シベリア超特急ディレクターズカット版

川崎・チネチッタ/チネ8

噂の映画,「ユリオカ超特Q」・・・ではなくて「シベリア超特急」. 監督・脚本・製作・主演に作詞まで水野晴郎という,今となってはカルトムービー. 今週と来週7時から,そして9時からは「2」を上映中です.

定時プラスαで電車にのり川崎を目指す.時間的には正に丁度いい時間.

途中,不可解な行動をとる男性発見.座っていたのに駅と駅の途中で立ち上がり, ドア付近へ移動.次の駅で下車,と思ったら,10秒程ホームで立ち止まり,別の扉から 同じ車両へまた乗り込む.意図を把握できず.

川崎着.帰宅時間に重なり結構混雑.「チネチッタ」を目指す.20分前に到着. 丁度よい.チケット購入.チネ8は地下1階です.

エレベータで降りて入ろうと思ったら,入場は15分前からとのこと.あと3分ぐらい あります.その場で待つ.

時間になり入場.チネ8は左右6列づつの全168席.結構縦長.傾斜は少ないけど, スクリーンの位置的には多分大丈夫.スクリーンの大きさは「シネアート」くらい.

さあ,はじまりました.なんと,スペシャルアドバイザーには市川昆,字幕翻訳 には戸田奈津子,衣装デザインにジュンコ・コシノ.コネ使いまくりといった感じ. MIKE MIZNOって誰のことよ?え?

太平洋戦争勃発前夜,ドイツ訪問から日本に帰るためのシベリア鉄道,満州を目指す 最終夜に一等車両で起こる事件を推理する山下大将.

スリルなし,サスペンスなし,アクションなし.作ってる本人は満載のつもりなんだろうけど. 凄い凄いとは聞いてはいたが,こんなに凄いとは思わなかったぁ.水野晴郎の棒読み台詞が光る.

チープなつくりが見え見え.シチュエーション限定ならば,三谷幸喜にでも脚本を かかせれば,面白いコメディになるのに.そういや,古畑任三郎で似たような状況が あったっけ?

あるいは,主役の山下大将にもっとキレがあればそれなりに見えるのかも. なんか水野晴郎,演技って感じがまったくなくて,かといって流暢でもなくて, ガチガチの人形が喋ってるって感じで,緊張感もないし,威圧感もないし. 他の人たちはそれなりに演じているのが台無し.

外国のキャストの方々の英語の台詞はとても聞き取りやすかったりして.

これで2まで作ってるんだから凄い.噂では3も作る気らしい. せめて監督だけでやめておけばも少し見れる作品になるんでないかい.

どのあたりが「ディレクターズカット」なのかよく把握してないが, 実はアメリカ版やらハンガリー版やらあるらしく,内容も少しずつ 違うという噂.

日曜日の上映ではトークショーもあったらしい.さらに,今後各地でも 上映するらしい.うーん,あんまりおだてると調子にのるぞ. 映画の話だけしてるなら面白くていいのかもしれないが.

でもなんだかんだいっておきながら,「2」も見に行ってしまいそうな私. 水野晴郎の術中にまんまとはまっている?

話は変わるが,連休中に岡嶋二人「ツアラトゥストラの翼」と有楢川有楢 「双頭の悪魔」を読んだ.前者は謎をちゃんと解かないと正しい結末には たどり着けないゲームブック.後者は「読者への挑戦状」が3回もある, エラリー・クィーンスタイルの本格派.

「ツアラトゥストラ〜」はかなり気合いを入れて読みました. だってそうしないと終んないだもん.てなわけで,「どちらかが彼女を殺した」 以来の気合いの入れよう.それでも10回くらいはやったが.

一方,「双頭の悪魔」.本来ならば,「挑戦状」のところで考えなければ いけないところなのですが,反動もあって気合いは入らず,そのまま 読み進んでしまう.

解説にもありますが,読者は立ち止まらずにそのまま通過するのでありました. 早く「私が彼を殺した」が文庫になって欲しい.そうすれば また気合い入れて読める.

いわゆる「本格」は,事件の判断材料がきちんと提示されているわけです. ここで,「シベリア超特急」に話を戻すと,ちょっとそれは強引でないかい, という点が少々,いや多少,もしかしたら多々あり.

しかし,この映画を分類するとしたらどのジャンルになるのだろう?

おっと,発車の時刻になったようです.それでは今日はここまで.

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