2005年闘魂猪木塾INイタリア(その2)

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 やがて開始時刻となったが、半分以上は空席のままである。とはいえ、客が少ないわりには雰囲気的には盛り上がって来ており場内の雰囲気は悪く無い。左下の画像はこの興行のチケットだが、45ユーロという価格はイタリアの物価からみて結構高価なはず。ちなみに10列目ぐらいの席だったはずだが、雛壇になっているのでアリーナ後方よりは見易いと思う。

 最初に司会者的な形で右下の画像中央の人が登場して、メインでIWGP王座を争う天山広吉とスコット・ノートンを紹介。二人はリング上で舌戦を交える。試合の選手コールは別のリングアナウンサーが日本語で実施(イタリア語のアナウンスと並行)。

 第一試合は金本浩二&エリック・イサンセンvs邪道・外道の一戦。邪道と外道のヒールぶりに対する観客のヒートが思いのほか激しい。ベビーフェイス対ヒールの構図が明確なのが受けるようだ。最近あまり新日本の試合を見ていないが、本質的にはあまり違いはなかったような... 試合は10分16秒、外道クラッチで外道がイサンセンをフォール。

 第二試合は西村修vs真壁刀義のシングルマッチ。真壁がヒールとして観客のヒートを買う。レフェリーの目を盗みチェーンを使う古典的な悪党戦法。西村はいつものスタイルだが、チェーンを奪って逆に一撃、などのベビー的な展開を見せる。しかしさらにレフェリーのブラインドを付いた攻撃からラリアットで真壁が西村を片エビ固めでフォール(11分14秒)。

 第三試合は IWGP・U−30無差別級王座決定公式リーグ戦ということで棚橋弘至と矢野通が対戦。「火事とけんかは江戸の華」と書かれたハッピを着て登場した矢野がこの試合の悪役で、他に蛇の目傘も持って来ておりこれを凶器に使った攻撃を見せる。フィニッシュは10分21秒、棚橋がフライングネックブリーカーから、と思ったら新日の公式ページでは「スリングブレイド」となっているが、片エビ固めで勝利。

 第四試合は飯塚高史、吉江豊、中邑真輔vs中西学、永田裕志、蝶野正洋の6人タッグマッチ(確かこの順番でコールされたような気がするが)。無論ブラックニュージャパンの蝶野組がヒールなのだが、それまでの試合に比べるとヒール側にも声援が多いような感じで、ベビーvsヒールの構図がやや明確でなくなる。吉江が巨体を使ったユーモラスな動きで声援を得るが、最後は永田のバックドロップホールドに沈んだ(14分25秒)。

 休憩を挟んだかどうか憶えていないのだが(なかったような気もする)ここで我らが塾長、アントニオ猪木が登場。女性通訳がついて日本語で挨拶する。その大意「イタリア語がわかりませんが、元気ですかーっ?!カターニャとミラノで興行をすることはとても有意義だと思います。これを機会似もっと日本とイタリアが友好を発展させてほしいという思いを込めてこのパフォーマンスをやらせていただきます。1、2、3、ダーッ!」

 セミファイナルはウルティモ・ドラゴン&タイガーマスクvs獣神サンダー・ライガー&ブラック・タイガーの覆面タッグマッチ。ライガー組のテーマはお馴染みの「怒りの獣神」であったのに対して、タイガーマスク組はなんか明るい曲調にゆったりしたテンポで妙に脳天気な感じのラテンっぽい曲で登場。教えてもらったところによれば、アニメのタイガーマスク(伊達直人が主人公の第一作)がイタリアで放映されていたときの主題歌らしい。あのどちらかといえばかなり暗い物語の主題歌とは、ますます違和感ありありだが。ただこの放送のおかげでタイガーマスクの会場人気はなみなみならぬものがある。ライガーも入場時の観客の反応では結構な人気があるようなのだが、あきらかにタイガー人気の方が上だ。そのタイガーは3人ぐらいのシートを引き連れて入場。試合スタイル自体は特に日本でやるときと変わりはなかったが。最後はタイガーが高角度前方回転エビ固めでブラック・タイガーをフォール(14分54秒)。

 メインイベントは天山広吉vsスコット・ノートンのIWGPヘビー級選手権試合。これもあまり日本でやる時との違いは感じなかったが、最近の日本のファン向けのような山場づくりはしてなかったような気もする。途中ブラックニュージャパン軍がセコンドに現れて観客を煽るが、試合は結局、天山がムーンサルトプレスからの体固め(12分29秒)でベルトを防衛した。

 試合後、新日正規軍とブラックニュージャパン軍が対峙し、天山と蝶野が舌戦を繰り広げたりして、ブラック軍が退場した後、猪木塾長が登場して挨拶、締めの1、2、3ダーッ!を決める。その後正規軍が天山を囲んで記念撮影。

 ホテルへ帰ると12時ごろ。それはいいが、翌朝は朝が早いので少々辛い。


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