217話「密航者」
ビビちゃんが「心の仲間」ってことで決着したと思ったら、フェイントでニコ姐さんが! ちょっと意外とも思ったけど、ビビに代わる水先案内人ということでは取りあえず適任かな。正式な仲間になるかどうかはまだ謎だけど。
ストーリーが進めば「改心した(ルフィ達が心意気を認めた)敵を仲間にする」とか「仲間入り志願者が押し掛ける」というパターンは出てくるよな、と予想はしてましたが、もしかするとニコが両方ともやってくれちゃいそう。
ちょっと気になるのが、ニコが軍艦6隻を沈めたという例の事件。8才の時ですよね。でもって、某心理学書で見たこんな説が。「幼少期のトラウマが、多重人格を引き起こす年齢の上限は9才。それ以上の年齢では、精神がそれなりに成長してきているので、多重人格ほど重大な症状には発展しにくい」という。(ちょっと出典が思い出せないんですが。すみません
^^;)
もしも、尾田先生がそこまで知って計算しての「8才」だったとすると、ニコ姐にはかなりの情緒障害があるかも(いきなり幼児退行して、8才ロビンちゃんの人格が現れたって驚かんぞ)。それをルフィたちが癒してゆくとしたら、なかなか素敵なストーリーになりそうです。(チョッパーの「7段変形」というアイデアも、もしかすると尾田っちが「幼児虐待と多重人格」の資料なんか見てて思いついたんじゃないか、と密かに勘繰ってる)
まあ9才以下で遭遇した事件でも、周囲がちゃんと助けて支えてやれば、傷を癒すことは出来るそうですが。ルフィの(シャンクスの事故、帽子の誓い)も7才当時だしね。というか、GM号クルーって全員トラウマ持ちだし(^^;
ちょっと話は戻って、ビビと別れた後、腑抜け状態の一同とゾロの会話。実を言うなら、腐女子的には今回一番のポイントかも(笑)。
ゾロがみんなに非難されてるあたり、「ひえぇぇぇ〜」と思ってしまった。だって、こともあろうにゾロの「力づく」発言から、「野蛮人」「最低」といささか過剰反応気味の一同、とどめにルフィの爆弾発言「四刀流」ですよ?(ワンピ同人では何の代名詞なのか、尾田先生は分かってるんでしょうか?!・・・分かってたら怖すぎ(爆))少年誌としては限度一杯のアブナイ暗喩に、思わず冷や汗たらたら。
このへんのやり取り、腐れ同人読み替えしてしまったのは私だけでしょうか?(笑/以下伏せ字)
「そんなに好きなら、力づくで犯っちまえば良かったんだ」
「わあ、野蛮人」「最低」「エロマリモ」「四刀流」「・・・お前な、そりゃ悪口じゃねえだろ。絶倫自慢の奴に『性欲魔獣』って言ってもよ・・・」
・・・しっ、失礼いたしました(^^; つーか個人的に、ゾロはストイックで潔癖な奴でいてほしいけど。鬼畜ゾロが見たかったら、いくらでも同人誌に居るんだし(爆)。
最後にもうひとつ、今週のポイント「ペルったら生きてたの?!」。208話の涙を返せ〜!とか思いつつも、ホッとする気持ちと「でもまさか、ペルの帽子拾った別人とか言ったりして・・・」と勘繰ってしまったり。あのシーン、アップにされてないし、どうとも解釈できるんですよね。むしろ「積極的に、好きな方に解釈してね」と言われてる感じで。
ならば、両方の解釈でSS書いたろ、と思いついたワンピバカがここに一名(笑)。ペル死亡バージョンと生還バージョン、それぞれの穴埋め妄想話を以下に。
妄想ミニSS1「受け継ぐ者」 「―――じゃ… ありがとう世話になった…」
診療所の前で、礼を言いつつ頭を下げる青年。彼は国王軍の兵士だ。
しかし、数日前まで、反乱軍の一員でもあった。人々の窮状を見かねて、反乱軍に寝返った部隊の、若い隊長。アルバーナ総攻撃の際、緒戦の砲撃にやられて戦線を離脱し、砂漠の臨時治療所で手当を受けていた。
離反を選んでなお、敬愛してやまぬ護衛隊の面々と、直接ぶつからずに済んで幸いだと・・・そんなことを、負傷に倒れた時に、ふと思った彼。
特に、護衛隊長副官「ハヤブサのペル」は、少年の頃からの憧れだった。誰よりも強く気高い、あんな戦士に自分もなりたいと、そう願いながら修行を積んできたのだ。
努力の甲斐あって、ペルがじきじきに声をかけてくれた時の感激を、青年は忘れてはいない。
『君は見込みがある。護衛隊への抜擢も考えているんだが、どうだね?』
そう言って微笑んだ、帽子の下の瞳。
反乱軍鎮圧のため、彼の部隊が出陣した時も、見送りに来てくれた。・・・そして、それが最後の別れになったのだ。
殉職の経緯は、反乱軍の伝令に聞いた。療養所の窓から見た、アルバーナ上空の大爆発。
その夜、砂漠で、帽子を拾った。忘れもしない、ペルが愛用していたそれを。
動けるまでに回復し、急ぎアルバーナへ出立する直前。青年は、療養所戸口のフックにそっと、その帽子をかけたのだ。
(俺なんかに、ペル様の心を継ぐ資格はない)
国王を信じ切ることができず、離反を選んだような自分に。最後まで戦い抜くことさえ出来なかった、不甲斐ない男に。反逆の罪を償った後は、せめて一兵卒として、ペルの愛したこの国を守り抜こうと。
だが少し歩いた所で、彼は医師に呼び止められる。
「おおい、帽子忘れとるぞ!」
・・・後にチャカは、ひとりの勇敢な兵士を、自分の後任として護衛隊副官に推挙する。チャカはこう語った・・・「初めて会った時、彼はペルの遺品を手にしていた。“私の意志を継ぐ者だ”と、あいつが教えてくれた気がした」と。
妄想ミニSS2「0.99秒の奇跡」(生還編) それは、アラバスタの大事件から半年ばかり前の、ある日のこと・・・
「一体、何の訓練をしているんだ?」
窓からペルの姿を眺めつつ、チャカは首をかしげていた。城の中庭を、ハヤブサの形態から人獣型、また鳥の姿へと、変形を繰り返しつつ飛び回るペル。その下には、十数人の部下がいて、ひっきりなしに小石を投げつけている。
回避の訓練、というにはおかしい。ペルは見た所、わざと小石に当たりに行っているようなのだ。
チャカは、あることに気づいてはっとする。
(まさか、お前・・・身をもって攻撃を受け止め、誰かを庇うために・・・?!)
戦うことではなく、守ることが使命。それがアラバスタ護衛隊だ。いざとなれば、身を投げ出して王国要人を庇わねばならない。いや、それが例え一市民であろうとも、手が届く限り守るというのが彼らの心意気。
この国は荒れている。いつ、急な事態が起こるか分からない。
(だが・・・お前が、そんな風に死んでゆく姿など、見たくはないぞ)
苦い思いを胸に、チャカは黙ってその場を去った。
訓練に没頭していたペルだったが、ふと、相棒のそんな後ろ姿に気づく。
(心配かけて済まん、チャカ。だが、まだお前にも言えないんだ)
これは本当に、最後の隠し武器となるはずの力。だから、チャカにさえ本当の所は教えずに、訓練を重ねてきた。
ヒントになったのは、以前、ある古文書で見つけた一文。
『獣系の能力者は稀に、変形の際に一瞬、一切の攻撃を受け付けない状態を発生させることがある。もっとも、コンマ何秒という短時間であり、確実に発生するとも限らないので、戦闘に利用するのは困難であろう。この現象は、特に“トリトリの実”の能力者に起こりやすい』
この記述に「これだ」と思ったのだ。確かに覚えがある、当たったはずの攻撃が全く効いていない現象。この状態を、意識的にコントロールし、発生時間も伸ばすことができないか。
ペルの研究と特訓は、それなりの成果を上げてはいた。だが。
(う〜ん・・・どうしても、1秒の壁を越えられない・・・)
しかも、無敵現象の時間をそれだけ伸ばすには、強い精神集中が必要となる。つまり、その瞬間の前後は、ほぼ無防備になってしまうのだ。戦闘中にそんな真似をしたら、本末転倒だろう。
(無駄な力かもしれない。だが、いつか何かの役に立つような気がするんだ)
・・・またひとつ、ペルに当たりかけた小石が、見えない網に受け止められたように力を失い、落ちて行く。
最強の戦士たる者は、奇跡を必然にしなければならないのだ。大剣豪ミホークがそうであるように、その座を目指すロロノア・ゾロがそうであるように。ペルは、この国が求める時に、命懸けで奇跡を起こさねばならないのだ。
そして、アラバスタ争乱のクライマックス。愛する人々を守るため、王国最強の戦士ペルは、巨大砲弾と共に空へ舞い上がった。たった0.99秒の奇跡に命を預けて。
これ、ホント妄想ネタ(^^; つーか、あの状態からペルが生き延びるには、よほど強力なダメージ無効化手段を使うしかないぞって思うので。
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