テアトル銀座でレイトショーしていたのですが,行く機会に恵まれず,DVDがで たようなので買ってみました.
監督それぞれが感じた「あの日」を映像化.11分9秒と1フレームという制約の中 で表現された11本.
作品のパターンは3つに分類できると思う.明確に分かれるわけではないが,こ れらのどれかには触れていると思う.
ひとつめは,身近な人たちの命のかけがえの無いことを訴えるもの.
ふたつめは,テロは珍しいことではないということ,さらにいえば,その原因は アメリカにあるということを訴えるもの.
みっつめは,戦争の無意味さを訴えるもの.
11人の監督の中で今回のテロ当事国であるアメリカからは,ショーン・ペンが参 加している.しかし,この中で彼の作品は私には浮いて見えた.正直,何を主張 したいのかが分からなかった.次によく分からなかったのはフランスのクロード・ ルルーシュ.
他の作品の訴えるものが明確すぎて,埋もれてしまったのかもしれない. しかし,それだけ,他の作品のメッセージは明確だった.
何が違うのかと考えると,アメリカ本土で民間人を巻き込む大規模な戦いは起きて いないということにあるのだと思う.それ以外の国は戦争敗戦経験があるか,今 現在戦争・紛争の中にある.
この作品を見て,アメリカ人はどう感じたのか.それが一番興味深い.
監督・Shohei IMAMURA,Sean PENN,Mira NAIR,Amos GITAI,Ale Jandro GONZALEZ INARRITU,Ken LOACH,Idrissa OUEDRAOGO,Danis TANOVIC,Youssef CHAHINE,Claude LELOUCH,Samira MAKHMALBAF
Studio CANAL, 2002年作品,本編約134分, COLOR, DOLBY DIGITAL/DTS, ビスタ
東北新社,TBD1075,4700円