親 書
親愛なる同志 ヨカナン・トルゥ=ヴァイオラ殿
この度の報告ご苦労であった。
今後の支援に関してだが、フィルシム国内のことであり、政治的な意味合いでもガラナーク神殿が積極的な関与をする事は大変難しい状況となっている。
しかし、ハイブは女神エオリスに認められていない、全世界共通の敵であり、このショートランドから駆逐しなければならない存在である。
同志が、貴国内のセロ村にあるハイブコアを駆逐し、世界平和に貢献することを期待する。
同志の未来に女神エオリスの祝福があらんことを。
ガラナーク大神殿 大司教 フィッツ・G・トゥルシーズ
同志の質問事項に対する返答を以下に記す。
解釈についてだが、神託の解釈は大変難しいモノであり、ガラナーク神殿は神託を受けた本人に解釈を委任してあった。
北の大地、深い森の中、前方には雪を被った山脈
見上げれば、降り始める、白き雪
翼をもがれた天使が、大空を飛ぶことを忘れ大地に横たわる
雪は全てを覆い隠す
深き森の北の端、魔導師達の夢の跡
いにしえより旅人達で賑わう村
深きところ、浅きところで人々の生業に寄生する
静かに、徐々に、しかし、確実に
心に光を持ちし者達
かの地で、真実を見付けるだろう
それが、正しき『道』?
それともまがいものの『道』?
それらを見る『眼』はきっとそなた達の中にある
コルツォネート・カークランド村長より
ご依頼の件、喜んでお手伝いさせて頂きます。若い未婚の猟師を4名ばかりそちらの村に移民させるよう手配を取りました。後日受け取りに来るよう願います。
礼については、お気になさらずに。移民する者は、性格面を含めて我らがスルフト村と貴セロ村の品位を落とさないであろう人物を選定いたしました。彼らが、貴セロ村に受け入れられ、以後セロ村の村民として生活していけることを切に願います。
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文責:柳田久緒