なんとなく「 変身 」でも見ておくかと思ってでかけたら、上映しているのは シネアミューズなのに、アミューズCQNの方に歩いてきてしまった。あー、なん かいまからあっちに行くの面倒だなぁ、ということで、次点にしていた「 TAKESHIs' 」にすることにした。シネパレスです。
チケット買ったら、思ったほど混んでいない。よかったよかった。時間までちょっ とLOFTに行ってくる。年賀状グッズをチェック。
時間どおりに劇場に戻る。なんか待ってる人の顔ぶれが、年齢層若いぞ。普段の 映画だとこんなことは滅多にないのに。
「TAKESHIs'」。映画監督、世界の北野。今や芸能界でも重鎮だ。その彼の 前に、同じ北野という名前で顔がそっくりの役者志望の男が現れる。
カンヌの上映でも微妙な反応、しかも、たけし本人も「失敗作」と言ったとか言 わないとかいう、自他ともに認める問題作。
少なくとも、娯楽作品を求めている場合にこの作品を見てはいけません。 しかし、この作品には北野武のメッセージが込められているはずなのです。 「以前からこういう作品を撮りたかった」というのですから。その表現に成功し たか失敗したかは別として。そうであるならば、見る側がそのメッセージのよう なものを探しだしてあげる必要があるでしょう。せっかく見るのですから。
そんなわけで、以下はネタばれ注意の私の解釈。
この作品で描かれていることは全て「夢」ですね。作品中で、明らかに夢 から目覚めるカットというのが何度かありますが、その直前のシーケンスだけ夢 と考えたのでは成立しない。つまりは全編が非現実。黒澤明監督も意識してるか な?
しかし、夢だけに、監督の深層心理を表現していると見ることができるだろう。 つまりここで起きるイベントは、たけし自身の思っていること。普段は直接話せ ないことを、映画という形でさらけだしたと考えられる。
で、一言でまとめてしまうと、映画界や芸能界における人間関係のやらしい部分 にツッコミをいれたのではないかと。具体的にいえば、何やっても持ち上げられ てしまうたけしの今の現状とかに。
もう少しうまく表現できればよかったものを、なんか中途半端になってしまった せいで、なんだかストーリーもないし趣旨も不明確になってしまったというか。
いままでの作品と同じような構図をもってきたのも、きちんと今までの作品をみ ていないと気づけないわけで、うわべだけのファンを切り捨てるというか、ふる いにかけるというか。
「ヨイトマケの唄」もテレビを斬るためにいれたのかなぁ、とか。今ってもう 放送してもいいんだっけ?っていうか、そういうくだらない自主規制を斬る。
ま、こじつけですけど、私の。
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