デジタル通信はFT8 (FT4)が主流になっています。
(ソフトウエアを使うRTTYも同じジャンルに取り込まれましたが…)
FT8で通信を行うにはWSJT-XやJTDXなどのソフトウエア(以下ソフトと略記する場合があります)が良く使われています。
K1JT(JosephTaylor)OMによるWSJT-Xを元に作られたものがJTDXです。
どちらが優れているかの比較記事も良く見かけますが各々バージョンアップが行われており、
違いは我々の様な?フツーのHAMにとってはあまり関係ないような気がします。
と云うことで私はWSJT-Xを使っています。
デコード率に多少違いがあるようなのでそのうちにJTDXもトライしてみます…。
<Fig 1>が私が使っているFT8運用時のソフトの体系です。
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<Fig 1-1> FT8のメイン画面 WSJT-Xの参考画面です。
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概略は次の通りです。
JTAlert、WSJT-X、JT-Linker、HAMLOG それに加えてVSPE。
VSPEはFT8運用を全体的に支える?ソフトウエアです。
各ソフトの働きと連携は
・JTAlertからWSJT-X、HAMLOG JT-Linker を起動しています。
・WSJT-XはFT8実行用ソフトです。
・JT-LinkerはWSJT-XのLogファイルから交信記録をもらい、 LoTW CLUBLOG e-QSLに UPload、 HAMLOGにも送ります。
・HAMLOGは多くのHAMが愛用している?ロギングソフトです。
最近は他のロギングソフトを奨められており検討しつつあります。
・VSPEはソフトウエア間のcom portの競合を防ぐソフトウエアです。
FT991もPythonで書かれたコントロールソフトで動かしています。 このソフトもVSPEで競合を回避しています。
(ソフトの詳細な役割等は後述します)
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<JTAlertの説明>
JTAlert自体には多くの機能があります。
「Alert」は日本語に翻訳される時「警告」とされ、JTAertについての紹介のときも殆ど「警告」になっています。
何の警告なのか…
スペックを見るとWanted DXCC とかWanted CQ Zone になっており、
これは単に対象のDXCC、Zone の表示を目立つようにしてくれる、いわば「気配り」「お知らせ」であるわけです。
「警告」に代わる良い日本語は無いものでしょうか…
その他にも多くの機能がありますが私の場合は殆どDefaultで使用しています。
そのうちに充分に活用したいと思って使っていますが…
ソフトの起動だけであればBatchファイルを作成する方法もありますHI。
と云うことで…
ダウンロードはこちらからできます。ダウンロードしてインストールしてください。
JTAlertのダウンロード
私が主として使用している機能は「プリケーションのオート・スタートとオート・クローズ」です。
下図(<Fig 2>)がJTAlertのAuto Startの設定内容です。
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<Fig 2> JTAlert auto start設定
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設定の仕方の概略は次の通りです。
(インストール後起動、JTAlertの初期画面上段のメニューから)
settingをクリック
⇒Manage settingsをクリック ⇒Applicationsをクリック ⇒Auto Startをクリックして上図<Fig 2>の画面を表示
StartとStopにチェックを入れてプログラムのある場所のPathを記入すればよいだけです。
Selectでpathを追いかけ、記入することもできます。
ここではWSJT-X、 HAMLOG、 JT-Linker、 を1500ms間隔で起動しています。
起動時にパラメータを入れることもできます。
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#1のWSJT-xの起動でパラメータを入れていますがDefault(パラメータ無し)にするとWSJT-Xは日本語版が立ち上がります。
しかし私はパラメータに「lage=en」(明瞭に見えませんが…)と入れて英文表示のWSJT-Xを立ち上げています。
理由は最初の頃日本語表記が分かりずらかったためです。(もう改善されているかも知れませんが…)
#2はHAMLOGです。
最近はHAMLOGから直接WSJT-Xのロギングファイルを読みに行く機能がありますから
それを使う方法もあります。
HAMLOG オプション⇒JT-Get’s
#3はJT-Linkerです。
WSJT-Xの交信記録ファイルからLoTW、CLUBLOG、e-QSLおよびHAMLOGへロギングデータを転送します。
(JT-Linkerの項を参照)
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<WSJT-Xの説明>---この項でのcom8は後述のVSPEにより仮想ポートcom18として運用しています。
(説明の都合上vspeが稼働しないときのオリジナルポートcom8で記述します)
これについては多くの説明用Webがあるので簡単に記述します。Rigtとのインターフェース部分についてのみの説明です。
後述しますがCOM8はHAMLOGでも使用します。使用しているRigはYAESUのFTDX-101MPです。
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<Fig 3>FT8ではCOM8に接続します |
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<Fig 4>WSJT-X設定のradio部分です(COM8を使っています)
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<HAMLOGの説明>---この項でのcom8は後述のVSPEにより仮想ポートcom18として運用しています。
(説明の都合上vspeが稼働しないときのオリジナルポートcom8で記述します)
日本で最も多く使用されている?HAMLOGです。
RigからCOM Portを介して周波数、Modeなどの情報のやり取りが可能になっています。
ユーザーの声を取り上げて機能追加の連続であったように見受けられます。 <Fig 5>(下図)がHAMLOGの環境設定です.
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<Fig 5>COM8がFTDX-101MPです。
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<Fig 6>2つ以上の接続が発生した場合のエラー
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使用Rig YAESUのFTDX-101MPは 「KENWOOD-1 or ICOM」のところに設定しており、
COM8で接続しています。 (FTDX-101MPはありません HI)
また、 Windowsは1つのportに2つ以上assignすることはできません。
従ってそのまま実行するとCOM8はWSJT-Xでも使われている為、後から接続する方(この場合はHAMLOG)は接続できません。
この様なportの競合は上図の右の様なエラーメッセージと共に接続は蹴られてしまいます。
FT-8の運用の場合は後述のJT-LinkerがLOGデータをHAMLOGに渡し、port経由で渡しているわけではありません。
従ってWSJT-X HAMLOG共にport8をassignしていてもHAMLOG側のエラーを無視してロギングは可能です。
しかし右の図のエラーは気分が良くありませんね…。
エラーを出さない為の回避策としては2つの方法があります。
対策1)HAMLOGの「KENWOOD-1 or ICOM」の「リグと接続」(Fig 5)のチェックを外せばOKです。
しかしこの場合はFT8以外でこのRigを使う場合にRigへの情報の受け渡しはできません。
HAMLOGがRig側の周波数、MODE等の情報の情報を得ることができるのはHAMLOGのメリットでもあります。
FT8以外の運用は別のHAMLOGを用意してRiGへの情報の受け渡しをできるようにするとか…を考えなければなりません。
FT8以外の運用でも周波数、MODEなどの情報が自動でロギングされる方が楽ですよね。それがHAMLOGの良いところですから…。
あるいは毎回、環境設定を変えるとか…面倒ですね。
対策2)PCのportを何らかの方法で共有することです。
物理的に共有する装置も出ていますが安上がりに行うにはソフトウエアを利用する方法が良いと思います。(後述するVSPEです)
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<JT-Linkerの説明>
JT-Linkerha
WSJT-Xから交信内容を読み込み、相手のソフト(HAMLOG)やLoTWなどのUPloadソフトに転送してくれる便利なソフトです。
JT-LinkerについてはFT8を始めた頃から使っていますが数年前に一部変更した時の内容を
このWebに掲載
していますのでご覧ください。
WSJT-XからのlogデータをHAMLOGおよびLoTW CLUBLOG e-QSLに転送しています。
LoTWは殆どがOKになりますがCLUBLOG e-QSLはエラーになる場合が多い様です。
相手局が登録していないわけです。
e-QSLは殆どエラーです…
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< VSPEの説明(Virtual Serial Ports Emulator)>
(VSPEはソフトウエア間のcom portの競合を防ぐソフトウエアです)
前項でも述べましたがWindowsのportは一つのソフトウエアとしか接続できません。
WSJT-Xが接続しているときに後ヵら接続に来たHAMLOGはエラーとなります。
逆でもエアーメッセージは異なりますが同様のことが起こります。
前述の回避策の「その2」です。ソフトでPortを共有しようとするものです。
VSPEはここからダウンロードできます。
VSPEのダウンロード
64bit版と32bit版とがあり、64bit版は有償です。
Webには ”For 32 bit (x86) Windows operating systems. Does not require license (free).”
とありますので私は32bit版を使っています。
しかし32bit版は起動するたびに64bit版にしろとメッセージが出ます。HI
何せ無料ですから…我慢しなくては…
For 32 bit (x86) Windowsと明記していますので
そのうち動かなくなるかも知れませんがその時は64bit版を使うかも知れません。
ダウンロードして解凍、インストールしてください。
これは私のVSPEを起動したときの図です。
Real port番号はWindowsが決めていますがVirtual port番号は自由です。
私はReal port番号に10を加えた番号をVirtual port番号にしています。混乱しない様に…HI
当然のことながらWSJT-X, HAMLOG port番号はVirtual port番号に設定します。
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(Real port) com8 を ⇒ (Virtual port) Com18 に設定
(Real port) com5 を ⇒ (Virtual port) Com15 に設定
(Real port) com9 を ⇒ (Virtual port) Com19 に設定
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<Fig 7>VSPE画面に表示されるReal/ Virtual portの関係
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<Fig 8>Virtual portを使用することになります
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<設定>
インストール直後の画面は上記画面(Fig 7)のReal =>Virtuaalの変換表示が何もない状態です。
設定は上記画面(Fig 7)上部の Device ⇒ Create
で下図左の画面(Fig 9)が出ますので
Pull down menu から Splitter
を選びます。(最初はの画面はSplitterになっていません)
アイコンからも同様の操作が可能です。
上記操作で下記の左画面(Fig 7)になります。(最初はの画面はSplitterになっていません)
(VSPEの機能としてはPull down menuにより、他の機能も選べます。いろいろ試してみてください)
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<Fig 9>COM1を複数で共有できる…
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<Fig 10>COM10をCOM20で置き換える
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実際にVirtual portを追加する場合は次のような手順です。
Real port com10を Virtual port com20 として追加してみます。
@上図左画面<Fig 9>の「次へ」をクリック 右の画面<Fig 10>になります。
(これより上図右画面)
A上図右画面<Fig 10>のpull-down menuのVirtual serial portの「COM20」を選ぶ
B同様に上図右画面<Fig 10>のpull-down menuのData source serial portの「COM10」を選ぶ
CあとはDefault(そのまま)で 「OK」を押す。下図左画面<Fig 11>の様にCOM20が追加される。
D この後下図左画面<Fig 11>でEmulation ⇒ stop (またはクロの■)で一旦 Emulationをstopします。
E Emulationをstopした後、新規追加分を選んで Device ⇒ Properties… を選び速度、speed等を設定します。
com20はICOM機器なので下図右画面<Fig 12>の様な設定にします。
その後OKを押すと完了です。
F設定が完了したら File⇒save as でファイルを保存する必要があります。 .vspeファイルができます。
Short cutを作ることもできます。
<VSPE を設定後>
VSPEを稼働後はcom番号がVirtual port 番号になりますから関連するWSJT-X とHAMLOGの設定は変更する必要があります。
VSPEはPC上に常駐することになります。com portを使用するソフトは全てVirtual Serial portを使用します。
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<Fig 11>COM20を追加…
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<Fig 12>com portの詳細を設定
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余禄・・・ HAMLife…
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アマチュア無線も昔はマイクと電鍵さえあれば充分にHAM Lifeを満喫できたのですが…
最近はマイク、電鍵の代わりにPC(Personal computer)が必需品になってきました。
デジタル通信の分野はもはやアマチュア無線とは程遠い?世界と云えそうです。
PCの中のソフトウエアに振り回されながらついにはPCオタクの様になってしまいそうです。。。HI
非デジタル音声通信とCWをとり戻さなければ…
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