銀河鉄道の夜 I carry a ticket of eternity

川崎・チネチッタ7

やっとチネチッタに回って来た「 銀河鉄道の夜 」を見に行こう。あれ!?この作 品1時間しかないのか。チネチッタでは、午前と夜1回の2回しかやってない。 当然夜。8時スタートで9時に終わる。じゃ、レイトで他の作品。「 ただ、君を愛してる 」にしよう。「 手紙 」とか「 トンマッコルにようこそ 」も考えたんだけど。

とりあえず、チケット購入。どちらも私の中では微妙な席。ちょっと時間がある のでヨドバシに行って戻ってくる。

開始まで、予告でも流れていた主題曲が流れている。これ誰だろ?時間になった ら予告なしで開始。

高校一年のジョバンニは病気の母と二人暮らし。漁にでていて不在の父のかわり に、アルバイトをして家計を助けている。今日は小学校の同窓会がある。カムパ ネルラにひさしぶりに会えるのが楽しみだ。

ジョバンニの設定は高校生。時代は現代で田舎なのでディーゼル車両が動いてい る。まあ、そういうアレンジは別にアリだと思うのですが・・・。

ダメダメな作品でした。ひさしぶりにダメと言い切れる作品です。まるで学芸会 を見ているかのような演技。原作のセリフ回し自体が文語的で、これまでの映像 化作品でもそのままそのセリフを使ったりしているので、それは原作を尊重して いると見ることができる。でもこの作品の場合は、それとは違う次元の問題。

カンパネルラ役の子、歌舞伎役者のようですが、このキャスティングが失敗。 覚えたセリフを一気に吐き出すだけの棒読み。感情も間もあったものじゃない。 「 デビルマン 」以来の棒読セリフです。

なぜ設定を高校生にしたのかがまずわからない。しかも谷村美月をキャスティン グしたことで、ジョバンニが男なのか女なのかわからなくなってしまった(男 の設定のようですが)。最初の「午后の授業」にあたるシーンで学校にいるのが 他は女の子二人だけなのがややこしい。授業なのか補講なのか。結局カンパネル ラとの関係は卜書きで説明するだけ。この学校のシーンは必要なのか?逆に必要 なら、女子高だということを言いたいのかと考えてしまった。で、もちろんこの 学校の同級生はその後なんの関係もない。

高校生にしてしまったせいで、カンパネルラとの関係、そしてザネリとの関係も 全部卜書きですませる。じゃあ、学校のシーン必要ないじゃん。

銀河鉄道の夜における星祭りは、同窓会ということになってしまった。なんかお かあさんとの会話でお祭りとか言ってたように聞こえたような気がしないでもな いが、よく聞き取れなかった。

ジョバンニは高校生なのにカムパネルラは小学生のまま。これもなんだかなぁ。 銀河鉄道は、天上の世界へ向かう列車。ということは、川で溺れたカムパネルラ も高校生であるのが自然なのでは?

本来はカンパネルラの方が少し大人びていて、この銀河鉄道の旅を通じてジョバ ンニが成長する。なのにジョバンニの方がどうしても年上、というか、カムパネ ルラが子供過ぎるので立場逆転。諭すようなセリフを言っていても違和感ばかり。

さて、カンパネルラはどうして川に入ったのでしょう?原作ではザネリが川に落 ちたのを助けるため。その原因はザネリが烏瓜を流そうとしたため。 ここでも、星祭りがないのはおかしい。そもそも、星祭りで烏瓜を流す時間は夜 なのになんであんなに明るい?

設定を現代にした理由はセットやCGを作るだけの予算が無いから、としか思えな い。その辻褄を合わせるために、活版所は映画館、牛乳は薬。でもおとうさんは 漁師のままで、タイタニックも沈没する。

結局、原作の持つメッセージも世界観も何も表現できていない。イメージとセリ フだけの表面的な部分を、しかも原作を知らないとどうしようもないくらいに省 略しながら舐めただけ。それでいて、設定にアレンジを加えまくったために、ディ テイルが目茶苦茶。

救いは主題曲のセロの響きくらい。

プロジェクタ上映だったんでしょうか?絵の感じがそうなのと、上映後になかな か電気がつかない。というか点く前にでてきましたけど。フィルムだったら連動 しているはず。

上映時間1時間ということもあり、一般1300円ということでしたが、1000円で見 てもなんか損した気分がするでしょうね。私は今日はポイントの招待券扱いで見 ましたけど。

はっきり言ってビデオでも見る必要はないです。是非アニメ版を見て下さい。こ ちらは名作ですから。

ただ、君を愛してる

川崎・チネチッタ3

一旦外にでると丁度開場していた。なんかモギリのところも列になってるぞ。 「 デス・ノート 」と時間がかぶってるか?

「ただ、君を愛してる」。カメラマンの誠人はニューヨークに来ていた。2年前 に突然姿を消した静流から、個展を開くという手紙が来たのだ。彼女とは、大学 の入学式の日に出会い、同棲までした。しかし、初めてのキスをした日に彼女は いなくなってしまったのだ。

広末涼子と松田龍平が主演の「 恋愛寫眞 」が公開された2年前に、映画へのオマー ジュとして書かれたアナザーストーリーの小説を映画化。著者は「 いま、会いにゆきます 」の市川拓司。

そういう成行きの作品なので、ストーリーにはかなりの類似性があります。ニュー ヨークに行った彼女から手紙がきて実は・・・、という。

ただし、映画として単純に比較した場合、脚本も作品の出来も「ただ、君を愛し てる」の方が良いです。ただし、ファンタジーだと思って割り切って見て下さい。

宮崎あおいがすべてですね。最初の登場シーンは、アラレちゃんスタイルの地味 な女の子。それが、眼鏡を取ると表情が違って、さらにラストには一人の女性と なっている。この変貌ぶりが凄い。女優ですね。

宮崎あおい自身も写真が趣味だそうです。こないだみたインタビューでそういって ました。

大塚愛の主題歌もよい。なんでも、映画のタイトルはこちらから決定したとか。 お願いですからくれぐれも盗作とかは無しで。

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