くぼた沖縄日記2001 トラブル・トラベル 

4月10日 最大のピンチ!どん底の夜

朝ご飯の後、朝寝。11時過ぎ、自転車でウーグ浜を目指し出かける。浜の人口は4人くらい。 海でシュノーケルをしている人ひとり。 浜は湾曲しているので、ちょっと歩くともう誰も見えなくなる。 高い木がなく、木陰がない。手頃な石に腰掛ける。 海の色はとてもきれいだ。リーフの向こうに砕ける波と、耳元を過ぎる風の音しかしない。潮が引いていく。 

ゴムぞうりに履き替え、波打ち際を歩く。 白いサンゴのカケラを拾って、箸置きにすることを思いつく。 慣れれば水は冷たくない。罪のないナマコをいじめる。 きのう、島の観光ポイントをぐるっと回ったので、もう今日は見るところがほとんどない。 ボー然と波を見る。なぜか飽きない。いろんな事が心に浮かんでくるが、はっきりと形にならないまま、風に飛んでいく。 

波を見て 何もすることがない 山頭火(ウソ)

お昼代わりの伊予柑を食べ、何枚かはがきを書き、ようやく腰を上げる。 自転車で、集落の中をうろつく。頭に段ボールの箱を乗せて、運んでいるおばあさんを見かける。ああ、アジアだ。 集落の中は、あちこち舗装がめくられ工事中。自転車で走りにくい。 民宿の青年が、お客さんのほとんどは、ダイビングと工事の人と言う。 観光と公共事業が、二大収入ってことか。 会う人会う人、みんな会釈してくれる。ダンプに乗ったおじさん達からも、ご挨拶を受ける。私ひとりが大人気って事はないだろう。昨日来たばっかりやし。 この島は、あいさつ運動実施の島なんだ、きっと。
 

何軒かの家に、天水を貯める、トゥージと呼ばれる水瓶がある。 水の苦労があった、ということ。そのうちの1軒で、フール発見。 その昔、豚をトイレで飼っていた跡である。 木の枝をはらっている人に会う。何にするんですか? ヤギの餌だよ。ホラそこ。母ヤギとかわいい子ヤギ。 だっこして子ヤギを連れてきてくれる。わ〜い。子ヤギは生まれてまだ3週間目。うひょ〜。かいらし〜。 「メスなので、この子は食べないで、子を産ますよ〜」

製糖工場が、明日で操業終わると教えてもらう。 唯一の見落とし観光ポイントである。煙が出てる所だよと聞き、見覚えがあったので、わっかりましたあ〜と自転車に乗る。 煙を目印に、せっせと自転車をこぐ。やっとついた所は、煙は確かに出ているが、なんと産廃処理工場。ありゃ〜。 改めて地図を見る。むむ。全く方角が違うでないの。 力尽き、製糖工場はパス。宿に戻る。と、頼んでいない 昼食のお弁当がある。2食付きでって頼んだのに。 宿の女の子にそう言うと、「2食って朝と晩ですか?」 普通、そうでしょうが!うん、もう。

なんだかなあ。こけるし、頼んでないお昼ご飯はつくし。 明日、早い便で那覇に戻ろう。飛行機の予約の電話をする。 「明日11日の便は全席、予約でいっぱいです」えっ!? 「この先14日までの全ての便は、予約でふさがっています。 一番近い便の空席は、15日の第1便です」絶句する。 私は、14日に大阪に戻るんだよ!15日までこの島を 出られないというのか!?あああ〜、どうしよう…。 とりあえず、15日の便を押さえる。 明日の朝、一番に空港に行って、キャンセル待ちしてくださいとアドバイスを受ける。いきなりどん底である。 明日がダメなら、次の日もまた朝一番でキャンセル待ちを しなくてはならない。那覇であれこれ考えていた計画も、宿の予約も、帰りの飛行機も、全部ダメかも知れない…。 

くぼた沖縄旅行最大のピンチ!いままで、沖縄の神様の覚えめでたいと思っていたが、これはなんかのバチなのか? 思い当たることがたくさんあって、特定できない。 「空港で泣き落とし作戦」これしかないかなあ。 島の人は優しいから、ひょっとすると、15日の便と代わってもらえるかも。

布団の中で、ずっとくよくよする。沖縄の神様にも、那覇に戻してくださいと何度もお願いする。沖縄旅行、しばらくやめた方がいいのかなあと、真剣に考える。

 

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