者が
5人出ている。アメリカでは戦死者のカウントは、帰国後の自殺者も含まれている。(ふーん!) 戦争に起因して自殺した人も戦死でカウントする。という事は、日本も今回のイラク派兵で、既に5人の戦死者が出ている。誰も死なないで良かったネではない(ふーん!)。そこを私達は知らされない。

「週刊現代」は、戦死者
5人を通常はカウントしているのだから、日本だってもっと戦死者が5人出ていると、キチッと小泉政権に対して批判しなくてはいけないのではないかと書いていた。まさにそうで、今既に踏み越えちゃっているという事をリアルに受け止める必要があるのではないか。

どうして新聞はその事を書かないのかしら。週刊誌に書かせて。

新聞報道はイラクの状況をリアルに受け止めてない。日本の60年前の戦争の時も、従軍記者は都合の良い事ばかり書いた。今のイラク派兵の問題については、従軍記者すらいない。空自が拡大していくが、空自が何をやっているかも知らされてないし、そこに記者が踏み込む事も許されていない。考えようによっては、60年前の戦争報道よりもっと劣化している。

戦争についてシビリアンコントロール
(文民統制。文民が軍隊の最高の指揮権をもつという原則。軍人が政治に介入すると民主政治が危機に陥るため唱えられた。日本国憲法66条にもこの原則が定められている) が全く効く余地がない。

憲法を変えたら、益々国民が監視する事ができないまま自由に派兵されていく。全部国際貢献でいいんだと言われて、国民は納得せざるをえない。国益の為だから仕方がないんじゃないかと。国益の為って言ってるのは日本だけで、石油の為、国益の為にイラクの人は死んで下さいと言ってるんですよ。
(うーん)

ブッシュはテキサスの石油資本。国民の多くは、ブッシュは石油の為にイラクに行ってると思っているが、ブッシュは死んでも石油の為にだなんて言わない。言ったら自由と正義の為だと、建前として成り立っている国だから、それを否定してしまう事になる。

日本は、自由とか正義の建前はなく、国益石油の為仕方がないと、イラクに派兵する事を許してしまって、非常に国際的に見ても申し開きが立たない。今、イラクに派兵しているどこの国を見ても、石油の為なら仕方がないって政権の人達が表から言っている国はない。日本だけ。それを許している私達は恥ずかしい。私達が許している。
(ホント!)

 

去年、イラクの隣の国、ヨルダンに行った。イラク派兵の問題で、名古屋訴訟の池住原告代表と全国の弁護団の合計8人で行った。イラクには直接入れないけれど、ヨルダンに行って、イラクから逃れているファルージャの部族長の人とか、色んな人達から身分証明も確認して直接聞き取りをした。フセインの弁護団長とか弁護団の人達にも会った。

非常にショッキングだったのは、PLOの創設者達と懇談した事。アラファトは創設4年後に入っているので、彼より前の原始メンバーで、皆もう好々爺だが眼光は鋭い。「日本は民主主義が進んでいて、経済的にも豊かな国だと聞いているが、本当ですか」と(笑い)訊かれた。

大阪の弁護団の団長の
T弁護士はのんびりした人で、「本当です」と迂闊に言ってしまった。そしたら「民主主義も進んで、経済的にも豊かな日本が、何故アメリカの言いなりになって、我がアラブの地に軍隊を派兵したんだ」。向こうでは自衛隊なんて言い方はない。ジャパンアーミー。「日本は、アメリカに原爆まで落とされ、それでも復興して頑張ってきた国だから尊敬している。街中にトヨタやニッサンの車が増えている。性能の良い機械もいっぱい作って、ソニーも私達はよく知っている。勤勉な皆さんを尊敬していた。しかし、そんな国の人達が何故軍隊を派遣したのだ。」と。

で、一番ショックを受けたのは、「派兵を許したのは貴方ですよ。ここに、日本政府の批判をしに来たかもしれないが、許したのは貴方だという事をよく考えて下さい。貴方は直接選挙で投票していないかもしれないけど、許したのは貴方ですよ。」と言われた事。
PLOの命がけの闘争をしてきた人達を目の前にした時、私達の戦いは憲法の裁判を裁判所でしている程度。

それで反対している気になっているのは、向こうの人達から見たら甘っちょろい。本当にくい止める為に、もっとやれる事があるのではないかと。「貴方達が帰ったら、すべての市町村で反対の声をキチッと上げるように頑張って下さい」と言われて帰ってきた。

今も中東はまさにイスラエルが侵攻して大変な事態で、人々が日々どんどん死んでいる。イラクでもまだ毎日毎日人が殺されているが、そういう所に、日本は加害者として直接加担している。陸自は撤退しても空自は拡大してくる。

軍隊というのは元々同じ訓練を受けた人達で機能するから機能的になる。アメリカ軍には自衛隊に直接戦地に加担してもらう必要はない。一番やってほしいのは後方支援。その一番大事な事を空自が担っている。

アメリカが一番やってほしい事を、求めに応じて直接戦争支援をやっている。それを無視して、新憲法草案を考える時、
9条が変わってしまうとどうなっちゃうんだろう…じゃなくて、9条が変る前から既に、9条に反する行為を政府はおおっぴらにやっている。

今の時点で私達がやる事は、9条に反する自衛隊の派兵について、もう一度キチッとくい止める事。敵地に軍隊を送る事は、その国の人達からは敵になる。それをしちゃいかんというのが9条だ。まさにヨルダンに行ってきて思ったのは、軍隊を派兵しちゃいかんという事。本当にヨルダン、イラク、アラブの人達にとってみたら、日本が敵になった。

敵を作らず、国際平和の為に協調して、平和な国際社会を創っていこうというのが日本国憲法の理念なのだから、これを守る事が私達に課せられている。
9条は理念だではなくて、日本人が国際社会の中で生きて行く上で大事な柱なので、それを実際に生かしていく闘いをキチッとすると共に、自民党の草案のような憲法の国にしてはいけないと思う。

「どんな国・社会にするのか」。@新自由主義→構造改革(「小さな政府」) A大国主義→強い政府 B強い政府を求める意識構造というのが、今の自民党草案が目指しているもの。小さな政府もまやかし。税金をいっぱい取っていくのは小さな政府ではない。大国主義的になっている。

日本の国民意識の中にも、どんどん強い政府を求める意識構造ができてきている。例えば、東京都が石原都知事を支持している。日常生活の不安の中で、強い事を言って対外的にも喧嘩し、強く文句を言える人にすがりたくなるという意識が広がっているのではないかと言われている。そういう形で依存していくのは果たしてどうなのか。

それに対して日本国憲法は、憲法第13条で、自分自身が判断していくという主体性が求められている。裏返しとして、個人として責任をとって、個人として主体的に政治に対しても係わっていくという意識が求められるので、これは大人である事を求められる。自分達の主体性があってこそ憲法は生かされる。一人一人が大事な人間なら、それぞれが素晴らしい人間である事に立脚しているという点で、ものすごく価値のある憲法だと思う。

日本国憲法が目指している方向性は、歴史の中では本当に間違ってない。去年か一昨年に流行ったスマップの「世界に1つだけの花」は、憲法の理念をまさに体現しているとよく言われた。自民党草案は、公益の下に従属する国民という、一人一人の個性のない国民として捉えている事は明らかなので、そういう社会になっていくかどうかのかなり際どい所にいると思う

。私達が主体的な社会を作っていく為に、日本国憲法が、そういう社会を保障している。イラク派兵の問題についても受身にならずに、やっぱり主体性を持って個人の尊厳を大事にした社会を、皆で意識的に作っていく。たゆまない努力があって初めてそういう社会が実現していくので、最後に憲法
12条を読みたい。

現国憲法。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」。これは自民党の新憲法草案にも書いてあるが、その後を、責任及び義務が伴うことを自覚」と縛りをかけている。今の現行日本国憲法には、ちゃんと濫用してはならないと書いてあって、責任及び義務が伴うとは書いてない。

一番大事なのは、やっぱり不断の努力によって、保持するんだという事を憲法自身が科している。その不断の努力をしていかないと、憲法も変えられてしまうし、私達の権利もなし崩しに崩れてしまうし、平和な日本というのもどんどん後退していくのではないか。

是非イラクの問題についても人事ではなくて、私達が加害者として既に係わっているのだと関心を持ってほしい。もう1つは、新憲法草案と対比した時に、やっぱり日本国憲法の素晴らしさを、もう一度受け止めて頂いて、皆さん一人一人が主体的に政治の問題についても声を上げていって頂きたい。若造の私が言うのは、非常におこがましいが、僭越ながらそう思っている。私からの話としては、とりあえず以上で終わる。(拍手)

マスコミの果たす責任というのは凄く大きいと思う。ワイドショーがそういう風に国民を持って行っている。若い人、大学生なんかでも自由主義史観に賛成の学生が多いと聞く。

▲去年の選挙の時、小泉政権がターゲットにした層が、よくワイドショーを見ている主婦層、すごく馬鹿にされてる表現だったが、よく考えないで「小泉さんカッコいいわー」で支持を広げて、一気に郵政民営化という枠へ押し込んで選挙に勝つ戦略をとった。マスコミもそれに乗っちゃっていたので、その直後から反省して…行き過ぎだったと、批判的なトーンも紙面に出るようになった。

マスコミは、情報を買う人の為に情報を売るという発想なので、買ってくれる情報をマスコミが作る。マスコミの批判は常に言われるが、最近の私の意識としては、オルタナティブ、もう1つのちゃんとしたメディアをきちっと育てる事。

良いマスコミを育てるのも私達の役割だと思うので、良い記事だなあと思ったら、ちゃんと投稿したり、電話したり、「良かったよ」ってハガキを送ったりしたい。
10通、20通来るだけでもその記事は良かったと社内でも評価され、「1通の背後には100通、1000通の声があると思え」と記者も言われているから、私達が投稿する事は、それだけ影響があるので面倒くさがらずにしたい。

私はよくこの話をするが、実践される方はあまりいない。テレビ報道でもけしからんと思ったら、私は東京本社にもすぐ電話する。良かったら褒める。マスコミも提供した情報が、視聴者がどう受け止めるかと関心を持っている。いくら怒っていても、素晴らしいと思っていても、声を出さない限り、向こうは受け止められない

。僕はよく刑事事件の関係で地方記者の人達に取材を受けるが、良い記事を書いてくれた時はちゃんとお礼を言う。うまい記事が書けないと記者の方から謝ってくる。「この間はちょっと上手く書けなくてすみませんでした」と。「次は頑張ってこういうふうに書いて下さい」と、又お願いする。やっぱり記者も褒めてもらうと嬉しいし、却って上手く書けていない時は分かっている。

Y先生が中日新聞に書いた時に、一番言いたい事は削られていたと怒っていた事がある。

それはしょっちゅうだと思う。この前もテポドンの直後に朝日新聞の記者から取材された。私は朝鮮学校を始めとした民族学校の教育権確立の運動もやっている。前の9.17の時に、嫌がらせが生じた時にも、弁護士会で反対の取り組みをした。今も他民族共生の取り組みもやっているので、テポドンはすぐ学生さんに嫌がらせが行くので、「冷静な対応を求める」とコメントも出したが半分に削られた。

これは紙面との関係もあるので、仕方がない。ある程度は載せて貰えていると思う。それは他の記事とのバランスもあるので、ある程度いたし方ない。イラクの問題等についても、まだ関心があるのだよという事をもっと報道してほしいという事、この報道は良かったよというのをどんどん出してあげる事によって、イラクにしても憲法にしても、中日さんも頑張って報道しようという事になると思うので、その辺を支えていくのはまさに名古屋、愛知県の皆さんだと思う。

新聞よりテレビの方がすごく効果があると思う。

今朝、安部さんがすごく支持率が高い、それを支持しているのは女性だって、はっきりテレビで言ってた。

朝日の声の欄に出ていたが、どっかのお爺さんが、小泉さんの演説を聞きに行くのではなくて顔を見に行くというのを電車の中で聞いてあきれましたと書いていた事があった。

マスメディアの一環としてインターネットの役割をどのように考えているか。

日本のインターネットは、例えば「JANJAN」とか、韓国のOh! My News」の日本版を、鳥越俊太郎が編集長になって作ろうとしていたり、市民中心のメディアは幾つかある。

去年イラク訴訟原告の天木直人さん(※元レバノン大使)が小泉の選挙区に出る時に私も関わって、何度も横須賀に行った。横須賀の選挙事務所の保証人は私(へーえ!)。スピーカーも秋葉原で僕が買って来た。(へーえ)(笑い)値下げに値下げして(笑い)これしかお金持っていないって(笑い)。選挙カーにも乗って「天木直人を宜しくお願いします」。そういう形で声を上げていくというのは非常に大事。

なかなか大手マスコミは取り上げてくれなかった。そういう時に
JANJAN」とかインターネットが、選挙法があるので、なかなか難しいが、よく熟知しながら、意識的にアッピールをしてくれた。日本はネット右翼が多い。「ジンケンハ」、「サヨク」ってすごく侮蔑する特徴がネット社会ではあり、それですぐサイトが潰れる。上手くホームページやサイトを育てていくのは、色々やり方としてはある。

民主党案というのはあるか?

民主党はこういう形で文章にはなっていない。ただ、方向性を目指したものはあるが、それも基本的には集団的自衛権は是認していく方向だ。

今、弁護士会で定期的に国会議員を呼んでいて、古川
元久さん、近藤昭一さん、先日は加藤紘一さんも呼んで、今度社民党の辻元清美さんも呼ぶ。古元さんと、近藤昭一さんが言っているのでは全然違う。近藤さんの話は素晴らしいなと思った。古元さんはもうちょっと…幅がすごくある。

そういう(民主党案)のは公に出ているか?

▲民主党のホームページを開けば出てくる。まだ具体的な中身は決めていないが、その条項の一番最後に出ている。集団的自衛軍、基本的には国連軍的な方向。ただ、今国連軍というのはないので、結局アメリカと一緒になるのではないか。アメリカが行くと言った時に一緒に行く事になるから、自民党案と変らなくなる。

弁護士会で憲法や改正を正しく読もうとやっているのか、川口さんが個人的にか。

私はイラク訴訟をやっている関係等で講演するので、よく勉強はしているが、弁護士会としても憲法委員会が立ち上がって、その賛否を問わず、とりあえず改憲問題について、深めようと、自民党支持の弁護士達も入りながら、よく研究はしている。

すごく分かりやすかったが、リーフレットを作るとか、広めていくようなものは?

まだ具体的には作れていない。去年の10月に出た直後から、すぐレジメを作ってやっていたが、なかなか時間がなくて作れてない。分かり易い冊子があれば、(わかり易かったね)

説明聞いたから分かり易い(そうそう)。説明聞かなかったら(分かんないね!)(そうそう)聞いたから分かったけど、紙だけだったら分からなかったかもね。

イラクの事ってあまり報道されない。

従軍のマスコミは政府がシャットアウトして、禁止されて、新聞社も行ってしまった。

▲大阪のイラク訴訟で西谷文和さんという方がいる。元吹田市役所の職員で「イラクの子どもを救う会」というNGOを作っている。5月の半ばにイラクに行って、色々支援も取材もし、その時の映像や報告を「イラク訴訟の会」でも報告会をした。

現地の情報をダイレクトに入手して、イラク人ジャーナリストとも繋がりがあるから、インターネットで映像も来る。それをマスコミは全然取り上げない。知り合いが朝日新聞など、何人かいるので、東京の本社の方に直接聞いたが、報道統制がある訳でないが、政府の事を気にして自重、自粛しちゃうって言う。マスコミ自身が
(萎縮してるんだね)そう、萎縮している(記者魂がない)(桐生悠々がおらん)。だから、一生懸命頑張ってるのは東京新聞。中日新聞。

イラクでどれだけ税金が使われたのか分からない。

1億。11億計算。( 1億?!) 何もしていないのに。

NHKなんかでも、イラクが撤退した時に、サマワでインタビューしとっても、「良かった良かった」。「悪かった」っていうのは、やってないんだもん。全然。(フィルターをかけてる) NHKから44,460円の振込み用紙が来たけど私、放ってる。

●大垣市出身の久保田 弘信さんというジャーナリストがいる。私は去年まで岐阜放送にいた。彼と連絡をとってスタジオに来て貰って、お話を伺ったりした。自衛隊撤退の3日か4日後に国際電話で仲介者を通して私に連絡をとってくれた。

私が退職した事を知っていて、岐阜放送に連絡を頼まれて私はしたが、フリーの人の情報を貰うには、お金を払わなければいけない。地方の小さな局だと、
(※日常の)「今日は○○の展示会をやっています」と言う類のニュースの中で、突然「はい、ではイラクのニュースで久保田さんからの中継です〜」というのは1人の報道デスクの判断だけでは出来なくてボツになった。

現地のフリージャーナリストが命をかけて取材しているから無料という訳にはいかない。中央だと時間が短いからすごくカットされるが、地方だと割りと時間が自由になるし、大垣出身だからという事で、前は特集として長い時間がとれたが、私は今
退職してしまっているし…。

決して現地にいないのではなくて、頑張っているフリーの人はいると思う。後で分かってくると思うが、それをダイレクトに入手できないマスコミの弱さとか信念とか、総合的判断が働くという事を感じた。

▲大阪のメディアは西谷さんのもそうだし、いくつかそういう情報は、カットしながらも放送する。同じ系列でも東京本社はしない。イラクの問題は全然どこもやろうとしない。護憲というポーズを建前としても、編集委員の中には改憲派がかなり多かったり。社会部は護憲的、政治部は改憲的と対立したり。社説も日替わりですごく拮抗している。

良い新聞をチョイスして攻めていかないと、批判していても新聞をとっているので、新聞社は痛くない。「そういう報道しか書かないなら、商品としての価値が無いから、私は買わないよ」という、消費者としての権利行使を意識的にやっていくのが大事だ。

やっぱり振込みしてるもん(笑い)(振込みにすると止めにくいね)

●友達に憲法9条の話題を出した事がある。10人位で大人が1人いて、私1人だけが護憲だった(ほーお)。他の皆が改憲だったという訳ではなくて、10人中私1人が護憲、2人が改憲で、残りの人は沈黙(あーあ)。私は芸術大学に通っていて、表現集団だから、きっと護憲とか、平和は大事とか、戦争なんか絶対やっちゃいかんと思っている人が多く集まっている場所だろうと思った。

それが友達から、「え、憲法って変るんじゃないの?」「変るのはしかたないんじゃないか」「今ある日本国憲法は、アメリカから貰ったものだから、今度は日本人がちゃんと自分達で憲法を作っていかなくちゃいけないんじゃないの?」みたいな話が出て、「何言ってるのー!日本人が今憲法作るって、アメリカの為じゃんか。」
(そうだよ)自分が兵隊に行って人を殺してもいいのかなとか、怒るよりあきれて色々考えた。

結果的には、やっぱり機会があれば色々な所で友達と雑談に上げる。「私、この漫画が好きなんだわ」「私、あのアーチストが好きなんだわ」と同じようなレベルで、「憲法の話をするのが好きなんだな」ととられる雰囲気が凄く強くて、「人が死んでるんだよ!」って言うのを感じない。同じ年代として凄く恥ずかしい。

●核兵器反対の署名を集めた時、高校生とか若い人がちゃんと署名してくれたけど、おばさん達が絶対しなかった。(そうなの!)迷惑そうな顔してスーッと通る。若い子は「おばさん、頑張ってね」と言う子もおって私も嬉しかった。「頑張ろうね」て私も言った(笑い)

男の子達が「関係ない」って言ったから、「貴方達は徴兵制になったら、嫌でも何でも戦争に行かなくちゃいけない。それでもいいの?」って言ったら「署名します」
(爆笑)。人が行く分にはいい。自衛隊が行く分にはいいけど、自分はヤダ。

法学部に行っている子とちょっとそういう話をしていた時、全然関係ない子が「9条が変わったって、すぐに戦争が始まる訳ないでしょ」って言った。私と、その法学部に行ってる子が「何言ってるのーっ!」(笑い)。やっぱり、勉強する機会があったり、話を聞いたりする機会があれば、意識は高くなると思う。

私達の年代は戦争を肌で実感してきた年代ではないが、写真や教科書で見てて、漠然とだが、戦争はいけないとか、人を殺すとはどういう事だろうかとか、不安とか孤独とか、そういうものは日常的にもあると思うので、それをどうやってもっと出していけるのか、自分自身の問題として受け止めて考えて行くにはどうしたらいいのか。

「どうでもいい」とか「関係ない」とかしょっちゅう言うと思う
(うーん)。それを考えると、自分もこうして話したり、『護憲、改憲なんて何言ってるの』って思っている自分の心もすべて、言うのがナンセンスなのかなあと感じたりする。

▲イラク訴訟は割と若い人達が原告になっていて、全国すべての都道府県に原告がいる。高知県も何度も行っているが、色々な所に若い人達がいる。名古屋も名古屋大学の学生さんも原告になっている。きっかけはイラクの子ども達が傷ついている写真を見て貰った事。まさに人が殺されていくというリアリティがないのだ。

新聞もテロで
30人死亡とか、毎日毎日空虚に数字だけが踊っている。リアルに人の命、その家族がいて、未来に希望があった子達が死んでいっているという事を直視すれば、やっぱり共感を持って「それに私達は加担したくないな」と思う人は出てくると思う。

イラク訴訟のキャッチフレーズは「強いられたくない、加害者としての立場を!」。日本の平和運動の弱い所は、被害者意識的な所から入っている所。日本は元々加害者として戦争を始めているのに、空襲を受けたという原体験に固執して出発点にしてるだけでは、「関係ないじゃん」で終る。

それは、戦前、
60年前も一緒だったと思う。空襲の前の、送り出している側は普通に生活しているから分かっていない。生活自体は苦しくなっているが、軍隊で海外へ行っている人以外で日本で生活している人たちはリアルに受け止めきれていない。

そういう意味では想像力がとても大切で、これだけメディアも発達してきているし、映像でも分かる訳だから、もっと上手く活用しながら、人間の感性に訴えていくような事を私達も意識しないといけないのではないか。二十歳位の原告に、前の戦争の話を言っても分からない。

それより、今のイラクで子供達が死んでる現状を見て「あ、それはやっぱりいけない。何とかこの子達の命を守ってあげたい。せめて加担する側に立ちたくない」。で、日本には憲法
9条がある。自衛隊を出してはいけないのに何故出しているの、くい止めなきゃいけないじゃないのと、出発点としてはイラクの現実があって、そこから遡って、9条の価値を発見するというプロセスをとる学生さんは結構多い。

どうしてもある一定の年代の方は、思考が
9条から入る。9条を守らなきゃと。やっぱりまさに現実から出発していく事が凄く大事なこと。そこを抜きにして単純に9条を守ろうって言っていても響かない。

●もし軍を持ったら、志願制か徴兵制になるが、現実を見ると志願制では人が集まらないと思う。みんなワイワイ言っている割に、志願制になったら行かない人が結構出る。徴兵制になるのを想定すると、軍は閉ざされた組織。

私自身は徴兵制の国。まずは軍の中の虐めがある。どこかへ派兵される前に自分は被害者でも加害者でもなく虐めを受ける。これは非常に大きな問題だ。軍の中の虐めによる自殺者が後を絶たない。それは密閉して、できるだけ外へ出さない。どこかへ行く前に国内で死ぬかも知れない。そういう事もやはり想像力が欠けている。

若い人達は。
(自衛隊でも、もう自殺者があるものね)。「おぼっちゃまくん」を書いた人がけっこう若い人を惑わかしている。その若い人達が、国内で被害者になり加害者になるかもしれない。そういう事も若い人には何とか伝えたい。

日本人特有の一番問題の言葉って「しょうがない」だと思う。(あーあ!)

「決まった以上は」って言うのもある。私は万博反対だった。私は絶対行かなかったよ。(笑い)がま口塾の万博をテーマにした時の便りを読んだら、「万博が始まった以上は何とか協力…」(爆笑)って書いてあった。戦争だって「戦争になった以上は戦争に協力したい…」という発想になる。(うーん)(すごい言葉だよねえ)。「決まった以上」というのに私はいつも腹が立つ。私も婦人会に入らなかったら「ここに住んでる以上は」何とかって言われた。


「しょうがない」って言葉は思考停止。昔読んだ「はだしのゲン」の一節に、ゲンのお兄さんが「しょうがないじゃないか」と言うと、ゲンがすごく怒る。「しょうがないって言葉わしは大嫌いじゃ」って。最近ふと「はだしのゲン」の深さを思い出した。憲法の問題も「だってもう変るんでしょう?しょうがないじゃん」。もうそれで話は終る。郵政も「官から民へでしょ。しょうがないじゃん、別にいいじゃん」それだけ。3秒以上考えない(笑い)

それで今頃になって泣いとってもしょうがないんだよね、ほんとに。(あ、しょうがない)(爆笑)。泣く前に、何で止めないのって思う。

●いきなり9条から入ったら無理だから、イラクの戦争から入って、イラクへ派兵するのは9条に違反しているよって逆戻りっていうのね、Hちゃんが友達と話した時に、やっぱり語る言葉を持ってないと、その人と語れない。意見を言った事に対して、「そんな事ないよ!」って言うと、多分その人はその後、その会話はしたくなくなると思う(そう!)

だから攻撃的じゃなくて、どう伝えていくか。一人一人言葉を持つ事の大事さを思う。私は、幾つか自分の語れる言葉のキャッチフレーズを皆が工夫して持ったらいいと思う。
(あーあ)

私は家で「紅茶の時間」というのをしていて、「紅茶の時間9条」って言うと硬いと思ったので、「9tea(ハハハハッ)(笑い)。クイズ形式にして、皆に全部訊きながら、ワークショップで「9tea」の出前をしている。(ほーお)さっき答えを割と言えちゃったのもそういうのがある。

アレン・ネルソンさんというベトナムの帰還兵の方が、「外国の子供達は皆戦争を知っている。日本の子供達は戦争を知らない。それは9条があるおかげだ」って言ってる。結局61年前まで2000万人殺してきた日本という国が、この60年間、戦争の名の下に1人も殺してないのは9条があるからだと、とても具体的に話して下さった。

それでワークショップでは、ネルソンさんの今の言葉を画用紙に書いて行って、参加者一人一人に回して
10人位に読んで貰って、皆「この言葉は誰の言葉たろう」って思いながら、最後の頁に「アレン・ネルソン」って書いてあるの。私はそれを色々な所に行く度、色々な人の声で輪読を聴くものだから、「あ、9条があるから戦争を知らないんだ、そうなんだ、そうなんだ」「あ、9条があるから、私達は9条を知らないんだ!」って(あーあ)事に思いついて、「9条があるから、私達は9条を知らないんだよ」って言うと、皆「は?」。そこからが話の糸口。        

とにかく違う考えの人とか「北朝鮮が攻めて来たらどうするのよ」
(そうそう、すぐそう言う)「押し付け憲法じゃない。自分の国の憲法持った方がカッコイイじゃん」という問いを立てて、それに自分だったら、どう答えるか…喧嘩じゃなく「あなたはそう思うんだね」と言いつつ、「今、私が見た所によるとね」とか「改憲の方がよっぽどアメリカの押し付けの憲法だよ」とか言えるだけの言葉を一人一人が持つって事を思う(ああ、いい事ねえ)

9条がある事で良い事を皆に紙に書いて貰って、それを会の集まりの最後に全部読み上げると、例えば50人だと、50人が発見した9条の良い所がある。

「兵隊にとられない」という、皆がすぐ思いつくようなのや、「子どもを連れて夜の集まりにも参加できる」「自分の
405060代の事を夢見る事ができる」とか、そう言うのがいっぱい出てくると、毎日の暮らしが全部9に裏打ちをされている、こうやって弁護士さんに来て頂いて、お話聞いて、知らない事がいっぱいあって「ヘーッ!そうなの?」って学ぶ事が出来るのも、私は9に保障されていると思う(うんうん)(拍手)

表現の自由、考える自由、集まる自由とかの何気ない事が、全部窮屈になって来ると思う。

●多分、そうなって行く事を知らされていないというか、そうやって考えるという事自体も放棄している人が多い。意識の低さを思う。

今のうちに 『マガジン9条』NEWSの読者だとカッコイイってのがトレンドにならんかと思う(笑い)。( ※『マガジン9条』NEWShttp://www.magazine9.jp/)
  

インターネットのサイトで、たまにそういう話をするが、「そういう話をするのが好きじゃない」と言われてしまうと、好きとか嫌いとかの問題じゃないと思ってもなかなか言えない。考えを放棄するのは楽だし。私達の年代はかなり不安定な時期なので、憲法の事を考えるより、明日どうするか、3ヶ月先の就職の事の方が大事。

憲法が変る変らないなんて関係ないっていう気持も分からないでもない。自分として、私がどういう風にやっていくかを考えた時に、憲法の事を考えたり、こういう場所に来て、話を聞いたりするのはとっても大事な事なんだというのを貫いていけたらいいなと思う
(拍手)

●前、朝日新聞の投稿で、中学生か高校生が、9条の会へ行って話を聞いて凄く良かったから、子供達にもそういう話を聞く機会を作ってほしいって書いていた。若い人の中にもそういう事を望む人がいる訳だから…(うちの地元でやった会なの)(ふーん)

●私はN市女性9条の会の代表。とりあえず930日は池住さんをお呼びする。もし聞きたい方はぜひお出かけを。

●話して相手が分からないって簡単に考えず、根気良く自分の考を話し続けていくのがすごく大事。そうすると、聞いている方もどっかで変る。根気良さをモットーにはしてるが。

●そのうちにバイバイされたりね(爆笑)

▲どういうきっかけで人が変わっていくか分かんないと思うのは、例えば、若い人に人気のバンドでMr.Childrenがある。桜井さんは元々戦争や環境の問題に全然関心の無い人だった。何の為に自分が歌っているのか分かんなくなってきた時、病気で倒れ、復帰した時に、プロデューサーの小林武史が環境の問題に非常に関心がある事から始まった。

田中優さんという方を呼んで、環境問題について取り組み、
NGOに融資をしていく市民の銀行、ap bankを作り、今バングバンドを作ってコンサートをしている。環境問題から始まって、戦争の問題も含めて、色々桜井さん広がってきている

実は私は
Mr.Childrenのファンなので(爆笑)、コンサートにも行った。「And I Love You 」の歌の歌詞がとてもいいのだが、戦争の映像が流れながら、憎しみあう為に生まれてきたんじゃないだろうというテーマが流される。このコンサートの時に感心したのは、ミスチルのコンサートに来る若い人達に、去年賛否両論あって流行ったホワイトバンドをしている人が多かった事。

Mr.Childrenのファン以外の人から言うと、Mr.Childrenは宗教みたいと言うが、何万人という人がコンサートに来て、ホワイトバンドをするという意識の人がいる。

元々関心があった人達でない。ちょっとしたきっかけで、それ、カッコイイなって事。ミスチルカッコイイな、ホワイトバンドカッコイイなとか、戦争カッコワルイなっていう所から流れを作っていくのもあったりするので、平和や憲法の問題に関心がないと言って、あまり見下さず、その人なりの生活圏の中で、アプローチしていくと、ちょっとした変化がおきるので、あまり悲観的にならずに、色々なチャンスに関わりを若い人に持って頂きたい。
Mr.Childrenのコンサートのチケットを手に入れることは難しいれど(笑い)。

●私はボランティアで若い人と繋がっている。でもグループの例会ではイラクや戦争の話はしにくいので、ブログを作って書いている。皆チョコチョコ覗いてくれて反応してくれる。本当は言葉で目を見て話したいけど、歳の差もあってなかなか若い人に伝え切れないが、自分なりに、何もやらないよりはいいと思って、話題を色々工夫して、私の平和の創り方として、パソコンを使ってやっている。

●私は3ヶ月、若い人と一緒に船(ピースボート)で旅行してきた。一般的にやっぱり皆どういう事なのか知らない。その中で一緒に勉強しながら変わって行く。私自身も含めて、皆が一番感じた事は、「アジアの中で、外国から見たら、日本ってこんな怖い国に思われてるの?」っていう事。それが実感としてひしひしと分かってくると、じゃ、これを何も知らない人にどうやって伝えたらいいだろうってすごく考えた。

私達のテーマが核だったので、
核をなくす為に、身近で自分達ができそうな事、すごい運動家でなくても何か出来ることを考えようという事になった。メディアの話が出たが、「デイズジャパン」とか「週間金曜日」を、本屋にあるので是非、手にとって見てほしい。

 
 後、去年教科書問題で話題になったと思うが、日本・韓国・中国が共同執筆して編集して、アジアの歴史、三国の歴史の資料集みたいなものを作ろうという動きがあって、去年発表され、日本でも発表された。私達は韓国の学生達と一緒に勉強していたので、韓国でも発表されているという事だ。「未来を開く歴史」という本で、日中韓三国共通歴史教材委員会が編集していて、高文研から発行されている教科書なので、これは私はすばらしいと思って宣伝している。

これを見ると、本当に歴史教科書で学んだ事がないような資料がいっぱい入っていて、先輩に言わせると、「そんなに日本が加害加害って言わなくていいんじゃないか」って。「日本だって被害を受けているのに、何故日本の加害だけそんなに言うのだ」って反発が強かったが、私は資料の
1つとして素晴らしいと思う。

 若い人達と話してすごく感じたのは、あまりにも知らないから、まずは現場に行ってみようというのが、10代、20代の圧倒的意見で、今東京組は「靖国に行ってみよう」とか(へーえ)、今歩いている子達もいる。「広島に行ってみよう」(へーえ)。知らないから、行って、まずは自分の目でみてみようという事をやり始めている。教科書で従軍慰安婦問題を多少書いていても、あまりよく分からない。そういうのを実際に聞いてみようとか。

 その子達もブログを持っていたり、それぞれのコミュニティがあり、そういう中で、若者同士の中で話題になっていくという体験もした。レバノンの事件があった時、やっぱり向こうにいる友達からメールがあったと、そういうのがインターネットのコミュニティの中で発表されていて、本当に私達も知らないが、現場ではこういうふうに殺されているよ、みたいな情報が流れていて、今からは若い人達はインターネットの世界を使うのがすごく上手なので、そこから情報を流していけは、実感を持っていけるかなあと思う。私もなかなかついていけない絵文字がいっぱいあったりするけど(笑い)、でも、お互いに情報交換したいという感情がすごく強いので、それはいいなあと思った。

 イラク戦争から入っていくという話だが、私が船内で見て衝撃的だったのが、鎌仲ひとみさんの「被爆者」というドキュメンタリー。本当に知らなかった。実際に劣化ウランで被爆しているという話は、それが決して原子力爆弾を落とされた日本だけが特別ではなくて、世界各地で被爆している事を本当に知らないので、知っている人がドンドンドンドン情報を流して、気楽に読んでみたらどうと言っていけば、見る事、知る事で変って行く。

●一人一人の心に受け止めたヒントを、少しずつでも周りに広めていけたらいいなと思う。最後に川口弁護士さん、一言。

▲今日はどうも有難うございました(拍手)。至近距離で、これだけ女性に囲まれる(爆笑)事はまずないので、入ってきた時はかなり躊躇した(爆笑)

皆さん一生懸命聞いていただいて本当に良かったと思う。皆さん、それぞれ相当経験や考えのある方だと分かるので、あくまで、法律家として、新憲法草案の読み方的なのを簡単に話した程度だが、背景にあるもの等は、受け止めて頂いていると思うので、是非諦めずに、憲法を守って生かす社会を実際に作って行くのは私たちなのだという事で、一緒に頑張っていきたいと思う。今後とも宜しくお願いします。
(拍手)


最終号第48号は@+Aで計32頁になってしまい申し訳ありません。かなり省略しましたので、深く丁寧に話して下さった川口弁護士さんや皆様には、お詫び申し上げます。

思えば1988年からの第一期は81号まで、2003年からの第二期は、この48号まで、約130回通信を出しました。粗末な我が家を「テーマをもって自由に話す」目的で通過された方々は、18年間で延べ1500人になります。後を継いで下さる「天道支店」や大勢の友という宝も得て、大変幸せに思います。「がま口塾」を支えて下さいましたすべての皆さまに、改めて、心より御礼申し上げます。今後世界の各地で「自由に話す」場があますように、自他共に平和な世界が創れますように祈念して、万感の想いをこめて筆をおきます。有難うございました。皆さま、どうぞお元気で!   


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坂東弘美 bdk@dp.u-netsurf.ne.jp がま口塾  http://www1.u-netsurf.ne.jp/~bdk/