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*** 山歩会 槍ヶ岳山行の「しおり」 より ***

縦走登山(夏期・山小屋利用)の注意点について
初めて日本アルプスへ登られる方へ

* 健康管理: 長期の山旅とはいっても、日帰り登山が連続していると思えばいいのですが、実際には、日帰り登山とは若干異なる注意点があります。
 長期間ですので体調の管理には充分注意してください。もし登山中に少しでも身体の具合が変でしたら、すぐに申しつけてください。決して我慢をすることのないようにお願いします。
 トイレを我慢しすぎるのも体調不調の原因になることがあります。“お花つみ”はいつでもどこでもOKです。それが山の良さです。ただし一人無断で“お花つみ”や“キジ撃ち”へ行くことは絶対に避けてください。トイレへ行ったまま行方不明になってしまったケ-スが散見されています。必ず一声掛けて下さい。

高山病予防について:
・ 睡眠を充分にとること。
・ 高所順応に留意して、ゆっくりゆっくりと歩く。
・ 深呼吸を意識的にすること。しかし、やりすぎると逆効果。
・ 水分をこまめに飲むこと。アルコールはひかえめに。
・ 山小屋へ着いてから夕飯までの間はなるべく寝ないようにして、みんなと歓談などをして過ごす。一人でじっとしていると酸素不足になりがちになります。小屋付近を散歩したり、みんなと楽しく歓談していると、知らずに酸素を多めに吸収することができます。


* 歩き方: 歩いているとき、前の人を見失わないように注意してください。上高地などの広い遊歩道や林道を歩く時以外は、常に一列になって間を置かず歩きます。何時の間にか一人いなくなっていた、なんて事故もけっこう起きています。前が開きだしたら先頭に大声で怒鳴ってお知らせ下さい。
 岩稜帯を登りますが、クサリ(ロープ)場などで岩登りの基本技術(三点確保=三点支持)が必要な箇所もあります。「三点確保」とは、常に両手両足のうちの三点を確保しながら(動かすのは常に一点のみ)進むという方法です。安全登山のためには必ず理解しておかなくてはならない登山の基本技術です。すでにご存じだと思いますが、十分に復習をしておいてください。
 老婆心ながら、登山道などの「道」から外れて歩くことは、緊急の危険回避などの特別な場合を除いては、絶対にしないでください。もちろん、「植生保護」や「安全」のためです。

* 個人装備について: ザックの中身及びウエア−については、なるべく軽くすることがポイントですが、水筒や雨具など絶対に省けないものもありますのでご注意下さい。

必携品: 水分(1リットル以上)、雨具(カッパ)、ザックカバー、行動食(弁当)、予備食(ビスケットetc)、非常食(カロリーメイトetc)、タオル(手拭)、地図、懐中電燈
その他小物類等: ハンカチ、ティッシュ(水に溶けるタイプのもの)、登山地図、コンパス、携帯電話、保険証、カメラ、メモ帳、筆記用具、サイフ、ストック、傘、時計、老眼鏡、など


* 共同装備について: 医療品などの共同装備については当方で用意いたしますが、持病等の専門薬などについては各自お忘れにならないようにお願いします。

共同装備(参考): 薬類(消毒用エチルアルコール、オロナイン軟膏、マキロン、風邪薬、正露丸、芍薬甘草湯、包帯、ガーゼ類、バンドエイド、虫刺され薬、サロメチール等)、ポイズンリムーバー、ツエルト(緊急夜営用の簡易テント)、レスキューシート2枚、スリングとカラビナ(簡易ハーネスも作れます)、ロープ(15m)、呼子(緊急用の笛です)、ハサミ、小型ナイフ、コンロ、コッフェル(ナベです)、マッチ、ロウソク、テーピングテープ、針と糸、細ひも、など

衣類について(夏の北ア縦走・山小屋利用): 山での衣類については“重ね着”が原則です。あれを着たらこれを脱ぐといった着替え的なものは非効率です。又、乾きの遅い綿製品は山では不適当です。気候条件などによっては真夏でも低体温症になる危険性があることに留意してください。
 靴について、運動靴は不可です。軽登山靴(又はそれに準ずるもの)以上のしっかりしたものをお履きになってください。
 少しでもザックを軽くする工夫をしてください。ちなみに私(Tamu)の衣類について(着ていくものとザックに入っているもの全部を含みます)、恥ずかしながら書き並べてみます。なお、素材は化学繊維かウールです。参考にしてみてください。

上半身・・・半袖Tシャツ2着(1着は予備です)、長袖シャツ、セーター(又はフリース)、カッパの上着(ウインドブレーカーを兼ねます)、帽子、手袋(予備も充分に・濡れると辛いです)
下半身・・・パンツ2着(下着です。1着は予備)、ももひき(今どきは“タイツ”かな)、ズボン(最近はこれもパンツというからややこしい…)、カッパのズボン、厚手の靴下2足(1足は予備です)


槍ヶ岳登山(西鎌尾根〜槍ヶ岳〜槍沢)
気持ちのよい稜線です
西鎌尾根を登る
"三点確保"が必要な箇所もあります
岩場のトラバース
クレバスには要注意です
槍沢の雪渓を下る

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