「SCW 蓼科ツアー2002 〜 私を女神湖に連れてって 〜

第13章 シンクロ

疲労と眠気と戦いながらも何とか自分の部屋に戻った俺は今度こそ寝る準備を始めた。
とりあえず寝る前にトイレに行く。

トイレを出たところでキャプに遭遇した。
なんとなくキャプの部屋についていくと、部屋ではクロちゃんが寝る準備をしていた。

ふと足元を見ると例のカードゲームが。
ここはちょっとビビらせてやろう。

TOK  「これからハゲタカやるって?!」
キャプ 「やるか。」

恐ろしい男だ・・・

間もなくバカ5人が再び集合した。
車3台で来ているが、ドライバーのうちの2人がここにいる。
ええい、もうどうにでもなれ!

ゲームは開始された。

5人のうち、キャプ・OZA・マッツン・俺は既にハゲタカを経験している。
クロちゃんはこのときが初めての参加。

クロちゃん 「ルールを教えてください。」
キャプ    「やってみて体で覚るんだ。」

理由のないときのキャプは厳しい。
こういう先輩がいるから後輩は成長できる。

クロちゃんがルールを理解するまで何回かやった頃、深夜だからだろうかやけに同じカード
を出すペアが生まれ始めた。
食後から数えてゲームを繰り返すこと50回以上。
このゲームの真髄は単純に大きい数字を出せばよいのではなく、
「同じカードの人が居れば助かる」ということにみな気付いていた。
つまり、取りたくないマイナスのカードが場に出たとき、例え1人が最高の15を出しても、
2人が5で残り2人が6ならば15を出した人の負けになるのだ。
欲しいカードの場合は逆になる。
大きい数字を出しても人と被った場合はその下を単独で出した人の勝ちとなる。
クロちゃん以外の4人はほぼ各カードの相場を肌で理解し始めていたのだ。

俺は危ない場面になるとやたらマッツンと同じカードを出して凌ぐことが多かった。
その反面、クロちゃんは重要な場面で大きいカードが誰かと被り、負けを重ねることになった。

途中からはやたらマッツンがピンチになると俺に向かって、

「TOKさん、シンクロしましょう!」

と言ってくるようになり、ほとんどの場合同じカードを出して助かった。
夜中になると神経が研ぎ澄まされるのだろうか?

最後は3ポイント先取でハゲタカチャンピオンを決定することになり、

TOK 
キャプ
OZA
マッツン
クロちゃん

という接戦の末、見事俺がチャンピオンの座を獲得した!
そして「シンクロしましょう。」が今年の流行語対象候補となった。

そしてついになが〜〜〜〜〜〜〜〜〜い一日が終わりを迎えた。
お疲れ俺。