「くぼた沖縄日記'99 八重山愛の頭突き編」

★11月17日 第2日目 何かが夜にやってくる

今日は波照間行きの船が出るか。出なければ、黒島でも行くかー、と考えながら桟橋に行く。おお、今日は大丈夫だ。
船が出るまで、同じ波照間行きの船に乗る女性と話す。

彼女は与那国島でマラソンして、石垣に帰って来るはずが、強風のため飛行機が飛ばず(150人乗りジェット)でもどうしても波照間に行きたくて、なんと波照間滞在3時間で帰るという。往復2時間かかるのに。

波照間行きは揺れる!といわれ、ちょっと覚悟する。ずーっと、大きな西表島の島影が見える。その手前は小浜島。揺れるというほどのこともなく、楽勝で着く。ははは。

波照間島は日本有人最南端の島。そして、星がよく見えるのがウリ。12月から6月は南十字星が見える。民宿「たましろ」に着く。前日の欠航が影響して、延泊者が出、私の部屋がない!もうひとり最終便で来る女性と私はなんと、近所の一人暮らしのおばあさんの家で泊まるはめに。いいけど。

民宿に泊まると、自転車がタダで使える。地図を見ながら走る。ピカピカに晴れて、心がしめつけられるほどニシ浜の海がきれい。青い空をバックに、背の高いサトウキビの銀の穂が揺れる。牛に呼び止められる。「うちのこと呼んだ?」親子の黒牛が柵のすぐそこまで寄ってくる。とても触りたい。触れば良かったな。
 
宿でお昼のおべんとをもらう。この宿は食事の量が多いので有名。おべんとも思いっきり量が多い。この私が半分も食べられない。小さなノラネコが、足元でうろうろ。どんどんおかずをあげる。魚の天ぷらがちょっと怪しい臭い。ころもを取ってネコにやるが、そっぽを向かれる。……。

自転車で再びうろつく。子連れの山羊。写真を撮ろうとすると、 1匹の子山羊が寄ってきて、足にぐいぐい頭突きを入れてくる。 山羊とつき合いがないので、喜んでいるのか怒っているのか判らない。小さな角を握ると暖かい。こぶしでおでこをぐりぐり押し返したりしてしばらく遊ぶ。

夕食、そばがどんぶりから、うずたかく盛り上がっている。小ぶりのどんぶりにてんこ盛りのご飯、その他。なんというか、デリカシーのない食事。食べても食べても減らないそば!底からわいてきてるんじゃないのか!?しかも、汁を吸って見た目が最初より増えてる。何泊かしている男性も全然食べられない。いいのか、おやじ。こんなことして。ものすごく残し、罪悪感にかられる。素泊まりの男性やキャンパーの男性が現れ、残り物を食べている。


同室の名古屋から来た女性は、おそばをみんな食べたものの、その後、おばあさんの家に着くなり食べ過ぎでダウン。 おばあさんより、「今晩はヒヌカン(火の神さま)の見回りが来るので、11時過ぎたら電気を消して」と言われる。何でも、杖をならしながら家々を回って来るという。なんなんだ?


11時過ぎ、犬が一斉に吠える。太い棒で地面をゴンゴン叩きながら、人が近づく気配。来た来た。見たい!でも怖い。ひょっとして秘祭かも知れず、見たらとんでもないことが…。3人ほどが続いて訪れる。

今日はしし座流星群が流れる日。私もそのためにここへ来た。民宿でも、何人かは流星ねらい。夜中1時。雲だらけ。3時。雲の切れ間にほんの数個星が見える。残念。星が流れたら、沖縄の平和を願おうと思っていたのに(うそ)。

 

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