「くぼた沖縄日記'99 ずっしり」
★10/10 3日目 ドライブ・ドライブ
1日2便の本島行きのフェリーに乗るため、民宿のおじさんに、レンタサイクルごと港まで送ってもらう。1時間の航海。ここから名護行きのバスに乗り換え。これに乗り遅れると3時間の待ちになる。「バスはすぐ行っちゃうよー、気をつけんとー。最初に船降りなさい」と何人にも言われ、ちょっとあせる。
あせあせ、と小走りでバス停まで行く。そこへ、「名護まで行くんですか?」と女性が声をかけてくださる。「私も名護まで用事で行くんで、よかったら車に乗りませんか」なんと!それは、それは。ご厚意は全てありがたく受ける事にしているので、金城さんの車に乗せていただく。ラッキーじゃ!
車が動き出すと、金城さん「せっかくだから、北の方行ってみましょう」と、行き先と逆方向の本島北部1周のドライブが始まる。沖縄の旅は何が起こるか分からない。やめられん。
道路沿い、バナナの木がいっぱい、と思っていたら、バナナではなく、芭蕉布になる糸芭蕉の木だった。芭蕉布で有名な喜如嘉(きじょか)。残念なことに芭蕉布会館は休館日。安室奈美恵のお母さんがやっていたスナック、JALのリゾートホテルを横目に見て、どんどん北上。
本島最北端、辺戸岬。海の向こうに与論島が見える。本島北部はヤンバルクイナが住むだけあって、深い森。車に乗せていただいたからには、おしゃべりして運転者の退屈をまぎらわすのがつとめ。硬軟取り混ぜおしゃべり。金城さんは私と同い年。そう分かるとさらにしゃべりまくる女二人。金城さん、用事の方はいいのかなあ。こんなにつきあってくれて。
二人で評判の沖縄そばを食べる。器の上限をはるかに越え、もやし炸裂。めんはどこや!私ならせめてもう一回り大きい器を使うだろう。おいしい。名護のバスターミナルまで、4時間近くのドライブでした。
名護からバスで、途中いくつもの米軍キャンプを通り過ぎ、コザ(沖縄市)の胡屋に着く。ホテルに荷物をおいて、おみやげを持って、すぐ前の「照屋三味線店」へ。
ここはりんけんバンドの照屋林賢さんの実家。沖縄で一番有名な芸人、照屋林助さんのお家。私が会いたいのは、おかあさん。こんにちは、大阪のくぼたです。1年半ぶり、法事の話からダイエットまで、しゃべりまくる女二人。その間も、お客さんはたびたび見えて、やっぱり沖縄の三線は生活の中にあると実感。お菓子やらご禁制の紅いもなどいただく。
夕ご飯を食べに行き、和歌山から来た母娘さんと相席。エイサーフリークのお二人。話が弾む。あしたの那覇の宿が一緒と判明。会えたらいいですねと別れる。
夜8時を越えても、歩いているだけで汗が流れる。ホテルに戻りシャワーを浴びて、クーラーの利いた部屋でくつろぐと、もうGパンがはけない。まるでブラッドベリの短篇「長雨」。暑く湿った空気の中に再び出る気が失せて、民謡クラブを断念する。