エアーコンディショナーの利いた部屋のベッドに倒れ込む。

朦朧とした状態で歩いてきた街の風景がよみがえる。

道端に寝そべり、ピクリとも動かない犬を多く見た。

痩せ細り、エサを得る体力もなく、死を待つだけの犬。

あの犬と自分のいったいどこが違うのだろうか。

自分は、エアーコンディショナーの部屋を借りる事が出来た。

食料も買えるし、医者にも看てもらえる。

たまたま、お金を持っていたからだ。

ただ、それだけだ。

死んでゆく犬に自分の姿が重なった。

とにかく今は寝よう。