くぼた沖縄日記2003-2 おでかけはモノレール

11月17日 ★元は取ったぞ、モノレール

モノレール美栄橋駅で、昨日初めて乗ったばかりなのに、切符の買い方がわからない女性に知ったかぶりしてアドバイスする。今日はモノレール1日券を買って、まずは首里へ。今までせいぜいバスの座席か、そうでなければ飛行機から(セスナは楽しかったよ)という視点しか持たなかったので、モノレールからの眺めははじめての景色だ。丹精された花いっぱいのビルの屋上。乗客と至近距離で目が合いそうなマンション。いきなり出来た「駅前」がつく商店。あの店は、ここにあるのかあ。

モノレール、私のようなレンタカーを使わない観光客にはかなり便利な乗り物だと思う。ちょっとめんどくさかった首里だって、ここから15分足らずで行ける。やっとやっと、超有名「首里そば」だあ!住宅地を行くと、おお、開店前の行列が。そば大を頼む。向かいに座ったおじさんは、いかにも常連さん。セルフサービスで冷たいお茶があるのだが、おじさんにだけお店の人が熱いお茶を持ってくる。しばらくおじさんとおしゃべりしながらそばを食べる。今まで食べた中で、一番硬い麺。だしは鰹がきいてあっさり。どのガイドブックにもおいしいそば屋として載っているこの店、おじさんの話では観光客が7割とか。帰り際におじさんから「よい旅行を」と声をかけて頂く。ありがとうございます。
 

首里のもう一つの目的、「road works」は豊永盛人さんのギャラリー。ところが、行ってみるとシャッターが降りている。残念。しょうがないので、ふらふらと首里城に向かって歩く。さすがに観光客がいっぱい。初めて沖縄に来た9年前に一度入ったきりだが、まだ城壁は復元途中だった。完成にはまだ10年くらいかかりますとその時聞いたが、もう完成しているという。無料で入れる場所を歩く。今日はくもりで見えないが、「西(いり)のアザナ」という物見台からは、慶良間や遠く粟国まで見えるらしい。那覇の街を見下ろして、やっぱり人間は高いところに立つと征服欲が起こるのだろうかと思う。
 

もう一度「road works」の前を通ると、うれし、開いてる!中に入り、作品を見せてもらう。寝ぐせ頭もほほえましい豊永さんはまだ20代のハンサムな青年で、高齢者が多くもう数少なくなった沖縄張り子玩具の作家さんである。お人柄が出るんだろう、豊永さんの張り子はみんなどことなくとぼけていて、とてもかわいい。作品カタログを見て「玉のりシーサー」が欲しくなるが、売り切れ。壺屋にある友人のギャラリーならあるかもしれませんと聞き、あとでそちらに回ることにする。
 

モノレールで美栄橋駅に戻り、「薬草茶屋」に行く。6月に行った久茂地のお店がなくなり、松山のお店へ。前にお会いした店員さんが覚えていてくださり、薬草茶やコーヒーをいただいておしゃべりする。おみやげ用のウコンの他に、“シミ・シワに効く”という言葉に激しく心を揺さぶられ、コラーゲンの粉末も買ってしまう。わざわざ遠いところをと、おまけしてもらう。おおきに。
 

教えてもらった壺屋の「ギャラリーMITSUO」に行くと、いたいた。かわいい「玉のりシーサー」。それも3匹!迷って一番小さい子を買う。お店の方が、「今までは玉のりだったんですが、なぜか今回入荷したら桃のりになってたんです」。ほんとだ。桃ですね、これは。かわいいからいいです。豊永さんの同級生のギャラリーオーナー宮城光男さんによると、豊永さんの作品は今はまだまだ安いので、買うなら今!だそうだ。

 

何年ぶりだろう、牧志公設市場の1階をぶらつく。ああ、皮付き豚の三枚肉が欲しい。

またモノレールに乗って、(なんせ1日券を買ったもんだから乗らないと!)晩ご飯を食べに旭橋駅まで。両側に座った若い女性が、タイプの違う典型的沖縄美人で見とれる。そうそう、沖縄のモノレール、到着の合図に駅ごとに違う沖縄民謡のメロディーが流れる。大阪モノレールでそれをしたら、果たして駅の数だけ大阪の民謡があるだろうか。そもそも大阪の民謡って何だろう。思いつかない。河内音頭か?

てびち(豚足ね)で有名な「嶺吉食堂」。もちろん、てびちください。丼一杯てびちがやってくる。からのお椀も付いてきて、これは骨入れ。食べ終わった骨を、かちゃんかちゃんと入れていく。なんかに似てる。あ、シジミのおみそ汁だ。食べ終わったシジミの殻を入れていく感じ。てびちの下に大根やトウガン、昆布が隠れていた。せっせとコラーゲンの摂取に励んでいると、お箸が滑ってビッチャンと汁が飛んでジーパンにかかってしまい、ちょっと悲しくなる。カツ丼を頼んだ若い男性が、お店のおばちゃんにカツ丼なんかやめて、てびちか煮付けにしなさいと言われている。ははは。男性は引き下がらず、おばちゃんの提案は却下される。

ふくれたお腹でまたモノレール。本日3軒目のギャラリー「よかりよ」に行く。陶芸のギャラリーだった。オーナーさんとお話。いいなと思った器があまりに重いので、そのことを話すと、和食器は重くてもいいと思うとのこと。そうかなあ。置いたまま使う洋食器と違い、手に取る和食器こそある程度の軽さが必要だと思うのだが…。

しつこくモノレール。何となく那覇空港まで行く。赤嶺駅―那覇空港駅の3分間、貸し切り状態になる。ちなみにこの赤嶺駅が日本最南端の駅で、那覇空港駅が日本最西端の駅だ。鉄道ファンは来なくてはならないだろう。空港の売店は軒並み閉まっていて、がらんとしている。こんな時間に空港に来たことがないので、初めて見る光景。

もどってスーパーでおみやげの買い物。雨が降り出して、アーケードのある市場本通りを歩く。ここも今はがらんとして、ほとんど人通りがない。お、猫だ。エサをやっていると、上からにゃ〜にゃ〜と鳴き声がして、振り向くとひさしの上に猫が3匹。気が付くと、7匹の猫に囲まれていた。

  首里そば 那覇市首里赤田町1−7 098-884-0556 日・祝 休

  嶺吉食堂 那覇市西1−24−2 098-868-5404 日 休

   road works 那覇市首里当蔵町2−19 098-887-4069

  ギャラリーMITSUO 那覇市壺屋1−7−9 098-864-0018 

  よかりよ 那覇市前島1−2−1 090-9783-8117

 

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