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「バイファム」第10話感想

レーダーに映る反応におびえる日々。今も、またUOが。流星ですんだが、神経はすり減るばかりだ。ケイトは子どもたちの(ひいては自分の(そうは言わないが))身の振り方に苦慮する。地球に行くなら、何としても軍の保護が必要だ。その軍から連絡がないなら、もう自分がジワイメルウへ行くしかないのではないか。
トラックででかけようとしているバーツ。彼につきまとうケンツ。バーツもジワイメルウへ行って、向こうの意向、状況を確かめようとしていた。一緒に行くと言い張るケンツ。道中の危険をおもんばかって、1人で行くつもりのバーツ。きっと、ほかのみんなには内緒で行くつもりだったのだろう。それがケンツにばれて台無しだ。
スコット以下、年長組が彼を止めるから。事実、そうなって議論が始まり、事は進まなくなった。バーツは、きっとそういう埒があかないのが嫌なのだ。スコットはバーツが1人で行くのは反対だ。みんながばらばらになるのはよくない。――しかし道が危ない。――ここ(アゾレック)ももう安全ではない。
ロディはまるきり別の考えを持っている。この星中どこだって危ない。それよりは第2ステーションへ行こう。あそこは一度攻撃されたから盲点になる。それにジワイメルウから連絡がないのはひょっとすると――。しかしこの意見はみんなにとっては唐突すぎたようだ。ジワイメルウが万一の事態になったのなら、その時こそ通信が入るだろうし、それにベルウィック上では、ジワイメルウが一番安全なのは確かだ。ステーションへの足、シャトルの操縦を、ロディは「博士のサブ」でしかやったことがないのも、彼にとっては不利だ。
だが、ロディは譲らない。スコットは、両者のシミュレートと、ケイトの意見を聞きに、管制室へ降りていった。彼女も同じことを考えていて、すでにプログラムを組んで、シミュレートしてみるところだった。しかし、結果はかんばしくない。「前提条件の幅が大きすぎ」て、シミュレーションになっていない。シミュレートするには、話が曖昧すぎるんだろう。
結局、バーツ組とロディ組に、一行はわかれることになった。13人の結束に最初の危機。リーダーのメンツ形なしのスコットは、せっかくまとまった仲間が別れ別れになるのには反対だ。しかし当のバーツとロディが一人一人の意思で決めることと押し通す。ケイトがジワイメルウへ行くほうについて心中、落胆するロディ。彼のところに残るのは、フレッド、カチュア、ジミー、シャロン、マルロ、ルチーナだ。蝶を追っかけるのに疲れただけの、最後の2人はおいておくとして、何故彼らは残ったんだろうか。フレッドは兄弟だから(ペンチと一緒に行くかで迷って残った)。シャロンは暑いのは嫌、ということだが真意は不明。ジミーはカチュアが残るからだとして、カチュアが残る理由もよく分からない。シャロンもカチュアも軍がもうあてにならないと考えているのだろうか。特に、迷っていたシャロンは、どっちもどっちと思ったのか、それとも何にも考えていないだけなのか。
バーツたちのトラックは出発し、スコットはどっちにもつかず、ジワイメルウからの連絡を待つことに。彼は知らないがこの間に敵がやって来ていた。
格納庫でシャロンは、マルロたちに天文学をきかれて悪戦苦闘。シャトルのコクピットを前にするロディ。彼の見込みと違って、シャトルのコントロールパネルは思った以上に複雑だ。たじろぐロディに、カチュアは操縦マニュアルを差し出す。
管制室で連絡を待つスコット。みんながバラバラになったことに腹をたてている。ジワイメルウに敵の船団。そして連絡がついに入った。しかしその内容は、彼の機体を裏切った。「君たちは独自の判断で脱出せよ」と。ジワイメルウは攻撃を受け、子どもたちを救出に向かった部隊も絶望。
シャトルの中でパネルとにらめっこのロディのところへ、スコットが飛び込んでくる。バーツたちが危ない!
そんなことはつゆ知らず、バーツたちのトラックはジワイメルウへ近づいていた。もうすぐ味方の前線基地が見えるはずだ。が、そこから煙が立ちのぼる。基地は壊滅状態だ。通信をとるケイト。しかし「ジワイメルウ基地はもはや存在しない」という返答とともに通信は切られ、その直後爆発が起こる。さらに敵の戦闘艦がこっちへ向かってくる。
その頃、スコットたちは、バーツたちを救うべく、アゾレックを出発していた。「無茶すんじゃねーよ」と見送るシャロン、フレッドだが、カチュアたちはどこに?
敵の戦闘艦に追われる車の中、目をつむるクレア、ペンチ、空を毅然と見つめるマキ。彼らを見て目を伏せるケイト。敵はまけそうもない。「くっそー……。……降りるんだ」
ケンツたちを降ろしたバーツは車を発進させる。
「あーっ! 一人で逃げた!!」
「彼はおとりになったのよ」
すばらしいドライビングテクニックを見せるバーツ。それを見守るしかないケイトたち。このままではいずれやられるのは明らかだ。「おいやばいよ、燃えてるぜ」
ついに、車の前に回り込まれたバーツは、トラックから飛び降りて、XU23aにぶつける。しかしぶつかる前にトラックは破壊される。
それを遠くから見たスコット、ロディはもうみんながやられたと思い込む。スコットは敵をやっつけることを決意。「みてるがいい!」それを見たケンツも「弔い合戦だ!」と飛び出し、マキ以下が続く。武器を持っているケンツはともかく、他はどうするつもりだったんだろう?
スコットはぎりぎりまで敵をひきつけ、ミサイルを発射。戦闘艦は撃墜された。ついにまともに敵を倒した。それがいいことなのか、悪いことなのか……。
バーツが無事でないと聞いて消沈するロディ。と、ひょっこりバーツが現われる。「よせよ、勝手に殺すなよ」車から飛び降りたときに頭を打って気絶していた。お約束。
アゾレックに戻った子どもたちは、今度こそロディの案にかけるしかなくなっていた。ケイトはかなり疲れた様子。マキは既に「沈没」(居眠り)している。今回も先を案じるスコット。
OVA第1巻のスコットのセリフによると、この日はDC2058年12月23日だったらしい。
そういえばベロア大佐はどうなったか、などとどうでもいいことを気にする。案外生き延びていて誰もいないベルウィックでサバイバルしていたりして。
原画
スタジオ・ムサシ、土屋幹夫、村木新太郎、河南正昭、栗井重紀

Vd: 1999.8.7, Vd: 1997.12.5