くぼた沖縄日記2005 八重山ひさしぶり〜 小さい島に行きたい

 

★10月16日 きれいで悲しい

 

お天気はまずまず。宮さんに今日の海はどうでしょうとお伺いを立てると、干潮をはさんで2時間くらいならいいでしょうとの返事。本日の干潮は12時半。11時に仲本海岸に行くことにして、それまで朝寝。宿のフィンとブーツ、軍手を借りて出かける。長袖Tシャツも着ていざ泳ごうとすると、あれは何というのか、シュノーケルとマスクをつなぐゴムの輪がブチッとちぎれてしまう。浜の売店には売ってないし、ええい、宿に引き返してゴムの部分だけ借りる。

 

 

明日が満月で大潮。今日も潮がずっと引いて、リーフ手前の海は大きなプールになる。たくさんの人が遊んでいる。水はちょっと濁っているが、群れているデバスズメダイに波を通した日の光が当たり、キラキラと発光しているみたいで美しい。やっぱりシュノーケリングは晴れた日に限る!ここはムラサメモンガラが多い。大きなゴマモンガラや、長〜いヘラヤガラから、小さな小さなルリスズメダイにミスジリュウキュウスズメダイなどなど。魚を見ていると、このことを一番喜んでくれるはずのT君がいないことが不意に心に浮かんで淋しくなる。「T君、うち沖縄で泳いでるで」。

 

 

同じ宿の女性二人と会い、サンゴのまわりにたくさん魚のいる所まで案内してあげる。片方の女性がなかなか来ない。泳げないため、足の立たないところは恐いそうで、首くらいの水深の所をほとんど歩きながら移動している。フィンも手に持ったままだ。昨日の晩「絶対泳ぎたい!」って言ってたのに、泳いでへんやん。「わ〜、きれい〜」と喜んでくれたが、以前はよく見かけたクマノミ類が全然いない。ディズニーアニメ『ファインディング・ニモ』の影響で、乱獲されているということを聞いたが、ここでもそうなのだろうか。

 

 

岸に戻ろうと干上がったところを歩いていると、二人つながって妙に早く海の中を移動している人がいる。顔を上げたところを見ると、ずいぶんご年配のご夫婦。水中スクーターというのか、スクリューのようなものを手で持って泳いでいたのだ。「それいいですね」と言うと「ラクチンなんだけど、魚が逃げちゃってね〜。だめなんだよ」ありゃま。

 

 

アオヒトデを見つけ、フィンを使ってひっくり返してみる。もっとぐんにゃりしてるものかと思っていたが、ヒトデって、結構固い。どうするかと見ていると、まず5本の腕のうち2本がぐぐぐっと曲がって、全体がゆっくりひっくり返り、重なった下の腕がこれまたゆっくりと引き抜かれて元に戻った。なるほど。

 

 

部屋で同室の女性と話す。彼女が話しながら、化粧水やクリームを次々と塗るのを見て、顔も体も洗いっぱなしだったことを思い出す。とほほ。反省していると、保育園児の宿の女の子が、「お姉ちゃん、遊ぼ」とやって来る。保育園から戻るとべったり彼女にくっついて、相手をしてもらっている。彼女もそれで楽しいのだろう。いるんだ、こういう面倒見のいい人が。私はまっぴらだが。

 

 

今晩も夕食後そのままゆんたくへ突入。今晩は宿の男性ヘルパーOさんも加わって、三線を弾いてくれる。沖縄旅の猛者でもあるOさんと一緒に歌ったり、しゃべったり。やはり、仲本海岸のクマノミは激減しているそうだ。ディズニー憎し〜。

 

 

そして、八重山の民宿の話になると、必ず出てくる波照間島の民宿たましろ。Oさんはもちろん、居合わせた何人もが宿泊経験者だ。暴力的な食事の量で有名で、私が泊まった6年前も人気があって満員だったが、部屋が増えた今でも連日満員だそうだ。好き嫌いが分かれる宿だが、私はもういいかな。

 

 

ここ何年かのテレビドラマの影響もあってか、八重山人気が続いている。Oさんの話では、こちらの民宿でも7月のオープン以来、3ヶ月で1500人も宿泊したそうだ。「空き部屋があったのは、台風の時だけ。黒島でこんなに人が来るなんて、おかしいですよ!」今日は常連の男性が頼み込んで泊まり、玄関そばの床に布団を敷いている。

 

 

宿の主人宮さんも現れ、酔っぱらいながら三線を弾いてくれる。黒島の人気宿みやよしを切り盛りしていた宮さんが、独立して作ったのがこの宿で、みやよしが好きだった私は迷わずここにした。出来たての宿はとてもきれいで、使い勝手もいい。食事から掃除、今は庭の工事までしていて1日働きづめだ。体大事にしてください。

 

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