オーガガでは「哀愁のバーチャファイター4は覇王パイの夢を見るか?」を連載中の
大岡まさひさんと、幻の企画「
愛の400メートル自己批判 〜新オナンの末裔〜」を
連載していた高井ジロルさんの二人によるユニット「現代生活様式学会」の本
『生活様式学入門』(扶桑社/1143円)が文庫化されました。
この本の文庫化(扶桑社/650円に!)を記念して独占インタビューをお届けします。

僕(谷田)も雑誌連載時には「事務員」として携わっているのですが
あえて他人のフリをして、基本的なことを質問してみました。
オーガガの影響力は微々たるものではありますが(涙)、
一人でも多くの人にこの本を読んで欲しいのでそこんとこ夜露死苦!
という手前みそ企画です。でも、おもしろい本なのは本当よ。

では以下、メールによる各々のインタビュー。
主宰は大岡まさひさん 副宰は高井ジロルさんです。


●「生活様式学入門」とはどんな本なのですか?

主宰 吊り革のつかみ方とかポッキーの食べ方とか
   ラーメンを食べるときのレンゲの処遇とか小便雫の切り方とか……
   という生活のさまざまなシーンにおける
   人それぞれのやり方のスタイルを分類し分析して
   何だかんだごたくを並べるというようなことが書いてある本です。
   表紙は地味ですが、読んでみるとちょっと面白いかもよ?

副宰 日々の生活に「うるおいビーム」を放射しているつもりの本です。

●現代生活様式学会とはどんな学会なのですか?

主宰 単に編集者とライター(今ではかつての編集者も会社をやめて
   フリーのライターになった)の二人のことをインチキぽく
   アカデミックな雰囲気で表現したいがためにこう名づけたところ、後に
   「現代生活様式学会は何人で構成されているのですか?
   
(二人です。タニタ氏も「名誉学会員」の一人ですが)」
   「普段、どのような活動をなさっているのですか?
   
(いや、普通に仕事を……)」
   「学会は定期的に開かれているのですか?
   
(まあ、たまに打ち合わせはしますけど)」
   といった質問を受けるようになってしまい、
   答えに窮してしまったり、苦笑してごまかしたり。

副宰 生活上の様々な「マイスタイル」を収集し、羅列し、分類し、命名し、ときに捏造し、
   根拠を理論づけようとして破綻する、といったことを嬉々として繰り返す学会です。

●文庫されると聞いてどんな気持ちがしました?

主宰 「わーい、印税ってもらえるのかな?」と思った。

副宰 まっさきに思ったのは、これでいくらもらえるかな?ってこと(世知辛い…)。
   その後、貧乏な中学生や高校生が650円をやりくりして買ってくれたら
   すんごく本望だぜおっかさん!という気持ちに。

●この喜びを誰に伝えたいですか?

主宰 まずは、全国の書店の皆様に。
   そして単行本を自腹で20冊以上も買ってくれて、いろんな知り合いに配ってくれて、
   編集の碇さんに続編希望のメールまで出してくれたファンの草原さんに(またお願いします)。

副宰 えーと、ソニン!(サイコ〜)

●ズバリ文庫版のみどころは?

主宰 サイズがよりコンパクトになったところ。

副宰 ところどころビミョ〜にネタが古くなっているところです

●ユニークな提案がたくさんありますが、
 生活様式のアイディアはどのように考えているのですか?

主宰 うーんうーんと悩みながらこれはどうだあれはどうすかと話し合って考える。

副宰 主宰(と事務員)の顔色を卑屈にうかがいながら考えていました。
   最初に「あるある!」というスタイルと「ないない!」というスタイルが
   計8つピックアップできればそれで一仕事完了という感じでした。

●この本の制作において最も楽しかったことは?

主宰 大体のところは楽しかったことばかり。

副宰 いつだったか、学会中に五臓六腑にしみわたるひどいアイディアが
   爆笑のツボに入って何かが脳内で分泌されたことです。

●この本の制作において最も苦しかったことは?

主宰 単行本制作時だけど、書き下ろし部分(「前口上」という部分)が書けなくて、
   たしか1年くらい〆切を伸ばしたところ。しかも、今読み返すと書き下ろし部分って
   むしろなかったほうがよかったんでは? と思ったりもする。

副宰 見直して「うわ、おれ、また同じこと書いていた!」と気づくことがしばしばだったこと。


●この本で最も満足していることは?

主宰 サイズがよりコンパクトになったところ。

副宰 まだ存在の確認されていない後学のために、
   巻末に報告名の五十音インデクスをつけたことです。


●この本で最も残念なことは?

主宰 今となってはネタが古いところ。著者紹介のプロフィールも古い。
   2000年の予定の話が書いてある。

副宰 さりげなく知人の名前を入れておいたのに気づかれなかったことです。
   あと、広末涼子を頻出させすぎたのが、いまみるとちょっと頭悪い感じ…。
   なんだか裕木奈江も多いし…。

●この本で最もお気に入りのイラストは?

主宰 【ちびわびチョップ】。

副宰 迷った挙げ句、【乙女の祈り】(コーヒーカップの持ち方)です。
   これは表紙にも使われています。
   部分的なイラストの方が記号っぽくてかっちょいいと思って。
   女の子ものなら【パイモードぶるるん】(携帯電話の携帯方法)と
   【つぼみ】(自転車二人乗りスタイル)の子がおすすめです。



●最も気にいってる生活様式のテーマは?

主宰 「ヤクルトの開け方」。

副宰 「入浴時の行為」ですかな。
   陰毛についた泡と花王バブを結びつけたところがプライド・オブ・ブルーです。


●最も気にいってる生活様式のネーミングは?

主宰 【パイモードぶるるん】

副宰 【随分なハシャギっぷりだこと、ルパン】です。
   美しいところでは【義姉さんの茂み】(別名「Mr.レディーの憂鬱」)。


●この本をどんな人に読んで欲しいですか?

主宰 もちろん、どんな人にも、まんべんなく。

副宰 人気のない人一般。とりわけ、中村俊輔タイプの中学生男子。

●では最後に御自由にPR活動を行ってください。

主宰 興味のある方は、まず高井氏のサイトで雰囲気を確かめてから、
   面白そうだと思ったら本を探してみるのがおすすめ。
   本屋になかったら、店員さんに注文を申し出てみるのが超おすすめ。

副宰 「発表当初、各マスコミで『現代の奇書』として一斉に取り上げられた
    サブカルチャー本の決定版、ついに文庫化!」
   という文庫版の煽り文にあなたも煽られてみませんか!
   台湾版が2003年には出版されるとの確認済情報もありますよ!


[補足]
この本は読むだけじゃなくて、いろいろな愉しみ方ができる!
という新しい本の読み方も、現代生活様式学会では提案しています。
こちらをご覧ください。

[おまけ:事務員の思い出]
編集者となったからには(過去系ですが)一度は本の「あとがき」で
「編集の◯◯氏に感謝を捧げたい」などと著者に書いてもらうのが夢でしたが、
この本でその夢を実現できたのが一番の思い出です。深い感謝を捧げます。

もうひとつ。「生活様式学入門」の単行本化が決まった時に、
「もしも増刷されたら海外旅行に連れていってやるよ!」
と力強く約束してくれた副宰の言葉も、今となってはいい思い出です。
もちろんいつでも行けるように今でも準備にぬかりはありませんけど。



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