こんなの読んだヨ

ここでは私が読んだ本について徒然なるままに語ります。

でも漫画ばっかりになりそうな気が・・・。

<題名>ブラックジャック Dr.クマひげ メスよ輝け!! きりひと賛歌 研修医なな子 きらきらひかる  TOMOI

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「ブラックジャック」著:手塚治虫 /秋田書店少年チャンピオンコミックス

さて、最初の一冊はこの本、ブラックジャックです。

医師でもある著者が手がけたこの作品。主人公ブラックジャックは奇跡を起こす腕前を持った天才外科医。そして無免許医。要求する報酬は莫大。クールでニヒルで頑固で、ポリシーを持っていて、そしてかっこいいのだ!そこにかわいいピノコや、ライバル?のドクターキリコなど実に魅力的なキャラクターが絡んでくる。一話一話に「いのち」への想いがあふれているように感じられるんです。また現実と幻想のバランスが実に良い。読んでいるとどこかにこんな人いるんでは?と信じたくなる。

う〜ん、実を言うと私が医師を目指した最初の理由はこの本なのです。命の現場、生きるか死ぬかの場所でのドラマ。惹かれてやまないものがいっぱいである。

私が好きなシーンは(たくさんあるが)「ときには真珠のように」の最後のコマ。恩師、本間丈太郎の手術をするも結局、その甲斐なく本間丈太郎を助けることはできず、座り込み、うなだれるブラックジャック。そのブラックジャックに本間丈太郎が話しかける。

「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね・・・・・」

そこには優しさがあふれている。

<おまけ>

台湾へ旅行へ行ったときむこうの書店で「ブラックジャック」の中国語版が出ていたので購入してきました。これがその1巻の表紙です。手塚治虫漫画全集版らしく、他の手塚作品の中国語の名前も解ってなかなか面白いです。中国語(台湾の公用語は北京語)では「怪醫黒傑克」と書くらしい。おそらく、黒=ブラック(意味から)傑克=ジャック(発音から)となっているんだろう。

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「Dr.クマひげ」原作:史村翔 漫画:ながやす功 /講談社ヤンマガKCスペシャル

この主人公、クマ先生こと国分徹郎はともかく、熱い!そして叫ぶ!まさに熱血である。

医師・国分徹郎はH大医学部のエリートコースを捨て新宿歌舞伎町に診療所を開き、クマ先生と呼ばれている。そこで繰り広げられる患者との間の熱いドラマ!読んでいるうち、クマ先生の熱意が目から飛び込み、体中を暴れ回って熱いものが目からあふれる・・・・。

さてその中でも私の好きな話は、まず序章の「雪の終わり」という話。なぜクマ先生がH大医学部のエリートコースを捨てたのかが書いてある。親友・向井との友情の話。向井と国分は助教授への昇進と恋人・志保をかけてお互いに競い合うライバルだった。しかしある日、国分は向井が癌に犯されていることを知り、両方を向井に残して姿を消す。そしてその2年後、国分は向井の手術をするために戻ってきた。しかし、手術を始めても転移がひどく、力なく言う「このまま縫合する・・・」。その手術のあと、志保から「あの人ね私にキスもしなかったのよ。あなたからすべてを奪るわけにはいかないって・・・。」との告白を聞き、叫ぶ「あのバカヤローが!」そして向井を背負い、ネオン街につれていく。そこで酒場に居合わせた若手医師が止めようとするのに向かって叫ぶ!

「医者に何ができる!?死んでいく人間に医者が何をできると言うんだァ!!医者は人を生かす商売だと!?ジョーダンじゃねえ!医者ってなァな世の中で一番死んでいく人間を見る商売なんだ!常に死を見なきゃいけねえ商売なんだっ!」

「オレ達がやつらにやってやれるのは、たった1つ・・・人間として・・・人間としてつきやってやるしかねえんだ〜っ!!」

そして雪のネオン街で、国分の背中で向井は「ありがとう」と言い。やがて世を去る。

そしてもう一つ腎不全の童話作家・栗岡多美子との話が納められた「遠吠え」という話。彼女の遺作となった、くまのおいしゃさん、の文。

「くまの おいしゃさんは かんじゃさんが なくなったとき ほえるのです そして おおきい かなしいこえは ジャングルのなかに きえていくのです・・・・。」

今日もクマの遠吠えがコンクリートジャングルに消えていくのだろうか。

泣けるなぁ・・・・。

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外科医・当麻鉄彦 メスよ輝け!!」作:高山路爛 画:やまだ哲多 /集英社YJCセレクション

この作品、すごいリアリティーである。思わずほんとにフィクションか?と思うほど。

主人公当麻鉄彦は一言で言うと「誠実な」医師である。腕は良い。天才かもしれないが、あくまで現実の範囲でである。琵琶湖湖畔の地方病院の外科部長を務めている。大学病院でも匙を投げるような患者も引き受け、治療をしていく。そして、ついには脳死移植を・・・。

臓器移植、医療過誤、派閥争い、エホバの証人の輸血、ホスピス、保健医療、マスコミetc。現代医療の抱える問題を鋭くえぐり、描き出している。

そして、手術シーンの正確なこと!正確すぎて医学をかじってないと取っつきにくいかもしれない。しかし、確実に勉強になる!特に我々医学生にとっては。なにせ、この漫画で覚えた薬とかあるし。

そんなに泣ける、とか、感動、とか言うシーンがあるわけじゃない。しかし、一人一人の患者に対する当麻医師の態度、考え方。未来の医師を目指す私としては一つ一つを心に刻んでいこう、と思う。(でも医者の中にもいい人もいればやな奴もいる。そのことも描いてます。)

(追加):友人が外科で実習してたときのこと、担当の講師の先生と、今使っている教科書について手術室内で話していたとき「まじめだねえ。俺が君たちぐらいのときなんか”メスよ輝け!!”くらいだ、読んでいたのは。」と言われたそうだ。とにかくそれくらい凄い内容だと言うことだろう。もっともその友人はどう答えて良いのか困ったそうだが。

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「きりひと賛歌」著:手塚治虫 /小学館叢書

この作品、社会派である。主人公小山内桐人は犬のようになってしまう奇病「モンモウ病」をめぐり教授・竜ヶ浦教授と意見の対立を見る。そして、モンモウ病の調査を続けるうち桐人もモンモウ病にかかってしまう。そこにあった教授の罠。そして、彼は数奇な運命をたどり、様々な出会いと別れを・・・。奇病・モンモウ病を巡り交錯する、権力と陰謀。

暗い。えらくペシミスティックな作品。小山内桐人の悲劇といっても良いだろう。でもそんな絶望の中で「生きる」ということを改めて考えさせる。きりひと、という名前からもわかるが、各所にキリスト教、聖書の影響が見え、そして、実験的ともみれる前衛的な表現。著者の他の作品には見られないような深刻さ。(そういえば、この作品にはヒョウタンツギも出てこない。)すべてが合わさって惹かれ、読み進んでいってしまう。

泣けるシーンも多い。私がまず泣けるなと思ったのは、きりひとの妻となったむすめ・たづの死の場である。その死の直前に見せた犬のような見かけになった、きりひとに対する優しい言葉

「だって、あんたはあんただもん、犬の顔になったって、あんただよ」

ごく自然に口に出している・・・。

そして、もう一つ、きりひとと共に放浪していた(人間天ぷら)麗花の亡くなるシーンではきりひとと一緒に泣いた・・・。

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「研修医なな子」著:森本梢子 /集英社YOU COMICS

研修医とは大学卒後1〜2年の医師のことを言う。この作品は医学部ヒエラルキーの最下層に位置する彼らの生活を、K大第2外科の研修医・なな子先生を通して、コミカルに描いたものである。取材がかなり丁寧にされているらしく、かなり真実味がある内容ではある。

医者だって、なったばかりは右も左も解らない。指導医についてまわってあっちへピヨピヨ、こっちへピヨピヨ。患者さんにいろいろ聞かれてドッキドキ。教授ににらまれビークビク。失敗ばかりでごめんなさい。

技術も知識もまだまだだけど、若さと熱意はありますよ。そんな研修医達は、やっぱり今夜も眠れない。

医者は金持ち?かっこいい?そんなことは絶対ない。

医者は面白い?はたから見るとこんなにも。

私には、明日は我が身のこの姿。さあさあ笑って下さいまし!

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「きらきらひかる」著:郷田マモラ /講談社ミスターマガジンKC

監察医という医師の仕事がある。学問でいうと法医学の分野である。死体の解剖などをして、その死の原因などを解き明かす。しかし、なかなか、なり手がいないとか。

さて、この作品、TVドラマ化されてなかなか好評だったようだ。ミスターチルドレンの「ニシヘヒガシヘ」とともに思い出す人も多いのではないだろうか。死体が語る真実、その想い。なるほど、そこにはミステリー、ドラマの元はいくらでもありそうだ。

でも、TVドラマを見たとき私は正直言って、あの元の漫画をよくぞここまでおしゃれにしたもんだ、と感心した。原作のこの作品、ハッキリ言って絵は上手ではなく、死体の描写などはかえってそれがために迫力があるようにも思える。でも、絵に関わらず惹かれていくのは、その内容の確かさにあるだろう。なかなか泣ける話が多い。(何しろ作者自身がなんていい話や、泣ける、と涙を密かに流すこともあるとか)

私の一押しは「悲愁親子情話」というもの。やくざものが偶然母の姿を見、足を洗い、かたぎになろうと決意した。しかし、彼は組員により殺されてしまう。その死の直前に母へと当てた一通の手紙。その手紙の切手から主人公の監察医・天野ひかるは、その死の真相を解き明かし、頑なだった母の心も開かれていく・・・。

この作品(TVドラマも含む)によって法医学の分野を志す人も増えた、かな?

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「TOMOI」著:秋里和国弐 /小学館文庫

この作品は医者が主人公である。でもいわゆる医療をネタにした「医者もの」とはちょっと違う。

主人公・友井はゲイ、いわゆる同性愛者。大学卒業後にわたったN.Y.の病院でリチャード・ステインと出会い、同性愛に目覚める。そして、別れ、新たな出会い。AIDSと言う病気がそこに見え隠れし、ドラマをつむいでゆく。そして恋人・マーヴィンと死に別れた彼は単身、野戦病院へといく、死に場所を求めるかのように。しかし、そこで少女・アデルとの出会いに生きる意志を見出したかの様に見えたが、残酷な運命が・・・。

マーヴィンが友井の腕の中で息を引き取るシーンなんて悲しくて悲しくて・・・。その後の「だれか!私を殺してくれ!!」という友井の心が痛い。この痛さ、悲しさは同性愛者が故なのだろうか?

そして、ラストシーン。「もう、死んでもいいですか?」静寂の中、残酷なまでの美しい空の青さ・・・。しみる。

 

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