タイトル■定義は最高!
話し手 ■ターザン山本 

元週刊プロレスのカリスマ編集長、
プロレスファン以外には「未知の強豪」、
そして自画自賛大王のターザン山本さんが
世の中の様々な言葉をズバッと定義!
言葉を定義すると、現実はより鮮明に、
より豊かになるのだ!定義は最高!!

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■■ 第1章 愛 ■■

<02>「愛とは、片思い!」

山本  「愛」なんて、あんなさぁ、
    便利で邪魔くさい言葉ねぇよ!(怒)

谷田  楽なんですよね。使いやすいというか。

山本  そうそう!
    楽ということは、思考停止と一緒だもん、
    ボクにとっては。

    だから、拒否、なんだよ。
    使用拒否!…ワッハハハハハハ!!

谷田  使用拒否、ですか(笑)。
    
    「一揆塾」の添削でも「愛は禁止用語」
    だって書いてますもんね。

    (山本さんが注文したシナモントーストが届く)

山本  (モグモグ)書いてますよぉ!

    「感動」とかも禁止用語だよ!

    禁止用語をさぁ、
    自分の中にたくさん持ってる人間が
    自我を確立しているというか、  
    自意識を確立しているというか、
    まあインテリだな、
    とオレは思っているわけよ。

    本当のインテリは
    愛という言葉を使わないよ。
    使うはずがないよぉ!

    ド素人が使うんだよ(笑)

谷田  やっぱ僕はド素人でしたか、アハハハ!

山本  モノを考えてないヤツが使うんだよぉ(笑)!

谷田  もう使っちゃいました(笑)。
    じゃあ、あれですか…

山本  (遮って)それでもさぁ、
    それでも定義しろというなら、
    「愛」とは、片思い!

    オレ、何回も言ってるけど、
    愛とは「片思い」。

谷田  たとえば、もし結婚していても、
    恋愛関係になっていても、
    それは両者が「片思い」してるだけ
    ってことですか?

山本  好きなものに対してね
    片思いをずっと熟成させてるというか、
    ずっと持ち続けてるというか、
    
    その感情のことを「愛」というんだよ。

谷田  はい。

山本  「愛」とは「片思い」だよ。
    だから、片思い最強論だよ、オレは!

谷田  それは、両思いであれ、
    片思いってことなんですよね?

山本  うん。両思いが美しいのは、
    お互いが片思いだから、美しいんだよ。

    お互いが片思いでクロスしてないんだよ。

    別個に、ほの暗く燃えてるわけ。
    ほの暗く、こう、ジワ〜ッっと!

    それを「愛」というんだよ。

谷田  なるほど…!

山本  それが交差したりとか、
    ガチャッと合体したりとかいうことは
    あり得ないんだよ。

    オレが言う、「愛」という
    片思いの感情では。

谷田  常に一方通行である、ということですよね。

山本  うん! 両方から別々に燃えてるでしょ?
    両方から、ほの暗く燃えているから、
    美しい愛になるわけですよ。

    それがもし、破綻したりということは、
    「片思い」の感情が消えたと。
    燃えつきたというか、
    あるいは、消した、というか、
    そういうことですよぉ。

    だから離婚とか、
    付き合ってた者同士が別れたということは、
    どちらかの片思いの感情の
    ほの暗い炎が消えたということですよ。
    あるいは、消したんだよ。

(つづく)



ターザン山本

本名:山本隆司。1946年山口県生まれ。
「週刊プロレス」編集長としてプロレスファン
の間ではカリスマ的な存在として君臨。
公称40万部という驚異的な販売部数を記録した。
96年退社。現在はフリーとして各誌に連載を持つ傍ら、
フリーライター養成講座「一揆塾」を主宰。
また“最強の有料ウェブマガジン”
「マイナーパワー」を発行している。
人気コンテンツ「往生際日記は」、
浅草キッドさんのHP「キッドリターン」にも
転載されていて、無料で読むことができる。
狼ガガ主宰者お気に入りの映画批評サイト
「映画を語ろう」も必読!


■「とあるウェブマガジン準備号」時代の連載
「自画自賛王・ターザン山本、参上!」こちら!






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