列車のチケットは拍子抜けするほど簡単に手に入った。

   さっきまで、あんなに苦労したのに・・・


   「一緒に行きませんか」

   女性2人が声を掛けてきてくれた。

   先ほど列の最後尾が、どこなのか教えてくれた2人だ。


   インドを一ヶ月旅してる、有森祐子似の韓国人、リーさん。

   後に大学の後輩であることが判明した、小柄な、小山田さん。


   このチケット売場で出会ったふたりも、明日の列車でバラナシに行く。

   今日の便は、もう、空きがないそうだ。


   盗難が多かったり、何かとぶっそうな列車の移動。

   彼女達も男性が一緒の方が心強いのだろう。

   こちらとしても、ありがたい。


   リーさんが流暢な英語でテキパキと対応してくれて

   すぐにチケットが発券された。


   明日の13:30、デリー発。二等寝台。

   翌日29日の早朝にはバラナシに着く。

   ひとり6ドルでお釣りがきた。


   とりあえずデリーに、もう一泊だ。


   明日の12:30にリーさんが泊まっている

   ゲストハウスに集合することにして別れた。