□ 第十四回「渦巻きの迷宮〜鏡の迷宮」〜ヴァイオラの徒然日記 □

460年6/7
迷宮は比較的新しい造りだった。どこのコアだろう。一方通行の鏡でジャンプしているから、どこにいてもおかしくない。クダヒやカノカンナ、それこそラストンという事もありうる。
単調な一本道がぐるぐると左巻きに続く。一番嫌なパターンだ。角が多いから待ち伏せや罠が仕掛けやすいし、脇道がないから当然逃げ場もなく平押ししかできない。明かりの小銭を投げつつ進む。
――やっぱりいた。バリケードハイブ。
どう考えても死ねるので、ラルキアにファイアーボールをぶちかまして貰う。
それからもちょこちょこ襲ってきたが、カタパルトハイブはラッキーが撃退したし、区画内はなんとか殲滅。
三枚ある魔法の鏡はどうやらテレポーターらしい。生意気にも人数制限がある。仕方ないので三組に別れて進む事に。どんどん分断されているのが気にくわない。

そして出たところは、ひたすら鏡の並ぶ通路。なぜかトールやガウアー、アルバン、助っ人兄貴のとこの魔術師とゴーレムが立っていた。4つのパーティ全部が同じような場所を通ってきたらしい。平押しのみのエリオットパーティは結構痛かったみたい。アルバンぼろぼろ。
そう考えると、この面子、ちょっと回復力に不安がある。もっとも、話のわかる理性的な人間ばかりで居心地は良いけどね。

周りを警戒しつつ、鏡に触れて通れるかどうか試していたら、前後から矢がとんできた。こちらからは入れない、つまり向こう側からの一方通行。仕方ないのでゴーレムのゴンを先行させて囮とし、後ろは矢を払い落とせる技量持ちがカバー。近所の鏡で通れる場所を探す。
そうして、ひーひー言いながらなんとか辿り着いた鏡の先には、十指にあまるハイブ戦闘部隊が。危うくロッツ君やアルバンがお亡くなりになるところだった。
他の面々が心配だが、回復力皆無のこの現状ではどうしようもない。幸いこの部屋は安全そうだし、体力を回復すべく休憩する事にした。まだお昼ぐらいな気もするが。
 

 

 

 

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文責:柳田久緒