くぼた沖縄日記2014 春  祝訪沖20周年! とにかく沖縄へ行く

★2月8日 鎌倉芳太郎の写真と大道さんの写真

曇りまくっている。隣に建つ重要文化財の旧崇元寺石門を見ながら朝食。モノレールを一駅乗ってホテル移動。ホテルに荷物を預け、県立図書館へ。

 

旅行直前に読み終えた与那原恵さんの『首里城への坂道―鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像』。この鎌倉芳太郎の岩波書店から出ている高額本『沖縄文化の遺宝』が見てみたかったのだ。この本、私が住む市の図書館にはない。

 

検索すると、さすが沖縄県立図書館、6冊もあるではないか。リクエストし書庫にあるものを持ってきてもらう。スタッフの女性が重そうに両手で抱えて現れる。で、でかい。

さらに、実に重いっ!何キロあるんだ。5キロの米袋より確実に重いと思う。

 

よっこいしょう、と机に載せる。1982年の初版本だった。扉の裏に社名が入っていて図書館に寄贈されたようだ。まっさらのように美しい。写真集と文献が中心の2分冊で、写真集だけを見る。

 

鎌倉芳太郎によって大正末期に撮られた写真は、どれも驚くほど鮮明で90年前に撮られたとはとても思えない。森山大道さんの写真の方が、よっぽど粒子が粗い。この頃の首里は、こんなにわらぶきの農家があったんだなあ。

中に首里城の写真があり、これが現在の首里城を復元する時、第1級の資料になった。この写真では、正殿前に2本建つ大龍柱(竜そのものが石柱になっている)は正面を向いているが、現在の大龍柱は向き合って建っている。なぜ?

 

県立図書館を出ると、前の与儀公園にカンヒザクラが咲いている。中にテントが建ち、人が集まっている。三線を弾いている人の横で歌っている人。明日がこの公園の桜まつりなので、プレイベントかな?そばに行くと、カレーのいい匂い。他にも食べ物が作られているようだ。屋台かな?並んでいる人たち。でも、なんか違うかも。

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テントには教会の名前が書かれていて、中にいる人たちは、みんな英語だ。テーブルの上には、たくさん物が入った大きな手提げのビニール袋がいくつも並んでいる。何本か立っているのぼりを見て、このイベントがホームレス支援のボランティア活動だとわかる。今まで沖縄で振る舞いのおもちや豆腐をもらったことがあるので、うっかり並んでしまうところだった。私がもらっては申し訳ない。

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農連市場の横を通る。周辺一帯の開発計画があり、ここが取り壊されてビルになると聞いたが、ピカピカのビルになってしまうなんて嫌だなあ。

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いつもの「あじまあ」でたっぷりと昼ごはん。牧志駅に向かう国際通りで、何十人かの異形の集団に会う。何人かが楽器を演奏し、派手なメイクもしている。暗黒系のお芝居の人?レインボーパレード?プラカードなど主張するものがなにもないので、何もわからないまますれ違う。意味あるのか?

 

県立美術館の「森山大道 終わらない旅 北/南」のギャラリー・トークに参加する。参加者の中に、沖縄の写真家嘉納辰彦さん、評論家の仲里効さんのお顔も見える。一時、大道さんの押しかけ弟子だったという沖縄映像センター代表の玉城惇博氏と学芸員さんとのお話を、会場を移動しながら聞く。大道さんは写真を裏に焼いても気にされないとか。びっくり。いろんなお話を聞いたのに、思い出せない…。

 

一人でもう一度展示を見る。一貫して路上のスナップ・ショットを撮って来た大道さん。有名な作品にインパクト大なすごい目つきの犬の写真があるが、こんな猫見たことないという、目つきの悪い猫の作品があってたじろぐ。違う世界の猫みたい。岩合さんの写真には絶対登場しない猫だ。

 

県立博物館から、おいしいと聞いた「ル・パティシエ・ジョーギ」に歩いて行ってみる。結構あるなあ。モノレール駅から歩いて行くことは全く想定されていないのだろう。車で行くのに便利で、駐車場がちゃんとあればいいのだ。「新都心ロール」と焼き菓子を購入。

 

ホテルに戻ってチェックイン。窓のカーテン代わりの木の扉を開けると、ガラス窓のすぐ向こうは、隣のビルの屋上。ずらずらとこちらを向いて10台もの室外機が並んで、その奥に事務所らしき建物。むむむ。室外機ビューとは。いつ人が現れるか知れず、木の扉は開けられない。うー、部屋が暗い…。

 

今日のホテルは「フレンチ・バル koba’s」から歩いて5分。晩ごはんを食べに行く。30分ほど遅れて、三枝子ちゃんバイクで登場。会えた。うれしい。

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忙しいシェフを見かねて、三枝子ちゃんが自分のノンアルコールビールを冷蔵庫から出したり、シェフに言われて他のお客さんにボトルワインをクーラーから出してサービスしているのを見て、隣にいたカップルのお客さんが「ワイン、自分で取ってきていいですか?」。シェフ「だめです。彼女は元スタッフなんです」

 

そこから、一緒に話し出す。以前の宜野湾のお店に何度か行かれたことがあるそうで、先日たまたま道を歩いていて店を見つけ、今日はサプライズで奥様を連れてこられたとか。「那覇に出来てよかった。ではまた」と帰られる。「こんなこともあるんだなあ。でも、あんなにきれいな奥さんを覚えてないとは」とシェフ。

 

明日の晩も食べに来るね。では、明日。

 

◎島野菜ランチバイキング あじまあ

 那覇市松尾2−8−34 TEL098-862-5422 11301500 17302000無休

◎ル・パティシエ・ジョーギ

 那覇市安謝2−3−10 TEL098-868-7393 10002030 第4水休

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