くぼた沖縄日記 2007・冬 宮古再会編

 

★ 12月2日 伊良部島のさえない日

 

部屋の外ががやがやとうるさくて目が覚める。6時半。隣の部屋のドアをドンドン叩いて「おはよー」と元気な声。那覇マラソンのランナー達だ。参加しない人間もいるのになあ。

 

 

那覇マラソンの混雑を警戒して、早めに宿を出る。モノレール駅が混んで切符がすぐ買えるかと心配したが、おりょ?券売機の前はガラガラ。ホームもガラガラ。増発のモノレールにもすぐ乗れる。乗客はランナーがたくさん。スタート地点最寄りの壺川駅でどっとランナー達が降りて、モノレールががらんとなる。国場川の向こうの奥武山(おうのやま)公園にぎっしりの人人人が見える。スタートまで1時間足らず。ここに来て初めて、マラソン見てから宮古に行けばよかったと思う。いくらでも遅い便に変更できたのに、普段スポーツとは縁を切っているので、ちっとも思いつかなかった。

 

 

 

那覇・宮古間は50分ほどのフライト。沖縄20回目にして、やっと宮古に来た。タクシーで平良(ひらら)港のマリンターミナルへ。宮古のタクシーは初乗り390円。ラジオは那覇マラソンの実況中継で、先頭の選手がゴール目前。運転手さんも5回参加されたそうで、しばらくマラソン談義。今年の参加者は約2万3000人とか。完走率がちょっと低いのは、きっとコスプレランナーが多いからだ。

 

 

高速船より時間はかかるがすぐ出発の伊良部島行きのフェリーに乗る。よく晴れて海がきれいだ。沖縄の中でも宮古は海がきれいといわれているが、そのなかでも伊良部の海が一番きれいだとか。伊良部島も宮古島と同じくバス便が不便なので、島の反対側にある宿までタクシー。運転手さんに、今度はぜひ大潮の時に潮干狩りに来なさいといわれ、名刺をもらう。

 

 

民宿は小ぎれいな鉄筋3階建て。バストイレはビジネスホテルのよう。クーラーも無料なのに(民宿はコインクーラーも結構多い)、なんでテレビが有料?カーペットの一部がえらく濡れているのも不審だ。

 

 

自転車が無料で貸してもらえると雑誌に書いてあったのでお願いすると、自転車が入っている倉庫の鍵が持ち出されていて今日はダメ。近くの貸し自転車屋さんを教えてもらい行くが、こちらは留守。むむむ。しょうがないので、適当に近くを歩き出す。やっぱり、那覇でマラソン見ればよかった…。

 

 

橋でつながっている下地島に行ってみる。歩道はあるものの、草が生い茂って歩けない所が多い。歩く人なんてだれもいないんだろう。いい天気で暑い。ハイビスカスもブーゲンビリアも花盛り。この花の咲いてない時期ってあるんだろうか?蝶々多し。入り江にかわいいマングローブ。

 

 

なんか、今日はハズレ。部屋に戻って昼寝しよ。シャワーを浴びて、網戸にしたまま、本を読みつつうたた寝。風が気持ちいい。12月なのに…。

 

 

この宿は食堂もやっていて、泊まり客が一斉に夕食を取ることがなく、近所の人に混じって三々五々適当にテーブルについて食事をしている。私以外は、仕事で来ている人達のようだ。お酒を飲む人もなく、食事が済んだらあっという間にだれもいなくなってしまった。旅行者同士だと話の一つも出るのだが。

 

 

 

 

 

食後宿のまわりを散歩するが、星が少し見えるだけ。ま、こんな日もある。本を読んでさっさと寝る。今回持参の本は文庫の『桂枝雀爆笑コレクション2 ふしぎななあ』。『こぶ弁慶』から『胴斬り』を読む。枝雀さんの口調が懐かしい。生前、たくさん生で聴けてよかった…。

 

 

 

 

 

 

 

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