買ったテレビが届きました.21型BS内蔵フラットブラウン管.BS付くか付かない かで1万くらい違うんですよね.で,久々にブラウン管でテレビを見ると, やっぱり液晶よりブラウン管だと思ってしまいます.
さて,忙しいので一本で.今日こそは「マルホランド・ドライブ」.今週からは 渋谷でもロードショーです.じゃ,渋谷で.
今週から話題作ラッシュなのです.「ロード・オブ・ザ・リング」「モンスター ズ・インク」「アメリカン・スウィートハート」「ぼくの神さま」などなど. で,いまだ人気の衰えない「オーシャンズ11」「ハリーポッター」もあり, 映画館も数が足りないくらいです.今日の「東急文化会館」も「LOTR」「M.Inc」 「11」が大きなところを使っているため「3」での上映です.
昨日の「虎ノ門」で井筒監督が珍しく褒めてたのせいか,それとも元々デビッド・ リンチの人気があるのか,かなり混んでいます.30分前に付いて既に劇場右の通 路が埋まろうとしていました.先週までに見ておけばよかったかな.
さーて,入場.こういう混んでる時は欲張らずにちょっと前の方で,かつ真中は 避ける.ここはステージが深いので最前列からの距離が結構ありますから. ほんとに混んでますねぇ.
2時間半あるのでトイレにいっておく.あらー,プログラムを求める列. あまり先入観を持ちたくないので買わない.その前に並んでるので買えない. っつーか,昨日のテレビで既に情報入れすぎ.
「マルホランド・ドライブ」.女優志望のベティは叔母を頼りにハリウッドへ. 彼女の家に着くと,記憶喪失の女性リタがいた.二人はともに彼女が誰なのかを 明らかにしようとするが・・・.
いやー,リンチワールド炸裂.2時間半はあっというま.見終わったら考える考 える.ちょーっと時間を下さいな.なんとなく,「ロスト・ハイウェイ」と似た ような雰囲気か.
とにかく一回みただけではなんとも言えない.確認したい点が山程.情報を求め てWebサイトに行ってみるが・・・
通な方の解説が載ってはいるが・・・,そうなのかなぁ.確かにいくつかの点は 納得できるけど,私の受けた印象とは違うところがあるぞ.これはじっくり考え てみよう.
ということで,このページは後で更新されます.この作品に関しては「ネタバレ」 ってのは存在しないような気がするので.内容に触れまくりになることうけあい.
(2002/04/01 追記)
さーて,もう一回見に行こうかと思ったのですが,忙しいのでそれは無理そう. ひと月経ってしまったし.というわけで,現時点での私の感想.
大方の意見通り,前半は妄想,後半が現実というのは同じ意見です.実のところ, リアルタイムで見ている時は,いわゆる「繰り返し」なのかと思ったのです.リ タの役目がベティに回ってきた,と.
でも,二人はダイアンとカミーラだったわけです.後半の世界ではカミー ラは売れっ子女優,ダイアンはそのおこぼれで役を貰う売れない女優.しかも, これ見よがしに監督との仲をみせつけられ,ダイアンは,殺してしまいたいくら いカミーラを憎んでいるわけです.
そのうち,ダイアンの過去がベティと重なることが分かってきます.そし て,ジルバのダンスコンテストで優勝してハリウッドにやってきたということが わかります.
ここで,冒頭のダンスシーンの意味がでてきます.そしてそれに続いていた薄暗 い部屋のシーン.あの部屋はダイアンの部屋だったわけです.そして,あのぼや けた視界は彼女が夢と現実の狭間にいる状態だと.ダイアンはコンテストに優勝 した時の輝いていた自分を思い出しているのです.
冒頭が夢,あるいは幻だということがわかると,前半のベティとリタの世界が現 実ではないということがうかがえてきます.ベティと飛行機の中で一緒だった老 夫婦や,突然出現するブルーボックスなど,考えてみれば現実離れしたところが いくつかあったわけです.前半は,ダイアンが夢見ていた,ハリウッドでのサク セスストーリーをベティという女性に重ねていたと考えられます.
さて,後半の世界で,ダイアンは殺し屋を雇ってカミーラを殺してしまいます.憎んで もいたが,愛してもいたカミーラを想いながら独り自分を慰めていると,あの老 夫婦が笑いながら現れ,半狂乱のダイアンはピストルで自殺してしまうので す・・・.
実は私,このシーンは自殺したんだとは思いませんでした.公式ページのBBSを 見てて,自殺と書いてあったので「あれ,自殺だったの?」と気づいたのです. 単に老夫婦に向かって発砲しただと思ったんですよね.でも,自殺したと考えた 方が確かに話がつながる.これが前半の世界の死体になるわけだ.
なぜ,自殺だと思わなかったのかというと,あの老夫婦がいたから.あの夫婦は 現実世界の住人ではないと思っていたので,あくまでもダイアンの見た幻覚だと 思ったんです.しかし,自殺だと考えると,最後にコンテストのシーンを回想す る理由がつきます.あれはダイアンの走馬燈で,人生最良の日を思い出していた.
そういうわけで,この映画はハリウッドでの成功を信じていたが夢破れ自殺した ダイアンという女優を通して,ハリウッドの光と影を描いた作品と思っていたの ですが・・・
でも,まだ,附に落ちない点がいろいろあったんですよね.カウボーイとか暗い 部屋で椅子に座ってる老紳士とか.で,考えてみた結果,うまく解釈できる方法 がみつかりました.
それは,前半も後半も現実ではないと考えるのです.すべてはクラブシレンシオ での幻想だった.現実は一番最後のドレスを来た老婆だけ,しかもそれがダイア ンのなれの果て.
カウボーイが監督に対して言った言葉.「従えばもう一度,従わなければあと二 度会うことになる」.彼らにとっては,前半の世界と後半の世界をつなぐために, 映画の主人公はカミーラである必要がある.だから,もし別の女優を使った 場合は,軌道修正のためにもう一度カミーラを主演女優に仕立てあげる手を打た ないといけなくなる.
カウボーイを含むあの紳士達は,この幻想の世界を仕切っているいわばプロデュー サーのような存在ではないかと
どーも,ジルバだったりオールディースだったりと,今現在の話のようには思え ないところが多いんですよ.
まだいくつか確認したい点とかあるんですが,こんな感じかなと.あの電話は クラブシレンシオの楽屋に通じていて,演目(?)の指示を出していたのかなとか.
もう一度見れたらかなり解釈が変わるかもしれません.