日本縦横断無謀!?ツーリング
2日目 秋田県を満喫
昨夜、テントを張る際には曇っていた空。テントを張り終えて、寝た後に雨が降り出した。
朝起きたときには止んでいたんだけど、テントを片付けていたらまた降りだした。ひとまず、炊事場の屋根の下に荷物を運び込んで、そこでパッキング。バイクをすぐ脇まで移動して積み込んで、雨の中出発。
十三湖中島キャンプ場 6:55 出発
明るくなってわかったんだけど、この中島、キャンプ場だけでなく、日帰りで遊べるようにいろいろ整備されていた。
日本海沿いのR101を南下。
キャンプ場を出て、1時間半ぐらい走ったころ、海側に駐車スペースを見つけて休憩。地図を見ていたら、ごみ拾いをしていたおじさんが声をかけてくれた。
「今いるとこは、地図でいうとここ。ここは千畳敷だよ。北から来たの?ここよりさらに南に行った所が本当の千畳敷だけどね。」
確かに、ここも岩海岸が広がっている。でも偽の千畳敷?なんだそりゃ?
休憩を終え、少し走るとおじさんが言っていた意味がわかった。おじさんが言う“本当の千畳敷”とは、看板があって、奇岩がある場所のことだった。 写真を撮ったんだけど、雨で薄暗くていい写真は撮れてなかった。 |
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8:49 道の駅 ふかうら に到着。道の駅はまだ開いていなかったけど、外にあった焼きイカ屋さんはすでにイカを焼いていた。いい匂いに誘われて購入。うん、おいしい!
そこから1時間ぐらい走って、今日の一つ目の目的地、十二湖に到着。
ひとまず、周辺の地図を手に入れに、エコミュージアムに行ってみる。が、休館日…。
どうしよう?と思っていたら、車に乗ったおじさんがやってきた。職員かなって一瞬思ったが、観光客だった。
「あれ?閉まってるの?」
そのおじさんも初めて訪れたらしく、十二湖がどういう配置になっているのか知らない様子。少し、話をして、おじさんは去っていった。雨は結構激しく降っているし、散策はどうしよう?やっぱり天気がいい時がいいんだけどなぁ。ま、札幌からそんなに遠いわけじゃないし、来年の学祭(6月)にまた来よう。ということに決定。んじゃ、出発するか、と思ってヤマイヌに乗ってUターンしようとした途端…
この旅で、初めての転倒…
起こそうとがんばっても、荷物が重くて上手くいかない。仕方ないから、荷物をおろそうとしたが、サイドバックが引っかかって、外すのに一苦労。なんとか荷物をおろして、ヤマイヌを起こす。
ヤマイヌはなんとか起きたが、ウェアの中は汗だく…。荷物を積みなおしたころには、半端じゃなくブルーになっていた。
ヤマイヌに謝って、気を取り直して出発。
20分ぐらい走ったところに、道の駅 はちもり 発見。 寄らずに行くつもりだったが、湧き水があるという看板につられて寄り道。 「お殿水」 “世界最大のブナ原生林、白神山地に源を発する秘境の湧き水です。昔、江戸参勤の津軽の殿さま、二代信牧公が大間越えをして八森道を通り、人家のない原で「かご」を停めて休息、道端のこの清水を飲んで、「甘露、甘露」と誉めたと言い伝えられております”
へぇ〜、そんなに古くから湧いてるのかぁ。 柔らかい味がした。
休憩していたら、さっき十二湖エコミュージアムであったおじさんがやってきた。雨の中十二湖を散策したらしい。きれいだったそうだ。さらに、ヒッチハイクをしていた少年を連れていた。これから海沿いの温泉に行くんだって。 |
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能代まで南下し、二番目の目的地、秋田犬の故郷・大館へ向かうため、東へ向かう。左手に白神山地を見ながらのルート。雨も止み、白神山地と米代川が作り出す景色は最高の一言。こんな景色の中で秋田犬は生まれたのか…、感無量。
道の駅 二つ井 きみまち に着いたときにはいい天気。お昼を食べる間にウェア・手袋・ブーツを干そう!とヤマイヌの上に広げまくる。道の駅の食堂はありきたりのものばかりで面白くなかったので、すぐ近くにあったコンビニへ。
コンビニへ行く途中、柴犬を連れたおじさんがいた。声をかけて、犬をさわらせてもらう。しゃがむと犬の方から喜んで近寄ってきて、手や顔を舐めて挨拶してくれた。
「おやおや、この子にしては珍しいんですよ。初対面の人にこんなに懐くなんて。」
と驚き顔のおじさん。
「私、秋田犬と姉弟げんかしながら育ったんです。」
と私が言うと、おじさんも秋田犬が好きなこと、秋田犬を飼いたいけど広い庭がないため秋田犬に似ている柴犬を飼ってること、犬の避暑のために大阪から北海道へ行った帰り道のこと、…
話をしてる間、犬のほうは私とおじさんの間に寝そべっていい子にしてる。しばらく話して、おじさんは車に乗りっぱなしで疲れた犬を散歩に連れて行った。私はヤマイヌのところへ戻って、近くの日陰でお昼。
そしたら、バイクに同じように荷物をたくさん載せた男性がやってきた。その人もバイクにウェアをひろげ、ブーツから草履に履き替えて、干し始めた。その人と情報交換。秋田県も午前中は雨だったんだって。その人はこれから白神山地を走りに行くけど、途中ダートがあるため、その道を通ってないか?もし通ってたら路面状態は?と質問の連発。残念ながらその道を通っていない私達。その人のバイクはロードモデルだった。確かに、ダートを走るのは不安だろうなぁ。ヤマイヌはオフ車だから心配はそれほどない。
…ヤマイヌの性能は、ね。問題は私の腕か…
お互いに、出発の準備を始めたころ、柴犬のご一行が戻ってきた。またまた、飼い主のおじさんとおしゃべり。今度はエキノコックスとか疥癬とか動物の病気の話。犬を北海道へ連れて行くため、出発前にエキノコックスのことを自分でも調べたり、掛かりつけの獣医さんに相談したりしていたんだって。北大の寄生虫学教室が野生のキツネにエキノコックスの駆虫薬を与えたりしているし、教授の研究テーマがエキノコックスで、教授の寄生虫学の講義は全てエキノコックスの話だけだったので(他の寄生虫の話しは実習のときに助教授が教えてくれた。)、現役の開業医さんが知らないことも説明してあげられた。そしたらおじさんが
「あなたは卒業したら開業するんですか?するんだったら北海道?実家の福岡?どっちしにても僕達が住んでいる大阪からは遠いですね。近かったらぜひ、あなたにこの子を診てもらいたいです。」
この一言には驚いたし、すごくうれしかった。大事にいている犬を任せたいというこの一言は、何度思い出してもうれしくて、がんばらなきゃ!と思う。
私の弟の秋田犬にも主治医さんがいた。ただ、過労で亡くなってしまい、次の主治医さんを見つけるのに一苦労した。獣医師にも動物に好かれ、飼い主さんに信頼される先生とそうではない先生がいる。
出発するとき、飼い主のおじさんが「くれぐれも気をつけて!」と気遣ってくれた。
さらに東へ、大館へ向かう。えっと、“秋田犬会館”ってどこだっけ?…ひとまず大館駅に行ってみよう。
秋田犬が好きなんですね
大館市街地に入ると、秋田犬を散歩させているおじいさんがいた。見ているだけでうれしくなってしまう♪
大館駅へ。駅の前のロータリーには秋田犬の銅像があった。ひとまず駅の中の案内板で会館の場所を確認。あ、よかった。結構近いや。目的地を確認したら出発する前に銅像の写真を撮る。
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故郷の忠犬ハチ公の像 ハチ公は大館生まれ |
秋田犬の像 |
写真を撮り終えて、ヤマイヌのところへ戻ると、隣にバイクが止まっていた。
ライダーの男性に
「秋田犬が好きなんですね(微笑)」 「?」 「さっき、銅像の写真撮ってたでしょう?」 「あ、見てました?ええ、これから秋田犬会館に行こうと思って」 「この近くですよね?気をつけて」 ははは…バレバレかぁ… 秋田犬会館を目指して出発。 この辺りのハズなのに…、と迷う。わからなくなってどうしよう?と考えていたら、交番が見えた。交番で道を尋ねると、会館は高台にあり、そのすぐ下を通っていたことが判明…。ま、こんなこともあるさ。 大館の交番の看板には秋田犬のイラストがあった (^o^) おまわりさんにOKをもらって写真を撮ってきた。ちなみに、 「看板の写真、撮っていいですか?」 って訊いたら、しばらく答えに困っていた f(^_^; |
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秋田犬会館に到着。 1階は事務所 2階は会議室 3階は展示室 展示室にはマタギが使っていた道具や秋田犬をモチーフにしたいろいろな作品が展示されていた。 実家で飼っていた秋田犬は佐賀県生まれだけど、弟のご先祖はこんな生活をしていたのかぁ。 |
それから、南へ。
大館を出発してからも山や川が調和したやさしい景色が広がり、最高の一言!
走っていたら、道路わきに花が見えた。大館を出発して約2時間。そろそろ休憩とらなきゃ、ってことで道端に止まって写真を撮る。結構、いろんな花が咲いてるなぁ。あれ?小川だ。なんか、高層湿原っぽいなぁ、と思いながら写真を撮る。再びヤマイヌを走らせめると、駐車スペースと看板を発見。やっぱり湿原だ。み〜んな通り過ぎるだけ。もったいないなぁ〜。
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湿原の風景 |
さらに南に走り、田沢湖キャンプ場へ。今日は 19:00 に到着。さっさとテントを張って、食事を済ませて温泉へ。いい湯だなぁ〜♪
秋田犬の故郷を実際に走って、弟が山に遊びに行くとあんなに元気になったワケがよくわかった。もともと、山の中を駆け回る犬だったんだね。実家は田舎で、山に囲まれている。弟にはいい場所だったのかなぁ?
それから、水戸に住んでいる友人 I さんと連絡を取って就寝。
九州までの距離と残り日数を考えたら、明日しかむりだよなぁ…
本日の走行距離308.7km
青森県内はずっと雨。秋田県に入ると晴れた…