Title(横浜の自然・市民の森から)
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春の円海山               2019/3/15改訂

  麓の住宅地の梅が満開を過ぎ、花びらが舞う日、幾分日差しが明るくなった日に森へ行きました。2月の終わりに2度ほど雪がちらつき、幾度か雨が降った森は、踏みしめても落ち葉のかさこそした音がしなくなりました。横濱自然観察の森の「ヘイケボタルの湿地」の水も増えていて、湿地のいたるところにいつの間にかカエルが沢山卵を生んでいます。寒い間湿地の中へ立ち寄ることもなかったので何時こんなに沢山卵を生んだのか見逃してしまいました。よくよく水中をみていると1,2匹もうオタマジヤクシが孵っていました。帰途ヒバリが頭上の木の梢で盛んに啼いていました。(1999.3.1)

  5日ほどたった湿地ではほとんど卵からオタマジャクシが孵っていました。森にスミレが咲き始めウグイスが啼いていました。

sumire     otamajyakushi

  3月の半ばを過ぎると森では桜の蕾などかなり目立つ大きさに膨らみ、木々の芽吹きが始まります。変わったものではドクウツギの芽なども赤みがかって規則正しく並んでいます、木々の下ではシダ類のクマワラビが特異な芽をだしています。この時期一番目立つのはキブシです、ふさふさと森の至る所で花が垂れ下がりとても目立ちます、道ばたの小高いところに数少ないスミレを見つけました、タブの木など未だ芽は堅いとおもってながめていたら、隣の山陰のどこからかウクイスが拙い鳴き方で鳴いているのが聞こえてきました。(98/3)

  98年の3月末はもう桜が見頃になっていました、ヤマザクラは一番早いものが満開で花が散り始めているかと思うと、まだ一つも開いていない樹があったりします、オオシマザクラが常緑樹を背景にして満開で白く浮き出てとても見事です。

  ヤマブキやノイバラが地味に咲いているのを目に留めていたら、どこからかヒバリの鳴いているのが聞こえてきました。 瀬上池の側では木々の芽が大きく膨らみ始め、早くも開いたまだ小さめのカエデの葉が逆光に緑鮮やかに透けて見えました、林間の日当たりではスミレが一面敷き詰めたように咲いています、キブシの花はますます目立ちだし、円海山周辺の森は春爛漫になろうとしていました。

  日差しが高くなり、陽光が一段と明るさを増す3月は、一年で一番山が明るい季節です。先ず、きぶしの花が咲き出し、つぎつぎと木々の新芽が膨らみはじめる頃、横浜自然観察の森の蛍の池やひょうたん池に、蛙が卵を生みます。(暖かくなってからのものは別の種類らしく、卵が管上のものに入っています)

  麓の畑に、植樹された梅、桃、れんぎよう、菜の花が咲いていますが、森の中ではせいぜいウグイスカグラやスミレぐらいしか目立つ色の花はありません。それでも徐々にいろいろ花が咲き始め桜の開花で春は頂点になります。

瀬上池周辺から大丸山へかけてのの桜

  ここの山桜には、赤みがかったヤマザクラと、 白みがかったオオシマザクラがありますが、20、30メートルの高木が多いので、真下からは逆光であまりよく見えません、隣山の花のほうが奇麗にみえます。桜のトンネルが、10数キロの尾根道の、感覚的にはほぼ三分の一近く続いています、実生と日当たりの加減で開花がばらばらなので花の期間は比較的長いです。99年はほぼ2週間はどこかで花を楽しめました。ソメイヨシノの様な短期間でなくバラバラに開花するのはそれぞれが実生で個性があるからでしょう。

  桜の散る頃から山の色が年中で最も豊かな季節になります、木々が芽吹き出すと赤みがかったものから黄色いものまで色々の色が混じり合いながら徐々に変わっていき、濃い緑一色になるまで森は、にぎやかさを増した小鳥の声とともに何時までいても飽きません。連休頃の森は、一年中で一番よい所です。

  5月初旬、離れたところから一番目立つのはミズキの白い花です、木の上の方で咲いているので下からでは葉に隠れかつ逆光になりよく見えません。光線の具合もあってか、ヤブデマリの白い花が、みどりを背景に咲いているのを見たときはまことに素晴らしい思いがしました。同じ場所で毎年咲いてもそんな機会はあまりありません。山の花は人が咲かせたものでないし、見ているときの人の体調も含め出会いをラッキーと思うことにしています。

  ハコネウツギは白とピンク色の花、タニウツギは一面ピンクの花を咲かせています、ヒメウツギの白い花も沢山咲います。ノイバラも白い花を咲かせています。連休のころになると桑の実がかすかに赤みがかって来ます。ヤマブキの黄色は特によく目立ちます。

  シジウカラ、ウグイス、ヒヨドリなどの鳴き声を聴きながらこれらを見ていると時のたつのを忘れます。それと未だ咲いているヤマフジも良い感じです。ジャケツイバラの黄色い花はいかにも豆科の植物であることを知らされます。アカメガシワは今丁度先端が赤みがかっていて、蕾は未だ見えていません。アキグミが小さな白い花を咲かせています。ガマズミやイボタも蕾が出てきています。森の至る所でヤマグワの実が赤く色づき始めています。白い花には黒いアゲハがよく似合います、ハルコにしてはなかなか色が綺麗なものがいます。同じウルシ科でもヌルデの葉の方がヤマハゼより少し早く出てきています。(98年)

     中旬になると森の中は少し薄暗くなってきます、目立ちはしないものの咲いている花の種類としては一年中で一番多いのではないかと思うほど色々の樹木が花を付けています、シイノキ、クスノキ、エボタ、マユミ、カキなどはそうした例になります。オオシマザクラは小さなサクランボが赤く色づき目立つようになってきました、ヤマコウバシ、コクサギ、キブシ、シロダモ、アカシデなどよく見ると緑色の実が大きくなってきています、コウゾも小さな爆弾みたいな実を沢山着けています、一番目立つ実はなんといっても桑です。木によっては赤い花のように見えます、モミジイチゴの黄色い実がみのっていて口にいれると甘酸っぱいです。木々の下では、黄色い花のヘビイチゴが咲いています、赤い実がなっているものもあります。

  この時期目立つ花はなんといってもエゴノキです、この森のいたるところ大きな木が数多くあり見事です、木下一面が白くなっているところもあります、それにガマズミやノイバラやウツギやスイカズラも白さが一段とましよく目立って咲いています。

  瀬上池を真下に望む道は円海山から鎌倉天園あたりまでの山並みが連なり遠望に良いところです、桜の時期とカシやシイの(開花期)鮮やかな新緑のころは特に印象的です。桜が散るとイロハモミジの新緑が目立ち、しばらくすると藤の花が咲き出します、続いてミズキやエゴノキの白い花花が咲きます、その後白い卯の花(ウツギ)、赤いニシキウツギ、白と赤の混じったハコネウツギなどが咲いてきます。

  麓の街路樹の紅花トチノキ、マロニエ、白雲木、が咲いているこの時期、森では卯の花箱根ウツギミズキイボタ野イバラ山藤朴の木エゴノキなどが咲いています。(04.5.6)

  6月の上旬、強い風の吹いた翌日森を歩くと熟した桜の小さな実が沢山落ちていました、梅雨時の曇りの日、森の中は薄暗く、ヤマアジサイの白い花が咲き始めていました、大丸山付近で今年初めてホトトギスを聞きました。イボタやトウネズミモチも白い花が咲き始めていました。

  瀬上池を真下に望む元環境センターの背後の道は、円海山から鎌倉カントリー・天園までの山並みが連なり眺望の良いところです。桜の開花の頃とカシやシイの鮮やかな新緑(花が咲いているとき)の頃が(2000年)印象に残りました。桜が散り暫くするとイロハモミジの新緑になり、続いて藤の花が咲ます、沢山咲いている場所は少し離れた所からでも紫が目立つのですぐ解ります。そのあと白い卯の花(ウツギ)、橙色のニシキウツギ、白やピンクのハコネウツギが咲きます。

  6月上旬嵐の去った森には葉を着けた小枝や古い枝、あおい木の葉それに熟れた桜の実などが沢山落ちていました。梅雨時の曇った日の薄暗い中でもよく目立つ白いヤマアジサイがあちこちで咲き始めている大丸山付近で今年初めてホトトギスを聞きました。イボタやトウネズミモチなどにも白い花が咲き出していました。いよいよ梅雨です。 (主として2004/5/6頃迄の記録)

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