□ 第十五回「鏡の迷宮〜アップダウンの迷宮」〜ヴァイオラの徒然日記 □

460年6/7
休憩を終えて、おそらく夕方ぐらい。目一杯治癒魔法を取り直してかけまくり、アイテムまで使い切ったが焼け石に水。ここのメンバーは鎧が薄いし、決定打に欠けるからどうしても戦闘が長引いて損耗率が高くなるのよね……。
部屋の内側にある何枚かの鏡は普通に通れるから、苦しくなったらここで休めばいいだろう。この鏡の回廊は何重かになっていて、特定の鏡を潜れば内側の回廊に入れるようだ。となると、闇雲に探索しても消耗するだけだ。先の教訓からゴンに先行させ、まずは攻撃を受けるポイントを確認した。今回は矢じゃなくて槍だった。しかしゴンだから大丈夫。うちにも欲しいなぁ、ゴン。
小銭で通れる鏡を確認する。結果、槍のところ(中には前回戦った戦闘部隊と同じ戦力がいるだろう)と隅の二ヶ所が抜けられるようだ。わざわざ敵に突っ込んで行くほど暇じゃないので角の前まで行く。効率よく進むためにロケートの呪文をかけてみた。が、何故か後ろの鏡が反応。今までと違い、触らないと作動しないタイプなのか?
急遽いままで小銭が通らなかった鏡を調べてみた。そしたら触ると壁の色が変わった。何色もあったから、順番に色を変えてから例の鏡に触れれば奥へ行けるだろうとあたりをつける。
うん、ばっちり。一人用の鏡で囲まれた部屋に出られた。
もしかすると他のとこと合流できるかもしれないので、しばらくここで待つことにする。せっかくだからと酒を出すと、周りも全員手持ち物資を供出してきた。なごやかに差しつ差されつ、まったりと酒盛りに興じる。やっぱり大人同士のつき合いは良いね。
結局誰も現れなかったので、各々仲間に会ったらよろしくと声をかけあい、鏡を潜った。

またメンバーシャフルがあったようだ。ジーさんとゴンとルーとリーンティア、それに助っ人兄貴のとこのベーディナがいた。途中で寝たり酒盛りしたりで、相当時間くっているはずなんだけど。皆同時に出てきたってことは、どっかで時間調整されているんだな。もしかすると、ダーネル工房の時みたいに半分現実じゃない場所にいるのかも。
とりあえず別のパーティの連中に仲間の無事を知らせておく。うちんとこの連中も皆元気だったらしい。

なんかあからさまに罠臭い細長の通路を進むと、いきなり壁が落ちて広い空間と繋がった。向こうには弓矢ハイブの群れ。しかし我々にはどうしようもない。一斉に奥の遮蔽目指して走った。
これだからハイブはイヤなんだ。元は人間のくせに呪縛呪文ホールドパーソンが効かないんだもの。
今回の部屋は壁が上がったり下がったりする。忙しない。なにやら奥から湧いて出たハイブはゴンが一人で退治。やっぱり欲しいなぁ、ゴン。番キメラも捨てがたいけど、ゴーレムもいいよね。そのうち格安でトーラファンが造ってくれないかな。
そのまま進むと、さっき弓を射かけてきた空間の横に出た。妙にでこぼこしたヤな構造。広範囲魔法の無い我々は、地道に潰すことにする。ゴンを盾に、右の弓矢部隊を目潰し攻撃したところで、通路が次々と天井にぶつかる音が聞こえた。つまり、このままここにいるとぺちゃんこになるという事か。急いで元来た方へ下がりつつ戦術の建て直しを図る。
虫除け薬の一気飲み。ゴンをバックパックに詰め込んで、うざいハイブの後ろに上がる。台上の2匹を蹴散らし、危ないところで退避を完了。下から登ってくる部隊に火炎瓶を落としまくった。
時間はかかったが、なんとか掃討。途端に全ての床が合わさって一枚の床になった。そのだだっ広い部屋の真ん中には、暗闇へと伸びる階段が。
もうこれ以上は何も出ないだろうという事で休む。念のためゴンは階段口で見張り。そろそろ中間報告を入れたいのだけれど、なかなか一人になれない。仕方ないよね。

 

 

 

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文責:柳田久緒