1.オブジェクト指向とは?

  1. テレビとオブジェクト指向
  2. オブジェクト指向でないもの★
  3. オブジェクト指向の目的
  4. オブジェクト指向によるシステム開発

オブジェクト指向でないもの

それでは逆に、どういったものが”オブジェクト指向的”でないか、
かなり強引な例を挙げつつ考えてみます。基本的には、世間一般に
存在するものはすべてオブジェクトです。時間であるとか、仕事で
あるとか、形のない概念的なものも含まれます。

1 テレビを見るために...

	オブジェクト指向  → テレビを買ってきて電源を入れる。
	非オブジェクト指向 → 部品をかき集めてきて独自の規格のテレビを作る。
              (部品もオブジェクトではあるが)

2 さらに衛星放送を見るために...

	オブジェクト指向  → 衛星放送受信機を買ってきてテレビにつなぎ電源を入れる。
	非オブジェクト指向 → さらに部品をかき集めて、テレビの回路図を設計しなおし衛
	             星放送の機能を組み込む。

3 餃子を食べるために...

	オブジェクト指向  → 中華料理屋へ行って「餃子下さい」と言う。
	非オブジェクト指向 → 材料を買い揃えて自分で作る。
              (材料もオブジェクトではあるが)

4 映画を撮るために...

	オブジェクト指向  → スタッフを集めて指示を与える。
	非オブジェクト指向 → 自分で脚本を書いて、予算を立てて、機材・役者を集めて、
	            スケジュールを決めてロケーションを手配し、小道具・大道
	            具を作り、監督をして演出をしながら撮影をこなし、アフレ
	             コ・編集をすませて上映の手配をする。


オブジェクト指向的な振舞いには、経験や暗黙の了解のようなものが前提として存在
していることがわかります。別の言い方をすれば、対象がまったく未経験のものであった
場合にはそれ相応の苦労を強いられるということです。

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