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がま口弘美の日記 バックナンバー

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2006年2月1日(水)  

関東地方で地震。現在東京駅の在来線は止まっているそうですが、関東地方の皆さん、お見舞い申し上げます。アネハ関連のマンションの皆さんは、どんなにか恐ろしい思いをされていることでしょう。私もいつも行くK市で、駅にくっついた所と、そこから何百メートルも離れていない所に、件のホテルが2つあって、本当に気の毒に思っています。やりきれません。

 がま口塾便り印刷に。雨が降っていたので、今日は無理せず1時間に1本のバスで往復しました。行きのバスで、運転手さんがまるでタクシーの運転手さんみたく饒舌で(めずらしいですよね、市バスで!) 乗る人ごとに「長く待たせて悪かったねー」って名古屋弁でやるんです。信号の都合でバスは随分走行時間が変わるらしい。確かに10分15分と遅れるのが常の路線だけど、「あのバスとは○○の角で出会うのが普通なのに」「いつもならあのバス停では誰も乗らないのに」とか、ずっと一番前のお客さんに話し続けていました。こういうの、親切なのか、いらないお世話か…と考えているうちに下車。
 
 7割発送完了。3割の方、明日発送します。一言書くことの効能?を知ったら、やっぱりそれをやらなくっちゃ。それが発送の日にちを遅らせるのだけど。

2006年2月2日(木)  


「趣旨に反する」のはどちら?/上野千鶴子さんの講師排除事件を検証する

という友人のみどりさんのブログの検証が、痛快で爽快で愉快な気持ちになったけど、やがてはあまりにも悲しいことじゃないかと悔しくて。

国分寺市が「人権教育推進のための調査研究」事業の基調講演に、上野千鶴子さんの「当事者主権」講演会を企画したが、上野さんが講演のなかで、東京都が「使わない」と通達まで出している、「ジェンダーフリー」という用語を使うのではないか、と危ぐして、国分寺市に圧力をかけたという事件。
 結果として、講演会だけでなく、この「人権を考える講座」自体が実施できなくなりました。

 みどりさんは上野さんの著書ばかり研究する読書会を4年前からしているので、全ての著書を見なおしたのです。そしたら、おびただしい著書のどこにもジェンダフリーということばを使っていなかったそうです。1つだけあるインタビューに以下のように答えておられる。

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 …… ですから、「ジェンダーフリー」は、まず第一に研究者の使う用語ではなく、そして第2に法律用語でもありません。主として行政関係者が使ってきた用語なのですね。
 わたし自身は、「ジェンダーフリー」は嫌いだし、使いません。なぜかというと、日本語で定着しておらず、なじみもないカタカナ用語をあえて使う理由がまったく理解できないからです。ジェンダー研究の分野での英語文献でも、「ジェンダーフリー」はなじみがありません。わたしは英語文献をたくさん読んできましたが、出会ったことがありません。・・・・・

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東京都の言いがかり。陳腐この上なし。思い込みや決め付けの恐ろしさがよく分かります。

2006年2月3日(金)  

さっきイラク訴訟の会の会議からの帰途、坂道を登ってきたら、お隣の家の玄関から騒ぎが聞こえてきたので、小学生の坊ちゃんの家庭内暴力かと思って、何気なく覗いたら、いきなり豆が飛んできました。「鬼はーそとっ!」ですって。節分じゃん。日本の伝統行事も忘れているテイタラクです。だって「裁判長の弾劾裁判をやりたいねえ」なんて世界とあまりにかけ離れていたもんで。裁判長の名前はうちだ。「うちだーそとっ!」

 ああ、恥ずかしい。中央アート出版社から「3秒で性格を見抜く法」が送られてきました。デカデカと私と姫ちゃんの名前が載っていて、本当に穴があったら入りたい心境です。私は翻訳じゃないってば!日本語を日本語にしただけなんよー。編集の坂井さんがきっと四苦八苦されたと思います。なかなか読みやすく変身していました。

 よく宣伝してくださいと言われていますが、3秒で・・なんてマユツバですよねえ。でも、良かったらお近くの図書館でリクエストしてください。著者は陳風馳さんです。

2006年2月4日(土)  

岩手の山女のなっちゃんからとんでもない写真メール。とにかく越冬は無理と普通の人は考える山の上の一軒家に住んでいるらしいのです。家の傍の湖の上でスキー散歩。広大な一面の銀世界に彼女の足跡だけが真っ白のキャンパスに絵をかくように遊んでいます。

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わたしは1月に急を要して頼まれた松の伐採作業の手伝いに1週間ほど寒空の中、1日中外にいたんだけど、着込んだ上にスキーウエアと分厚い靴下にカイロ貼って長靴はいて・・ってしないと足から腰から神経痛になってひどかった。ここでの雪かきもだけど。松も雪の重みで幹から折れてたり、ひょろ長いのが建物に倒れてぶつかる恐れがあって急遽、 命がけの仕事を引き受けたのでした。
 
 あしたはこんな猛吹雪のときに金ヶ崎町生態系研究会の会議が我が家であるんだよー。みなさん下から歩いて来なきゃなんないから大変だと思うけど、天気さえよかったら、ぴったりの環境。

 郵便屋さんはがんばって届けてくれてるよー。ほんっと、ありがたい☆12月に1度郵便局から電話が来て『あのー、失礼ですけどそちらにはいつまでお住まいですかぁ?』って。郵便局だけじゃなく電気の検針に来る人も、温泉の支配人も、地元の方々も、ここで越冬してるって信じられないっていう感じ。それでも郵便屋さんは完全に道が閉ざされたとき、300メートル雪にズボズボ埋もれながら歩いて届けてくれる!!

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 あんまり面白いので、ついつい貼り付けて…手抜き工事でした。なっちゃん頑張れ!日本最北のがま口塾会員だからね。がま口塾便りも、雪ズポズポで届けてくれたのね。郵便配達さんに感謝。

2006年2月5日(日)  

東京と音声・映像チャットして北京とチャット。仕事の攻防が続いていて、神経が参っています。

 でも、映像のチャットって、つまりはテレビ電話。パソコンの周りが見えちゃうんですね。私は今、とても人様に見せられるようなかっこうではありませぬ。とにかく寒いですもんね。きちんと洋服を着て家の中を整理整頓してから映像チャット…と言ってるとチャットの意味がなくなってしまいます。世のスピードについていくには息切れがしますだ。

2006年2月6日(月)  

 歯が痛くなったので、予約したら、今日の夕方運良くOKでした。でも、すっかり忘れてしまいまして。気がついたのは先ほど。あーあー。

 料理が下手であることは自分自身が一番よく知っていることで、食べてくれる人には本当に感謝しています。私の子供達はお蔭様で誰の何でも心から美味しいと思って食べる人間になりました。落ち込んでいるときに、手料理を美味しそうに食べてくれる人があったら、生きていけるぞと元気がでるものです。逆ももちろん。

 そこへ恐怖の母の登場。「あんたの料理はまずいって○○たちが言ってたよ。私がどういう育て方をしたのかって言われちゃった」だって。際限のない奈落の底に落とされました。
 人は本当に自分が反省していることを、まともに言われたらグザッときます。まずくても一生懸命考えて作っているのだし、○○たちに料理を出したのはもう何年もなく、そのことにも打ちのめされました。何を言われてもヘイヘイとノーテンキに朗らかに乗り越えていく人間に見えるらしいけれど、けっこう繊細なところもある。よ。

 そんなことを思っていて、歯医者へ行くことを忘れたのでした。歯医者にいける平和に感謝。明日も平和な日でありますように。

2006年2月7日(火)  

 真面目に歯医者に行きました。もう10年以上歯医者さんには行ったことがないので、レントゲンを撮ったらサッサとパソコンにスキャンしてマウスの矢印でここがちょっとうんぬんと、寝かされている私に説明があったのにはびっくりしました。あの口をゆすぐコップにコーヒーが入っていて、上から手で持たなくてもいい本をはさむ機械があってスルスルちょうどいい位置に降りてきて・・・治療室のリフォームを想像していたら、とっても楽しかったです。

  麻酔をかけたせいで、口紅がフニャけて塗れなくてびっくり。東海音声表現研究会の2月例会へ。主宰のお一人の舟木さんが松原英治・若尾正也記念賞を受賞され、お祝いの拍手で開会。今日は女優のMさんのお話で「民話」がテーマでした。昨夏キングレコードからCD「昔話ふるさとへの旅」が出されました。47都道府県の愛知版の1つをMさんがされたわけですが、収録に至るまでの制作側との話し合いがとても考えさせられる問題をもっていたのでした。

 「再話」と「採話」は違います。「語り手」と「語り部」は違います。では、プロと民話を口伝するアマとどう違うのか。老人のトツトツとした素朴な語りを要求するならば女優のMさんが本名で72歳の老人として話すのは、民話の伝承として自然であるのかないのか。でも、Mさん顔もそうだけど、声だけ聴いたら40代で通りますものねえ。プロとアマの境って何?

2006年2月8日(水)  

昨夜の日記が呆け呆けだったので、仕切りなおし。

【民話を語る素人は存在するか】

 民話と聴けば、囲炉裏端でねんねこ着たじっちゃんばっちゃんが訥々と話してくれる・・そんなイメージで、レコード会社は、今のうちに記録しておかねば・・と考えたのだと思います。でも、既にそれからして、私には違和感があります。私にはそんなお年よりはいなかったし、私の子供達は保育園、幼稚園、小学校3つ、中学校2つ…という転勤族の子供。故郷はどこと言われてさえも戸惑う人間です。お話を聴いたのは、各地の図書館のボランティアによる「お話会」です。もちろん、私も毎晩欠かすことなく小学校6年生まで、お布団に入ってからの読み聞かせを続けました。

 だから、今生きている人の中で、人々に伝えるためにCDの商品として販売するに耐える「民話の口伝」ができる「素人の方」は非常に稀な存在であるという事。有名な方が2~3人いらっしゃるというぐらいが、現状でしょう。現地で素人の方から収録するという発想自体が、「素人とは何か」の定義をクリアせねばならなかったと思います。

【素人・勉強中・プロ】
 この差は何か?これもとても難しい。私も自分で「アナウンサーです」と"言い張って"いるだけで、たいてい、それを言っても「もとアナウンサーの坂東さんです」と紹介されてしまいます。つまり皆の抱くアナウンサーのイメージとはかけ離れている、今も昔も無名のままの子豚だからです。この世界には、歯医者さん、弁護士さんという資格がありません。だから、もとアナウンサーということであれば、素人より少しは上手な人かなって人が想像するだけで、何の保証もない。勉強中の人の方が上手な場合だってあるし、素人さんの方が味があっていいと思える場合もある。

【聴きやすさ】
 言葉の一つ一つがふくらんで、伝えようという気持ちをもっているか。それはやっぱりMさんのように役者として磨いていらっしゃったものにはかなわないと私は思いました。しかも自分が育った、今も住んでいる土地の話で、しかもお連れ合いが再話した民話なら、これに勝るものはないと思います。

 ●素朴にやってくださいとレコード会社に言われて、とても困惑したというMさんの気持ちがとてもよくわかるのです。じっちゃんばっちゃんの話が良いという幻想は、生身の人間関係と繋がっているのだと思います。生身で関わりあう距離にいてこそ、それは最高の輝きを発すると思います。所詮、CDとして遺すのなら、聴きやすい、分かりやすいという、伝える使命をまず果たすべきではなかろうか…と私は思いつつ昨夜、道を歩いていたのでした。

2006年2月9日(木)  

フランスの風刺漫画、日本の国会の自民党議員の、本来の質問から全く外れた民主党の悪口並べ…。

 最近の私ははっきり言って落ち込んでいます。これと言って資格もない。何一つ生計を立てられる腕も口もない。全てがちゅうと半端。仕事が上手くすすまないと、人のせいにして怒っている。

 でも、そんな私でも、このことだけはよく分かりました。人間としての品格がないという事が。どうしたら、上手に喧嘩して、上手に共存して、仲良く人間は生きられるのでしょう。

2006年2月10日(金)  

 足袋をクリーニングに出したら、1日余分にかかるとのことでした。
 
 63年前の写真のネガの虫食い部分をチョキチョキ整理して、31枚、写真屋さんに出したら、5日余分にかかるとのことでした。昔々、その又昔。チラッと見た記憶があるようなないような写真。家族の誰一人として興味を持つ者なし。せっせと記録魔虫が集めているのです。太陽にすかしてみているだけでは実感がありません。どんなご先祖の写真が出てくるか、とても楽しみです。それにしてもネガを食べる虫ってどんな虫?あんなもの美味しいのかしら。

 運動の虫は今トリノ。4年前はどこで何をやっていたか…オリンピックがあるおかげで、はっきりと思い出せます。月日のたつことのなんと早いこと!

2006年2月11日(土)  

心臓が張り裂けるほどの感動がこみあげるだろうな。トリノに選手で開会式にいたら。ストーブの横でテレビをチラチラ。

 不法滞在のため、ミャンマーのスージーさん(母)とサンドラさん(小5の娘)に、昨日「在留特別許可」が認められました。今回のケースで「在留特別許可」が認められる可能性はまずないと、誰からも言われていたそうです。小学生以下の子どもがいるだけの家族で、在留特別許可が認められたケースはほとんどなかったのだそうで、「前例」をひっくり返し、「国」を動かすという大変困難な取り組みだったとの事。

 子供を持つ近所のお母さんたちや、様々な立場の地元の方々が、外国人への偏見が根強い地域であったにもかかわらず、様々な困難を承知で応援したそうです。「勝ち目のない」戦いにあえて名乗りをあげ、不眠不休で奔走した弁護士さんたち。自身が大変経済的に困窮しているのに、そっと千円札を差し出した人。とても短期間の呼びかけにもかかわらず、署名に協力した人々。精神的に追い詰められたスージーさんを、入管やアパートへ度々訪問して、じっと話を聞き続けたスタッフ。食べ物の始末すら出来ずに突然逮捕、収容されたため、無人のゴキブリ屋敷と化したアパートの掃除をし仲間。様々なルートを通じ、ケータイメールを数十人に送り続けてた仲間。法務省との直接交渉など、大詰めで大活躍した支援団体の方々。一度も会ってなくても、メール&ブログを通じ「事務局」の仕事をこなした、遠隔地の仲間。

 そして10年間この母子と関わり続け、この数ヶ月ほとんど眠っていないという代表。
誰一人欠けても、今回の結果は得られなかったのではないかと思いますという、メールで回ってきた報告を読んで、とてもとても感動しました。くたくたになるまで必死に力を出し切ること。

 こういうニュースばっかりの放送局を作りたい。絶対世の中が変わっていくと思います。

2006年2月12日(日)  

友人の困難に心を痛め、自分の困難にも心を痛めていたのですが、待って待って待って待っていた、中国からの国際特急郵便が届き、やれやれの日になりました。されど…又難関。こちらの正月と中国の旧正月のズレが大幅に仕事が遅れるという不幸の原因であるにせよ、自分も色々反省する点があり、謙虚に自分の仕事のやり方を点検しています。相手を攻めたてたって、何も建設的なものは生めません。ああ…仕事とは、厳しい反省と果敢な前進で完成するもの也。落ち込むだけ落ち込んだので、後は這い上がるぞ。

 と、言うわけで、明日は粟津へ。その後は北京。トンネルをぬけるぞ。

2006年2月14日(火)  

 びっくりするのですが、北陸は、列車より高速バスの方が冬場は走行が安定しています。今年の大雪でも金沢ラインは一度も運行のトラブルがなかったそうです。それを確かめて、小松インター近くににホテルをとり、粟津出張は何事もなく、計画通り往復でき、霊峰白山の景色が清冽で感動しました。ラッキー。

 今日の午前中は、いつもの担当者の方たちとCDRの最終チェック。午後からは、お昼に東京から飛行機で帰社した(小松から東京は飛行機が普通だそうです)社長さんの最終チェックと決裁を得て、これで製品化に入ることになりました。

 まだまだ今から北京のデザイナーさんに訂正ヵ所を送信するつもりです。一刻の無駄もできません。6泊しますが、果たして製品にして帰国できるか。ドキドキものです。日本と中国の仕事のやり方の感覚が違うことも乗り越えねばならない格闘技?で、とにかく冷静に処したいと肝に銘じています。それにしても綱渡りの連続で、乗り物やホテルの予約はバクチみたいなもんでした。なんとか、明日、出発となり、神様に感謝です。

 CDRの時代も、もはや、すっ飛んで、今はDVDの方が優勢。最初はCDRだけの注文だったのですが、今日の話し合いでDVDと半々の数にすることになり、いや、見積もりを出してくださいと言われ、それも交渉せねばならなくなりました。もう間に合わないので、北京へ行ってから粟津にメールを送ってOKがでたら、そこで又新たな仕事になるわけで……、このスピードついてかれへんわあ。

2006年2月15日(水)  

 北陸の家々の屋根。今までまったく気がつかなかったのですが、「雪止め」というのが、瓦に仕掛けてあるんですね。屋根の雪は全部下ろしてはいけないのだそうです。屋根の仕掛けを発見してワアワア騒いでいたら、「えっ?太平洋側にはないんですか?」って逆に驚かれてマタマタびっくり。

 どんなに博識でも、一国の首相でも、大統領でも、人間が知りえる世界というのは、限られているというのはどうやら真実のようです。問題は、知らないということを知っているかどうかでしょう。知らないということを異国の人に知らせることを「交流」と言うのだと思います。

 行ってきます!

2006年2月21日(火)  

 帰国しました。セントレア空港の郵便局でゆうパックの一番大きい箱を買って、150枚のプラスティックケースに入ったCD-Rを、もう一度詰め直してクライアントに発送。汗が噴出ました。この日が迎えられて、ただ今脱力状態です。新たに同内容でDVD150枚を発注したので、それは、3週間ほど遅れ郵送されて来る手はずに。

 今回は買い物も観光も、見事なまでに一切せず、ひたすら完成をめざしました。赤字の仕事になりましたので、心もお金も余裕がなかったのが正直な所ですが。

 一日だけ、国際放送局の元同僚の日本人たちと火鍋の美味しい店で夕食をしました。皆もう退職して別の仕事をして北京で頑張っています。北京へ行くと「人」ももちろんだけど、「食べ物」が懐かしくて、ドラム缶で焼いているほっかほかの焼き芋に喰らいついたり、煎餅(チェンビン)(路上のあちこちで売っている、小麦粉生地をクレープのように伸ばし、辛めの味噌を塗り、その上にパカン と割った生卵を伸ばし、 その上に、みじん切りのネギや香菜、ゴマ等をふりかけて折りたたんだのをパクつく) を目にしたら必ず食べたり、とにかく色々食べ過ぎてしっかり太ってしまって…。リバウンドです。

 オリンピックは中国選手のばかり。到着した日はフィギィアスケートで転んで中断しても、止めないで途中から続けたペアの映像を、称えるように繰り返し放送していたのが印象的でした。

 反面、NHKのBSでは幼稚園児2人が中国人の園児の母親に刺されて死亡したニュースが何度も流れて、本当に悲しくなりました。香港では少し報道されたそうですが、中国全体のニュースとしては、一切報道されていません。人民日報の翻訳をしている友人に聞いたので、それは確かだと思います。何が原因でこういう悲しい事件が発生したのか、よく分析して、皆で二度とこんな悲しい事がないようにしなくては。
 後はフィリピンの地すべりのニュースが連日、現地から中継放送されていました。

 テレビを見ていてイッチバンびーっくりしたのは、しょっちゅう、内モンゴルのブレーンさんの「吉祥三宝」がテレビから聞こえたこと。コマーシャルに使われているのでした。すごい。

 CDRのデザイナーの張さんは景徳鎮の出身で、春節の里帰りのお土産だといって、景徳鎮の花瓶をくれました。彼のように遠い故郷を離れ、北京でフリーで個人で仕事をする若者を「北漂子」という新語で呼ぶそうです。一昨年ぐらいから、こういう人たちが出始めているのだそうです。日本の若者の仕事の仕方もずいぶん変化してきましたから、未来は予想もできません。変化が早すぎるといつも北京で思います。

2006年2月22日(水)  

「やごと朗読バンド」、第2回練習日。体の体操から口の体操、発音発声練習にかなりの時間を使いました。へとへとになった頃、順番に、思い思いに自分達でもって来た絵本やエッセイ、詩の朗読をして、話し合い。5人の遠慮のない討論で盛り上がり、再度、朗読デザインを整えて挑戦!格段に心に入る朗読になっていて感心する。皆ヒィヒィ言ってたけど、静かにお行儀良く先生のお言葉を伺う……なーんて、ここにはないのです。皆で良い所もほめまくります。

 不思議に核心をついたことを言うのは先生でなくて、生徒の方。自分が困っている点を知っているのは、先生ではなくて生徒だものね。身につまされるから、よく分かるのです。そして励まし方も先生よりはるかに上手い。だって下手な所は自分も辛いから。どのように辛いか知っている生徒は先生の素。

2006年2月23日(木)  

がま口塾。なんと1時間早く現れた人あり。開き直るとはこのことで、ボサボサの掃除ファッションも堂々と、招きいれ、新聞にコーヒーにお茶にとサービスして、ごまかす。じきにボツボツ皆が現れて、その数11人!盛況で、いつものようにとても楽しいひと時になりました。

 初めて母娘で参加した20歳のHちゃん、ジャンケンで見事司会になりました。いつもたいてい座っている順に一通りおしゃべりしてフリーにはいるのですが、なんと「では、アイウエオ順で…」。笑いましたねえ。だからがま口塾は止められないのです。突拍子もない発想が芽吹くんだもの。若者が一人入るとこんなにも展開が違ってくるのかと、大いに刺激を受けた例会になりました。

 明日は小学校で1年生の授業「はるのゆきだるま」。雪だるまになる決心をして(私がですよー)、午後白い布を買いに行きました。夜、頭からすっぽり布かぶって工夫をしていたら、息子が帰ってきて玄関でバッタリ。「幽霊だぞー。お帰り〜〜〜」「何しとるのオ!」。 私も恐怖の母2世になりつつあります。

2006年2月24日(金)  

 朝6時40分出発。K市K小学校で1、2、3時間目連続1年生の音読授業。「はるのゆきだるま」。雪だるまの白い布をすっぽりかぶる間、皆に30静かに数えてもらう。融けた雪に春の花をそえる。こんな遊びから、イメージをつかむ。それを表現に生かせたら…。いつも思うのだけど、既成の音読パターンが、既に1年生にしてしっかりできあがっているので、音読の楽しさの道へ引き込むのにあの手この手です

 4時間目はお休みだけど、その前に理科の「楽しく危険な・・・理科実験」という授業のために来校された愛教大の名誉教授の先生と校長室ではちあわせて、牛乳瓶での爆発実験の話。たまたまK市にお住いなので、特別授業をされるのだそうです。K市の子供たちは、外部のお爺ちゃん先生やおばちゃん先生に触れられるだけでも本当に幸せだなあと思います。

 5時間目は6年生全員にに戦争の話。戦争当時の新聞復刻版から入る。6時間目は校長室で2人の若い先生とお話。今年新任の青年教師が授業の感想とか自分の卒論のナチスの話などをしてくれました。先生たちは一生懸命頑張っている。

 休んでいる時も、校長・教頭先生が気を遣ってお相手をして下さるので、校門を出る瞬間までドテーッとできません。今はドタドタヘトヘトであります。気力と体力が明日と昨日を見ていてかみ合いません。世はクールビューティ荒川静香のフィギアスケート金メダルに沸いています。ものすごい精神力!

2006年2月25日(土)  

今日の午後、栄のYWCAでイラク訴訟の会主催の連続学習会(ファルージャのCDR上映とT弁護士の講演)が行われた(はず)けど、私は迷いに迷って、結局サボってしまいました。やっぱり昨日がハードすぎて、今日の体は使い物にならないのです。それでもと奮い立って一生懸命テープ起こしをやっています。今日出かければ、又、後送りになって、いつまで経っても、がま口塾便りが発行できず、とにかく発行しなきゃ、次回の塾が又すぐやってくるので、ここは不義理をしても頑張りどこだと自分に言い聞かせました。

 スタッフとしての仕事はきちんとやりたいのだけど、やり切れない自分。体を壊して、仕事に穴をあけたら、それも耐え難い事。まるで女ハムレットです。

 幸い、テープ起こしは楽しくて、皆の声を聞いて吹き出してばっかりいます。今回は皆本当によく笑い、又、よく拍手をしています。珍しい事。いいテーマだったなあと思いました。引き続き頑張ります。もうちょっと待っててね。今夜中に何とか。

2006年2月26日(日)  

ついに印刷に…行けませなんだ。トロントロンと眠くて。明日印刷と発行です。何とかテープ起こしは完了したので、皆さんに読んでいただけたら嬉しいです。司会の20歳のHちゃんが、思わず「強豪が揃っとる!」と言って、「大人と話すのも楽しいねえ」と感心していたのが心に残っています。そして黒一点のMさんの発言も、とびっきりの笑顔でした。写真がついてないので、その表情がお見せできないのが残念!と思いながらテープ起こしを頑張りました。

 ロシア人のTさんの発言の「富の偏り」の話は、根源的な投げかけだったと思います。つきつめれば、それがテロにもつながっているのだし。こういう人たちばかりで第二国連を作って、理想の地球を作ってみたい…と、すぐ大法螺弘美。夢の中へ。おやすみなさい。

 

2006年2月27日(月)  

  よく歩きました。植田のカラーパークへ今回は徒歩。印刷終えていったん帰宅して封筒に詰めて、それを持ってポストへ投函。今度は八事に向かってテクテク。ジャスコの写真屋さんで、60数年前のネガから現れた写真を受け取りに行きました。

 なーーーんだ。兄達の赤ちゃんの頃の写真や、知らない人達の結婚写真だったわあ。それにしても皆、超若い。若すぎる。甥や姪は、いや、義姉も見た事ない写真だと思います。今度びっくりさせてやろーっと。母方の祖祖母と祖祖父だと信じていたネガは、父方の祖父母でした。祖父は私が生まれる前に亡くなっているから未知の人なのだけど、他の写真で見た事あるので、すぐ分かりました。写真ってけっこう拠り所。自分のルーツだものね。

 さてさて、これからが大仕事。秘密秘密。あー。明日の授業の教案がまだできてませーん。

2006年2月28日(火)  

K市H小学校で1,2,3時限、3年生の「てぶくろをかいに」の音読授業。3年間お付き合いしてきたお馴染みの子供達ですので、皆もうウズウズ朗読がしたい。
「みんなオリンピック見てる?」「うん。荒川静香!」「僕は安藤美妃がかいい!」(さすが名古屋圏です)。「荒川選手だって安藤選手だって、いつも基本を一生懸命練習してるんだよ」と、さっそくアイウエオ。ほっといても、皆ぞうさんの歌でアイウエオを始めます。

 昨夜、いや、時計が12時を回った今朝?やっと閃いて、手袋と白銅貨を用意しました。白銅貨って言ってもただの500円の記念コイン。

 長い文章の中で朗読してみたい所を訊くと、たいてい「間違えて狐の手の方を出すところ」「ねーむれーって歌うとこころ」。そこでミトンの手袋をひっくり返してふさふさの狐の毛になっているのを左手、茶色の婦人手袋を右手に出して「どっちの手を出したの?」。まーあ、ものすごい集中力で喰らいついてきます。子狐が買った手袋は毛糸の手編みのぶくぶくのもの。「パンパンとたたくとどんな音がする?」。「白銅貨がチンチンってどんな音?」。皆シーンとなって、音を聞く。色々なパターンの音を出して、その違いを感覚に刻みます。

 子守歌も眠くなるように歌わなくっちゃね。H先生が、「子どもの朗読で鳥肌が立つ時がある」っておっしゃったのには驚きでした。子どもの持っている表現力、感性は本当に無限大なんだなあと思います。「お母さん狐はどんな気持ちなのかな?」…表現する喜びは、アスペルガーの子をも包んで、クラスの皆の気持ちを融け合わせています。

 帰宅後ひたすら眠りました。一息つきました。

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