タイトル■がんばれ!ピンク映画
書き手 ■カタリョウ・アユミ

これは、ピンク映画をとりまく人たちの
愛と青春の、そして貧乏の物語です。
でも書いているのは、フツーのOL(会社員?)。
彼女が垣間見たのは、一体どんな世界なのか?
なんだか興味シンシンなのです!

>>バックナンバー


第13回 チャンピオンカーニバルを楽しもう!
 〜その5 しめくくり 〜

ごぶさたしておりました。

突然の異動の辞令を受け、
(異動はいつも突然でしょうけれど)
バタバタと引継ぎをし、
新しい部署のもろもろに慣れるのに
ちょっと時間がかかってしまいました。

でも、社会人生活も4年目。
ちょっとマンネリ気味になっていたワタシを
会社は見ていたのでしょう。
毎日、まるで新入社員のような新鮮な気持ちで、
それなりに楽しくやっています。

そういう緊張感が、時には必要ですね。

というわけで、ヒジョーに遅ればせながら、
3/18(月)に
狼男さん、ロビーさんと一緒に観た
P−1チャンピオンカーニバルの報告をば。

1本目:『見られた情事 ズブ濡れの恥態』
(菅沼隆/’00)

狼男さんも書いてましたが、
私立大学の映研のニオイのする、
まさに自主制作っぽい映画でした。

わたしも狼男さんと同様、
自主っぽいのが決して嫌いではない。
ないんだけれど、
ちょっと、ストーリーや登場人物の心理が
分かりにくかったような…。

生意気ですけど、
「丁寧に」伝えるってことは
大事なんですね、何事においても。

菅沼監督の先輩にあたる、
田尻祐司監督『未来H日記 いっぱいしようよ』も
妹に彼氏を寝取られる、というシチュエーション。
見比べてみるのもいいかも。

2本目:『終わらないセックス』
(瀬々敬久/’95)

今回のお目当て。
わたしの大好きな川瀬陽太さんの主演作です。
公開日からすると、デビュー作とほとんど同時期に
撮られた作品のようで、
当時、川瀬さんは24、5歳だと思うんだけど、
なんか、勢いがある!

最近は、年齢的なものやキャリアもあってか、
どちらかというと巧さが要求される役を
やっているような気がする川瀬さんですが、
川瀬さんのよさは、この「勢い」だと思うので、
こういう芝居がもっと見たいです。

ちなみに、この作品は脚本のタイトルは
『夜、鳴く蝉』

蝉って、成虫になると1週間くらいしか
生きられないんですよね?
そんな、命の短さや儚さ、
「ぬけがら」のような脱力感。
なんてことを考えると、なるほどなタイトルです。
原題チェックは、
監督の意図を確かめるのに
絶好の材料なのかもしれないです。

さて。
全体を通して、
狼男さんともロビーさんとも一致した意見は、
やっぱり、
ストーリーにおける絡みの必然性と
魅力的な女優さんの存在(芝居)、
という2大要素です。
まあ、当然といえば当然ですけど。

「絡みがなくても成立する」
という言葉は、
一般映画でも通用する、といういい意味でもあるけど、
だったらピンクじゃなくっていいんじゃないの?
という素朴な疑問を抱かせてしまう面もあって
なかなか難しい問題です。

あとは、
魅力的な女優さんが
もっと増えるといいな、と思います。
(今でもたくさんいますけども)

四天王世代や、もっと昔の世代は
監督ごとにミューズというか、
その監督が、その女優さんを一番魅力的に撮れる、
という関係があるんですよね。
たとえば、
佐野和宏監督→岸加奈子さん
佐藤寿保監督→伊藤清美さん
とか。

撮影期間が短いこととか、
女優さんの魅力を引き出すには
厳しい環境だとは思うんだけれど、
監督のみなさん、がんばってください!

と、いうわけで。
3/2(土)〜22(金)の3週間にわたって開催された
P−1チャンピオンカーニバルは、
総入場者数は605名、という盛況(?)の中、
幕を閉じました。

ピンク映画をフツウの映画館で見られる偉大なイベント
P−1グランプリが
今年も行われることを期待したいと思います。

さて、今月は、
アップリンクファクトリーより
DVDシリーズ第2弾がリリースされます。
ラインナップは以下の4本。
(タイトルは、すべて原題)

『彗星まち』今岡信治
『竜神と朱蓮華』上野俊哉
『OLの愛汁 ラブジュース』田尻裕司
『まるで再出発』女池充

4/26(金)、各3,800円で発売です!
ひろしオススメの『彗星まち』は
岡崎京子の「リバーズエッジ」をモチーフにした、
今岡監督のデビュー作。
わたしのオススメは
以前にも書いた、『OLの愛汁 ラブジュース』です。

このリリースを記念して、
今週、来週の2回にわたって、イベントがあります。

4/18(木) 
『姉妹OL 抱きしめたい』(’01・田尻裕司)
『イボイボ(痴漢電車 感じるイボイボ)』(’96・今岡信治) 

4/25(木)
『セコハン・ラヴ
 (多淫OL 朝まで抜かないで)』(’00・女池充)
『ライオンとペリカン
(わいせつ覗き 見せたがる女)』(’96・上野俊哉&瀬々敬久)

※( )は公開タイトル

どちらも渋谷・アップリンクファクトリーにて
21:00スタート。
監督のトークショー(ゲストあり)と
ワンドリンクつきで1200円となっております。

わたしは、脚本を読んでから
ずっと見たいと思っていた、
今岡さんの『イボイボ』を見るべく、
18日に行くつもりです!



(つづく)

<他の2名によるP-1の感想>
その1 ■
狼男の記録72 「今夜はP-1
その2 ■
ロビー田中  「P-1チャンピオンカーニバル観戦記





[カタリョウ・アユミの自己紹介]

[トップへ]