終わりのない物語

第3幕「コボルド西向きゃ、尾は東」


GM:さて、朝になって中くらいの宿におさまったけど、みんなどーするの?
クレイ:然るべき処-注1に行きたいので、裏通りの方でそれらしい人物がいないか探します。
GM:朝っぱらから?
クレイ:昼過ぎぐらい。
GM:うん、いるよ。胡散臭そうなのがゴロゴロしている。その中に何人か、その道の連中らしいのが歩いている。
クレイ:じゃあ、共通の合図をして場所を訊く。
GM:いいでしょう。教えてくれるよ。後の三人は?
ジェイ:ぶらぶらと街の中を歩きまわる。あてもなく、道が行き着くまで歩くの好きなんだ。
セラ:神殿へ行って祈りと奉仕を捧げにいきます。「賢くも平和を愛するラーダよ、私たちへ加護をお与えくださり感謝いたします」
GM:お布施は?
セラ:無いから奉仕してるんですけど。
プラート:(セラのシートを見て)宿代がそろそろ尽きるね。手に職を持たない人は大変だ。
GM:プラートはどうする?
プラート:広場の泉の前で歌を唱って金を稼ぐ。その時周りに怪しい連中がいないか、密かに観察したい。
GM:じゃ、振って。歌の出来と観察ね。(実は彼を見張っているのが一人いる)
プラート:歌14、ライアー10、目星11。
GM:通行人は立ち止まって君の歌に耳を傾けている。1時間後にはバラバラと銀貨がとんできた。18枚ね。怪しい者はいなかった。(6ゾロ振っちった)-注2
プラート:3時間ほどやりたいんですが。
GM:振れ。……締めて24枚のあがり。さてクレイの方だけど、例の場所は雑貨屋の地下にある。受付の男がいるよ。
クレイ:黙って金を出す。100ガメルね。
GM:あいよ。男も無言で後ろのドアを指し、金を袋へ仕舞った。奥のドアを開けると、そこには遣り手という感じの男が座っている。
クレイ:「初めまして。旅の者ですが、少々この街でトラブルに巻き込まれました。あなた方と事を構えたくないので、事情を伺いたいたいと思いまして」
GM:男はふっと笑ってから、「まあ、色々とこちらにも問題がありましてねぇ、それというのも……」
クレイ:(ふー、と溜息をつく)200出す。ジャララ。
GM:「実は例の歌唱いは、リングフォート・ギルド《ブラウモント》から回状を廻されているのですよ。わざわざ向こうから人員を派遣までしてねぇ。うちには手を出すなと言ってきたので、今のところ目を瞑ってますよ。
ここに挨拶に来た以上、あんたもこの街にいる間はうちの一員だ。あの男に関わるのは止めなさい、ね?」
クレイ:ふーむ。……理由を教えてもらえないか? 駄目? やっぱり。んじゃ、帰る。
あ、途中で買い物するから。生食-注312日分ね。
GM:通常価格でどーぞ。他に何かすることない? 誰も? 次の朝になった。
ジェイ:皆どこへ行くか決めてないだろう? 実は昨日、街で良い話を仕入れたんだ。
セラ:いつの間に……
ジェイ:俺は金がないほど早耳になるんだ。聞いた話だと、ここから西へ7日ほど行った処に、<神人>の遺跡があるらしい。何でもその地下には、手付かずの財宝が眠ってるって噂だ。ただ、地下へ通じる道は魔法による封印で通れないんだと。何らかのキーワードで開くらしい。
クレイ:それって、沼沢地にあるんじゃないか?
GM:当たーりー、ドンドン。
クレイ:あそこってさ、巨大生物と、下位アンデッドの宝庫だよ。行って何もなかったら……
セラ:「良いじゃないの、クレイ。行き先は何処でもいいはずだったでしょう? それにわたし、その遺跡というのを調べてみたいわ」
プラート:そうだな。もしスカッたら、そのまま<荒野>でダンジョンアタック-注4してもいいし。
クレイ:「わかったよ、行こう」、ってことで、メシは一人三日分買っておいたから、自分で持ってクレイ。
ジェイ:おお! さすがは金持ち、太っ腹だジェイ!
プラート:おや、自分の分は買ったのに。でも有り難くいただきましょう。
GM:――というわけで、君たちは何度か危険なモンスターと戦いつつ、目指す遺跡にたどり着いた。食料は補充しておいてね。
セラ:もう着いちゃったの?
GM:神のご加護でしょう。君たちが足元に気をつけながら歩いていくと、だんだんと崩れた柱や壁の跡がそこかしこに見られるようになってきた。150m先に大きな建物が見える。
と、そっちの方から、誰かが何か異形のものに追われて来るのが見えるぞ。

[ 脚注 ]

注1
盗賊ギルドの事。
注2
つまり見張りの隠れ方が、非常に上手かったことになる。
注3
一般的な糧食の事。賞味期限は保って一週間で、嵩張る。これに対して保存食は一ヶ月保つし、コンパクト。だが味は悪い。
注4
遺跡などを探索する事。ハイリスク&ハイリターンである事が多いが、マスターによってはハイリスク&ローリターン(泣)。