「SCW 蓼科ツアー2002 〜 私を女神湖に連れてって 〜

第8章 食後の過ごし方 Part2

俺たちがハゲタカに夢中になっている頃、食堂のテーブルでは別のイベントが
行われていた。

そう、「MT囲碁教室」である。
MTはなぜかサッカー合宿にミニ囲碁セットを持参していた。
彼は数年前に囲碁との運命的な出会いをして以来、全てを捨てて囲碁に捧げる
生活をしている。

彼の実力はどの程度なのだろう?
みんなそれが気になっているはずだ。
そこで試しに質問してみた。

TOK 「MTって何段?」
MT  「2〜3段。」
TOK 「なんやその曖昧な段は?!実際は何段を持ってるわけ?」
MT  「持ってない。」

考えてみたがよくわからない。
読者のみなさんもそうではないだろうか?
俺はさらに質問を続けてみた。

TOK 「持ってないのに何で2〜3段なんや?」
MT  「大体そのくらい。」
TOK 「持ってないということは段ではないのでは??」

みなさんもそう思うのではないだろうか?
しかしMTはあくまでも強気で返した。

MT 「段なんてものは団体が勝手に作っているだけ。」

さすが大物、言うことが違う。

MT囲碁教室参加者はマッツン、セロ、そしてクロちゃんだ。
クロちゃんは後からみんなが集まっている所へ来たのだが、最初

クロちゃん 「どこに入ろうかなぁ。」

と言って

@ハゲタカチーム(キャプ、OKU、OZA、シバクン、TOK)
A囲碁教室チーム(MT、セロ、マッツン)
Bマンガ読み耽りチーム(だいぽん)
C睡眠チーム(オッチー)

を見渡した。

しかしハゲタカの餌食はMAX5人。
ひたすらマンガを読むのもせっかくの旅行なのに寂しい。
寝るというのもどうか。
必然的にクロちゃんはMT囲碁教室に参加することとなった。

囲碁のテーブルに行くとき、クロちゃんが捨てられている子犬のような目でハゲタカチームを
見ていたかどうかは今になっては定かではない。

そもそもこの囲碁教室は旅行前にキャプが提案したイベント。
だが出発前日のWembley掲示板には・・・

> 七冠はちゃんと合流できるかな?
> MT基礎囲碁講座(四時間)は全員必修ですね。
> 俺はその間一人で内臓パズルやってるよ。

どうやら最初から参加する気はなかったらしい。

テーブル席の囲碁教室では、MTが囲碁初体験のチェリーボーイ達を相手に圧倒的な力を
見せ付けていた。

「へ〜、奥深いっすねぇ〜。」

などという発言がしばしば聞かれたが彼らはどこまで感動していたのだろうか?
特にセロ。
どう考えても囲碁に向いているとは思えない彼が途中で飽きていたのは言うまでもない。