本日の目的は上野の一角座にて「 ゲルマニウムの夜 」。再映しているという情報を聞いたので「 赤目四十八瀧心中未遂 」を同時上映している今週を狙っていたのです。有 給休暇をとって平日狙い。さらに、上野の森美術館でやってる「 ダリ回顧展 」もみるつもりで、朝から一日上野公園内にいるということになります。
会社に行くのと同じくらいの時間に起きて上野を目指す。ラッシュの後で、まだ ちょっと電車が混んでます。
上野着。公園口に出ようと案内を見ると、「公園口には日暮里方面に直進してく ださい」との表示。すいません、日暮里がどっち側かよくわからないんですけど。 一回下に降りてしまったら、実は元いたそのホームを通ってしか行けなかった。
到着は丁度10時。上野の森美術館の開館時間です。大体の方向は記憶していたの で、そちらに行くと、後は案内表示で行けました。
開館直後というのにかなりの人。約2時間かけて見て、丁度映画にも都合のいい 時間。
一角座は行ったことがないので、国立博物館敷地内のどのあたりにあるのかもよ くわからない。とりあえず、博物館正門の方に行くと、看板と案内の矢印があっ たのでそれに従う。
曲り角、京成電車の駅跡の建物があった。入口は完全にふさいでいるが、趣のあ る建物。ホームが短くなっちゃったんで使わなくなったんだそうな。もったいな い。
そこで右折してまっすぐいくと、右手に門。ポスターも貼ってあるしここでいい みたいなんだが、どこが一角座なのかよくわからない。そしたら守衛さんに「ど ちらへおいでてすか?」と聞かれたので「一角座はこちらでいいんですか?」と尋 ねる。そしたら、守衛さんの横にいた男性が係の人だった。門を入って右手の四 角い建物がそうでした。
いちおう某協会会員証が使えるかを聞いてみたところ、予想通りダメということ で、一般2000円での鑑賞です。でも、このチケット、博物館常設展の入場料金込 みなので、割安です。
トイレは外だというので、先にそちらへ。仮設トイレみたいだけど、ちゃんとし た洋式の水洗でした。その後、自動販売機で水を買って劇場内へ。
簡易的な劇場なのかと思ったら、予想以上にまともなつくりでした。そこいらの シネコンよりもスクリーンは大きいです。椅子は従来型の映画館としては一般的 なホルダなしのタイプ。ちゃんと段があるので、視覚的にも問題なしです。30分 前だったので、一番乗りでした。
じゃあ、ロビーでも見てるかと思ったそのとき、なんとエスプレッソとチョコレー トのサービス。あら、洒落てますね。じゃあ、ということで、席にもどっていた だきました。そのうち、お客さんも増えてきました。
「赤目四十八瀧心中未遂」。逃げるようにして尼崎に行き着いた生島。モツ焼き の仕込を手伝うことになり古ぼけたアパートの一室で黙々と作業をする。アパー トの住人はちょっと危ない職業の奴ばかり。中に一人、綾という女性がいて、生 島は彼女に引かれていく。
一昨年でしたか?寺島しのぶが映画賞を総ナメした作品です。気にはなっていた のですが、上映劇場が限られていたのと、時間が2時間40分ということで敬遠し ていたところ、見逃してしまっていたのですが、今回やっているということで見 にきました。
理由ありの男と一人の女。そして、その周辺を淡々と描く。なんとなく北野作品 に似たようなところもあります。キャストも内田裕也がでてきたりと、ヤクザ系 の人がいたりと。
なるほど、寺島しのぶの体当り演技なわけですね。納得です。それにも負けず、 この主人公の生島役の人。新人さんなんですね。こちらもご立派。
でも、2時間40分はちょっと長いかな。
一旦外にでてもOKということで、外にでてこようかなと思ったら、雨が降ってき た。傘を持ってきていなかったので、劇場内で時間を潰すことにしました。読書 タイムです。
時間になったのでお客さんもまたもどって来る。二作連続で見てる人はやっぱり 少なめでしたね。
「ゲルマニウムの夜」。朧は殺人を犯し、幼いころに育った救護院に逃げてきて いた。院長の性欲処理のために手淫をさせられ、同じ職場の仲間に暴力を加え、 修道女を犯し、神父と神の赦しについて論じる。矛盾だらけの世の中について、 彼は、ゲルマニウムラジオに神の声を求める。
原作は花村萬月の芥川賞受賞作。しかし、未読。気にはなっていたんですよ。「 二進法の犬 」もタイトルに引かれていたのですが、花村萬月の作品は一度もよ んだことがない。実は、粗筋も知らなかったのです。
こんな話だったんですね。芥川賞作品ってあまり読んだことがないんですが、純 文学って私小説が多くて、結局性的なものが主題になっちゃうんですかね? でも、この話の場合、いわゆる宗教的な問題と倫理的な問題についての何かを表 現しようとしているのでしょうか?原作はシリーズになっていて今も続いている らしい。ちょっと原作が気になりますね。
こちらは意外と短くて1時間40分。原作は続きがあるとはいえ、こちらは背景な どで端折られた部分があるのだろうなぁ、というのを感じます。
上映中、雨音が劇場内にも響くくらい強く降っていたようですが、出たときは小 降りになっていました。降って来る前に駅まで急ぎました。
博物館の常設展はまた後で機会があったら見にきます。
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