タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第231話「よろしこ、ぶっちゃけ、メイビー ┐(´〜`)┌ 」



何だかんだ言っても
またメイビーとか流行るんだろうなあ。
「はねトび」でもいきなりパロってたし。

「HERO」のよろしこ、
「GOOD LUCK!!」のぶっちゃけと続いたから
野島伸司も意識したんだな、メイビー。

…こういう使い方でいいの?(笑)



『白い巨塔』  第十一話

演出:西谷弘
脚本:井上由美子

後半に向けて勢いをつける2時間スペシャル。
演出が全体的に良くて見ごたえがあった。

わずかなシーンでも
それぞれのキャラクターが立っていたのが印象的。
佐々木庸平(田山涼成)に関する対応も
今後の証拠になるシーンを効果的に入れていた。

それにしても
アウシュビッツの映像と佐々木庸平の急変を絡めながら
アメイジング・グレイスを流すのは反則だよなあ。

アメイジング・グレイスは奴隷売買までした人間が
それでも慈悲を与えてくれる神に感謝する歌だけど、
財前(唐沢寿明)の今後を思うと…。

どちらに進んでも地獄だった線路を
財前が歩いていくシーンは象徴的だった。

             採点  8.0(10点満点平均6)



『ちょっと待って、神様』  第1週 オバサンは女子高生

制作統括:銭谷雅義
演出:西谷真一
脚本:浅野妙子
原作:大島弓子「秋日子かく語りき」
音楽:小六禮次郎
主題歌:「元気を出して」島谷ひとみ
制作:NHK名古屋
出演:泉ピン子、宮崎あおい、京本政樹、津嘉山正種、塚本高史、勝地涼、
   安達祐実、裕木奈江、碇由貴子、佳梯かこ、井沢勉、他

大島弓子の「秋日子かく語りき」をドラマ化。
かなり脚色はされそうだけど、
秋日子が宮崎あおいというのがイイ!
この第1週も魂がオバサンの時の変化がよく出ていた。

もちろん、竜子(泉ピン子)が女子高生となって
家族に会いに行くシーンは泣ける。
第2週以降が楽しみだ。

             採点  7.5(10点満点平均6)



『プライド』  period 1

企画・プロデュース:大多亮
プロデュース:杉尾敦弘、牧野正
協力プロデュース:東海林秀文
演出:中江功
脚本:野島伸司
音楽:吉俣良
主題歌:「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」クイーン
制作:フジテレビ
出演:木村拓哉、竹内結子、坂口憲二、市川染五郎、佐藤浩市、
   石田ゆり子、時任三郎、中越典子、佐藤隆太、MEGUMI、
   滝沢沙織、鈴木一平、クロード岡本、他

注目の視聴率は28%(関東)。
普通なら十分に高い数字だけど、
木村拓哉主演ドラマの流れからすると…。

仕方ないよなあ。
木村拓哉ファン以外には相当寒いシーンが多かったし。

ストーリーとしては前振りとなるエピソードが
いくつか撒かれてはあった。
でも現段階ではそれも想像される範囲で
ワクワクするような吸引力がなかったと思う。

“古き良き時代の〜”というフレーズを
直接言ってしまうあたりが個人的には一番引いた。

それを言わずに亜樹(竹内結子)が
他の女性とは違うことを表現して、
一見チャラチャラしてるハル(木村拓哉)が
そこに惹かれるというのなら許せるけど…。

ていうか、根本的に野島伸司と木村拓哉の相性は最悪かも。
いや、キザな男にキザなセリフを言わせる危険性は
十分に想像できたけど、
そこに何か新しい可能性はあったと思うんだけどな。

中江功の演出も疑問点が多かった。
亜樹、百合(中越典子)、知佳(MEGUMI)が
ファーストフード店で話すシーンは明らかにやり過ぎだったし。

橋の上のシーンのMEGUMIが予想外に自然だったのは収穫。
佐藤隆太と共に今後もうまくバランスを取って欲しい。

それにしても一般的なドラマとしては前途多難だな。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『乱歩R』  第1話「人間椅子」

企画:武野一起、岡本昭彦
企画協力:尾中美紀子(オフィス100%)、長川千佳子
プロダクションプロデューサー:西前俊典
チーフプロデューサー:武野一起、田中寿一
プロデューサー:前西和成、伊藤公樹(吉本興業)
監督:福本義人
脚本:丸山智子、長川千佳子
原作:江戸川乱歩
音楽:仲西匡、吉川慶
主題歌:「願い」Fayray
制作:ムービージャパン、よみうりテレビ
制作協力:吉本興業
出演:藤井隆、筧利夫、本上まなみ、岸部一徳、大滝秀治、石丸謙二郎、他

原作はあくまでもモチーフということで…。
ドラマとしては全体のバランスが取れていて
そんなに悪くなかったと思う。

3代目明智小五郎(藤井隆)に魅力がない、
と言ったらそれまでだけど、
たぶんストーリーそのものをメインにしているせいだと思う。
今後は明智が本当に活躍する回も出てくるかもしれないし…。

小林老人の大滝秀治だけでなく、
岸部一徳、本上まなみも程良い絡み方で、
明智探偵事務所の雰囲気が
メインの話をジャマしていない点も良かった。

ただ、この第1話に関しては
佐藤(武田鉄矢)の一番弟子、
河野(田口浩正)の描き方がちょっと中途半端だったかな。
ていうか、あれだけなら田口浩正を使わない方がよかったのに…。

あと、現代風にアレンジしても
エロティックな雰囲気はもう少し残して欲しいなあ。
土9じゃなくて月10なんだし。

ゲストによって仕上がりにムラが出るかもしれないけど、
まあ、企画としては悪くない。
菅野美穂がゲストの第2話「吸血鬼」も期待してみよう。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  2

演出:武内英樹
脚本:吉田智子

この分かりやすさ、単純さは
もうしょうがないんだろうなあ。
それが狙いなんだろうし。

それでも人物はもう少し丁寧に描いて欲しい。
表面的なセリフや行動が多くて
せっかくの脇役が活きてこない。

こういう作品の方が
脚本のテクニックを求められるからな。
頑張れ、吉田智子。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『僕と彼女と彼女の生きる道』  第2話

演出:平野眞
脚本:橋部敦子

第1話でもゆら(小雪)が年収4000万円を捨てた、
というセリフがあったけど、
今回、徹朗(草なぎ剛)と同じ、
いやそれ以上にエリートだったことがハッキリ語られた。

もしかしたら子供を産んだことも、
捨てたこともあるかもしれない。
少なくともこれでこのドラマにおける
ゆらの存在理由がハッキリした。

一方、母親である可奈子(りょう)からは
凛(美山加恋)を愛していないという言葉も語られた。
これを自覚して夫に告げるシーンは重たかった。

子供を愛していない親なんかいない、という
テレビの前の言葉を封じるように、
宮林(東幹久)に言わせた“みんな自分が普通かよ”
というセリフは良かったな。

凛のことを思うとツライ描写が多いけど、
ラストで徹朗の最初の一歩が…。

どうやって愛すればいいか、
メンツを捨ててゆらに聞いたシーンも良かったし、
“ハーモニカを買ってください”という
ゆらのアドバイスも良かった。

             採点  8.0(10点満点平均6)



『3時のおやつ』

プロデュース・演出:田村直己
協力プロデュース:里内英司
脚本:清水優
制作協力:5年D組
制作:テレビ朝日
出演:要潤、有森也実、太田琴音、石井正則、石橋蓮司、
   大河内浩、螢原徹、松田悟志、唐橋充、他

第3回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞受賞作で、
売れない若手芸人と難病を抱える少女の交流を描いたドラマ。
ストーリー自体はそんなに悪くなかったけど、
印象的なセリフはほとんどなかった。

あと、この手のドラマの決定的な弱点は、
天才芸人の芸も映像化しなくてはいけないこと。
これが普通のジャグリングやシガーボックス、
宴会芸並みのマジックでは説得力が出ない。

別に一流芸人を使わなくても
何か方法はあったろうに…。

新人脚本家の作品だけど、
むしろ演出に足を引っ張られた感じかな。
うまく作ればもっと感動したのに、と思うと
ちょっと残念な作品だった。

             採点  6.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆




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