沖縄日記番外編 フランス日記2011
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★6月7日(火) ヴェズレー(ブルゴーニュ)
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朝、オータンの街を散歩する。霧にけぶるサン・ラザール大聖堂。開店前の商店街。フランスパンを持って歩く人々。
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今日は在来線に乗って、世界遺産の街ヴェズレーに寄り、パリに戻る。ひなびたオータン駅で電車を待つ。やってきたのは1両きりのかわいいワンマン電車。中もとてもきれい。乗客が全員降り、乗ったのは私たちと男性が一人。
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駅を出てしばらく走ったところで、音がしたと思ったら電車が止まる。ん?運転手くん(とても若そうな男性)がやってきて「そのまま座っててください。線路には下りないで」と言って、電車の外に出ていく。乗客の男性もやってきて、かなり大きな落石があったこと、まだ駅から近いので引き返すかもしれないと教えてくれる。ありゃー。
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しきりに携帯で話しながら、電車の外を行ったり来たりし、マニュアルを見ながら作業していた運転手くんだったが、しばらくしてはずした車体の一部を客室に運び込み、「動きます」と言いに来た。よかった!
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その後、遅れを取り戻すためスピードを上げて、ということはなくそろそろと走り、オータンよりさらに小さなセルミゼル駅(世界遺産最寄でこの小ささって…)に着いた時は、予定の1時間遅れ。予約していたタクシーの姿はなく、電話もつながらず、駅員さんに声をかけると、タクシー会社に電話してくれる。メルシ!
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しばらくしてやって来た、たっぷりとした女性運転手のタクシーに乗り、ヴェズレー到着。帰りのタクシーもお願いして、サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂の前で降りる。
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ヴェズレーは、ヨーロッパ版遍路道「サンティアゴ・デ・コンポステラ」(世界遺産)の出発点の一つ。おお、「サンティアゴ・デ・コンポステラ」シンボルのホタテガイのマークが地面についている。それらしきトレッキング姿(お遍路さん)の人もいる。ここから 遥かスペインの端の方まで歩くのだ。
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サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂は、ロマネスク建築の本には必ず出てくる建物。中ではお昼のミサが始まっていて、男声と女声の聖歌が聖堂に響く。和声って、こういう場所で歌うためにあるのだなあ。歌声を聴きつつ、柱頭彫刻を静かに見る。
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聖堂を出て裏手にまわると、見晴らしのいい広場になっていて、目の前に広がるブルゴーニュの田園風景を眺めていると、親切なフランス人のマダムから「写真を撮ってあげましょう。もっとくっついて!」と言われる。
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聖堂の脇に小さな芝生の一角があり、立ち入り禁止のテープ。フランスのこのテープ、紅白のしましまで、ついおめでたい気がしてしまう。その芝生の一部が長方形に掘られていて、 これって墓穴?
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メインストリートをうろつき、この地方名産のマスタードなど、お土産も買って、迎えのタクシーに乗る。帰りのタクシーも、たっぷりとした女性運転手で、行きのタクシーを予約した人だった。依頼のある時だけ仕事をするパートタイムの運転手さん。駅までの道の両側は、ワインの産地らしくブドウ畑。
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帰りの電車もこれまたきれい。フランス国鉄はパリのメトロと大違いだ。がらがらに空いているので二人でテーブル付きのボックス席に座る。黄金色の小麦畑、満開前の薄青く見えるラベンダー畑。放牧地に牛・牛・牛。羊はどこにいるんだろう。今日は休みか?小さな集落にもれなく教会の尖塔が見える。教会の支配力を思う。
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3時間ほどでパリ・ベルシー駅到着。リヨン駅とは一駅離れているだけなのだが、場末感が漂う。二人とも、パンじゃないものが食べたくなって、手近なイタリア料理店で、パスタ。ホテルに戻り、お湯をもらってほうじ茶を飲む。
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