くぼた沖縄日記 2010・春 守備範囲は広い

 

★4月11日 (日) ヒーローから人間国宝まで

若狭にある古書店「ちはや書房」をのぞく。雑貨も置いてあり、本よりそちらに目がいく。何も買わず。さらにすぐそばの美術書を中心に置いている古書店「言事(ことこと)堂」に行く。ずっと行ってみたいと思っていた古書店は、沖縄の古い民家。しかし、期待したより本が少なく、狭い店内が暑い。汗がたら〜と流れ、一通り眺めここも何も買わずに出る。

 

モノレールの1日券を買い、小禄(おろく)に沖縄そばを食べに行く。駅からつながるジャスコ那覇店の中を歩いていると、異様な人だかりが。なんだこりゃ。あああっ。「琉神マブヤーキャラクターショー」が14時からあるんだー!私としたことがチェックもれであった。これは見なくては!まずは、そばね。

「我楽そば」に向かう途中で、この暑いのに、上下黒ずくめの服にこれまた黒のストールをかけ、うつむいたまま歩いている陰々滅々が凝り固まったような、負のオーラ出まくりの、ただごとではない女性とすれ違う。いったい何が…。

 

美味しいおそばを食べたら、次はヒーローだ!ジャスコの中は、さらにえらい騒ぎだ。沖縄風に言うと、デージなってる!吹き抜けの2階から見ることにする。開演前にキャラクターの撮影は禁止と告げられる。獅子使いのお姉さんが登場して、「みんな、マブヤーを応援しようね。がんばれーって言ってね。はいっ!」「がんばれ〜〜っ!」。ジャスコ中に子ども達の声が響きまくる。子ども達は本気だ。

 

 

現在の悪のマジムン軍団ボス・ハブクラーゲンやクーバー、オニヒトデービルが登場し、獅子使いのお姉さんがつかまる。ヒーローはなかなか現れず、20分たってやっと琉神マブヤー登場!アチコーコーのハートで、勝利をつかめ〜♪さらに新ヒーロー龍神ガナシーも現れて、最後はちゃんと「ごめんなさい」と謝ったので、悪者達は許されるのであった。「ごめんで済んだら警察はいらん」というフレーズも頭に浮かんだが、まあ、いいでしょう。子ども達も「ごめんなさい」「ありがとう」の練習。欲しかったかわいいクーバー(クモのこと)の携帯用マスコットを買う。

 

 

その後、モノレールで古島へ。この駅で降りるのは初めて。「chufudi nature(チュフディ ナチュール)」で手作り石鹸を物色。迷いに迷って「宮古島ホワイトパウダーソルト石鹸」や久米島海洋深層水使用の「オーシャンスカイ石鹸」 などを買う。さらにおもろまちのDFS。疲れたのでソファでひと休み。う〜む、そういえばお客さん、少ないかも。国際通りに戻ってくると、日曜日のトランジットモール(歩行者天国)になっていて、創作エイサーを踊っているのが見える。かっこいー。

 

 

NHK沖縄放送局主催の「沖縄の歌と踊りのつどい」を見るため、隣の浦添市にある国立劇場おきなわへ。公開録画なので無料。やって来たバスに乗ると、あーっ、遠回りするコースだったー。ここまで、時間通りにいい感じで進んでたのに…。無情にもバスは58号線から遠ざかる。数ある沖縄難読地名の勢理客(じっちゃく)で下車。

 

 

日本に5つしかない国立劇場(東京3,大阪1)のひとつ、国立劇場おきなわ。1階はもう満席で、2階席に座る。今日はまず舞踊が5曲。次が人間国宝お三方による古典独唱。語尾がいちいち「る〜ぅ〜ぅ〜〜」とか「り〜ぃ〜ぃ〜」とか伸びて、前の発音がなんだったか忘れてしまい、単語として把握できない。伴奏の三線とお琴の不思議な不協和音。しっかり聴いているつもりが、一瞬カクッと頭がのけぞる。まわりでも寝ている人がちらほら。録画が上手くいかなかった理由で、お一方だけ録り直し。始末書か?

 

 

最後が新作組踊り『海の天境』。組踊りとは、音楽と踊りとせりふで構成された歌舞劇のこと。作者の芥川賞作家・大城立裕さんが会場にと紹介がある。 物語は、悲劇の琉球国王尚徳と久高島の神女クニカサのお話。昨日のお笑いライブは楽勝だったが、こちらは難物。語られる琉球語がだいたいというか、たぶんくらいしか分からない。全プログラム、2時間半ほどで終了。

 

バス停はどの方ですかと聞いてきた女性と、一緒にバスに乗る。定年を機に三線を習いだしたというその女性によれば、先ほどの主だった出演者は、先生クラスの方ばかりで、大変上手かったそうだ。ずっと三線をやりたかったというお話を聞くにつけ、やはり沖縄の音楽は人に近いところにあるのだなあと思う。

 

 

「ピッツバーグ・フォーラム」で晩ご飯。スープにサラダにニューヨークステーキ、とにかく料理の出てくるのが速いっ!あっという間にデザート。ぽってりしたカップ(欲しい〜!)に入った食後のコーヒーを飲みながら、席の真横のジュークボックスから流れる懐かしいポップスを聴く。くぐもった音は、水の向こうから聞こえるようで優しい。入っている曲を見ると、江利チエミからカーペンターズ、ビリー・ジョエルに大川栄策とバラエティに富んだ選曲だ。

 

 

我楽そば 那覇市金城5−16−14 ステーション101A TEL 098-859-0616

                           11:30〜17:00(なくなるまで)  水曜定休

 

 

ピッツバーグ・フォーラム 那覇市泊3−7−14 TEL 098−868−2687

                 12:00〜15:00 18:00〜1:00 木曜定休

 

chufudi nature 那覇市銘刈3−1−12 TEL098−894−4724

           11:00〜19:30  無休

 

                                                  ←BACK     TOP PAGE     NEXT→