イーハトーブ幻想〜KENjIの春

河森正治(1996)

今日は休日出勤してきたのであります.というわけで,帰りに新宿までいって 「ぼのぼの」でもと思っていたのですが,その前に本屋に寄りたい.時間的に渋 谷の「Book 1st」.

計5冊購入.だが,時間が厳しい.今日は素直に帰ろう.その前にHMVに寄る.

DVD2枚購入.「バタアシ金魚」と「イーハトーブ幻想〜KENjIの春」.どちらも 3800円.「バタアシ金魚」はサントラが手に入らないのでDVDを買ってしまえ的 発想.一方,「KENjIの春」は前から気になってたので,レンタルはないだろう ということで.

しかし,3800円って安いよ.3800円っていったら初期のCDの値段だし.LPの二枚 組よりも安いし.CD感覚で買えてしまう.レーザーディスクは安くても4500円が いいとこだったからなぁ.てなわけで,いまだにビデオ屋の会員になっていない.

というわけで,今日は「イーハトーブ幻想〜KENjIの春」.1996年の「宮澤賢治 生誕100周年」で作られた伝記もののひとつ.「わが心の銀河鉄道」や「宮沢賢 治〜その愛〜」などもそれらのもの.そんななかアニメで賢治の生涯を描いたの がこの作品.

なぜ,私がこの作品を選んだのか.理由はただひとつ,主人公が猫だから. 猫が好きなわけではない.ますむらひろしの絵がいいのだ.そして,宮澤賢治だ からいいのだ.ようは「銀河鉄道の夜」がいいのだ.以前,漫画版も買ったのである. その猫のキャラが私を呼んでいた.となりの「銀河鉄道の夜」はもっと私を誘っ ていたが,こっちの方がメジャーだからいつでも買えるということで.

冒頭,妹トシが銀河鉄道に乗って行くシーンから始まる.おそらく,賢治の生涯 にとって最も重要なエピソードは妹トシの死であり,このシーンは必要不可欠な ものであろう.ジョバンニは賢治,カムパネルラはトシなのだ.

その後は基本的に賢治のエピソードの中でも有名なものを題材に話は進んでいく. 正直なところ,可もなく,不可もなく,という出来だ.

河森正治って人は,「マクロス」の人なのね.「マクロス」ってうちの田舎で は,放送してなかったから見てないんだよね.

キャラデザインはますむらひろしではなく別の人のようだ.そうなんだよな. 結局,「銀河鉄道の夜」の猫キャラが好きなのであって,漫画版もちょっとイマ イチなじめないんだよな.あまりにも人間に近すぎて,顔だけ猫みたいな.

賢治の声をあててるのは「佐野史郎」.ま,無難な感じです.音楽は「上々台 風」.ほんとうは「台」の字が違うけど.一般には「平成狸合戦ぽんぽこ」の, で知られているようだが,私は初期のバンドブームに乗って出て来た時の方が好 きだ.今回のこの音楽は悪くはないのだが.

もともとあまり多くを期待していなかったが,期待を裏切ることも超えることも なかった.そんな内容でした.宮沢賢治ファンなら一度みていても損はないかも. 逆に普通の人にとってはどうかなぁと.

やはり,今度は「銀河鉄道の夜」を手に入れておこう.


監督/脚本・河森正治,監修・天澤退二郎,ますむらひろし
声の出演・佐野史郎,國府田マリ子,磯部弘,大塚周夫,ほか
テレビ岩手/グループタック,1996年作品,58分

バンダイビジュアル株式会社,BCBA-1075,3800円


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