午後の病室。


痙攣を起こすたび、父が体を、そっとさする。

優しく、いたわるように何度も何度も。


母が髪の毛を奇麗に撫でつける。

愛しいものを慈しむように何度も何度も。



美しく、切なく、やるせない。




もし、自分が「やさしさ」というものを持っているとしたら


確かに、この人達から、いただいた物なんだと思った。