>>ほうがん | < >

「バイファム」第18話感想

航路変更してから3日。13人だけになり、そして敵地へおもむく。スコットは「ますますキャプテンとしての重圧を感じている」。
マルロとルチーナは、いっつも、「ただそこで遊んでいるだけ」という感じで、何をして遊んでいるかはどうでもいいような描かれかただった。つまり、小さい子ども2人がいてとにかく遊んでいれば、画面全体に子どもらしい雰囲気を添えることができる、そういう使われかた。
その2人が何をしているか、今回多少くわしく映しだされる。今さらという気もするが、艦内の探検をする2人。ムビオラ(?、「イデオン」ではイデオン内部の移動用メカだったが…)・ルーム=視聴覚室。2人にとっては映画が観られるところ。せっかく「ガンダム」があるんならおとなしく座って観ればいいと思う(ところであそこにあるのは全部アニメ…?、なんて)。
そこに飽きて歯医者を覗いたあと、図書室へ。残念ながら子どもむきの本はない(だから「ガンダム」…しつこい)。マルロは百科事典の絵を見て、「ママ」。ルチーナ「うそ、マルロのママこんなんじゃないわ」――きついぞ。そしてまだ見ぬ地球=「アーチュ(ス)」。
そこも飽きて第2ブリッジ。クレア、ペンチ、カチュア、ジミーがいそがしそうにしている。ジミーもふくめてコンピュータの操作法を修得中。分からない単語があったら、その上にカーソルをあわせてOpenすると説明が出る。やるねえ、今なら当たり前だけど。だけどマルロたちの居場所はない。
今度は格納庫。ケンツがウェアパペットにレッドベアーのマークを書いたところ。第3騎兵師団、第6大隊、第2装甲中隊のマーク。ただしケンツのはブタにしか見えない。ケチンボケンツは2人にはとりあわない。「だーれも遊んでくれない」、でもペンはしっかりくすねている2人。
ブリッジではレーダーには映るものの接近してこない敵にとまどっていた。そこへ突如火災警報が鳴りだす。7階、7023号室。実際には火事ではなく、誰かが火災報知器を押しただけ。犯人はケンツ、ではなくマルロとルチーナ。バーツがしかりに行くが、彼が2人をはり倒すんじゃないかと心配したロディもついて行く。「俺ぁやさしい男だぜ」とバーツ。7階の廊下はロディ、バーツの腰のあたりまで落書きだらけ。7023号室は、ニュートロンバズーカの格納庫だった。巨大な砲座を使うと船に作用反作用の影響が出るから、船外に持ち出して使う。ロディもバーツもそっちに気がいって、しかることを忘れていた。「怒られなかったね」と喜ぶ小さい2人。
しかしスコットは甘くない。もし消火作業をしていたら、そのブロックの空気を抜いていたから2人は窒息していたと。さらに落書きのほうも説教しようとして、3人――クレア、バーツ、ロディに止められる。ロディは7階の廊下の壁を、落書きを自由にしていいように開放しようと提案。「美観」を問題にするスコットだがしぶしぶ承知。「キャプテンの悪口」どころか、「スコット(はあと)クレア」とかで埋まるんじゃないかな……。13人しかいないから、誰が書いたかばれそうなのがこわいけど。
ロディは、あの2人はかまってもらいたくてあんなことをしたのだと語る。それはロディもそうだし、バーツも同じだった。クレアも同感だった(ここのクレアは口が大きめでいつもと違う雰囲気)。そしてスコットも火災報知器のボタンを押してしかられたことがあったりした。ちょっと口をすべらせた感じ。だが、2人の気持ちが理解できても、しからなければならない時もあるんだろう。今回がそうであるように。
大きい子どもたちの公認で落書きをする2人だが、ケンツにメシ当番の手伝いをしにいけと追いたてられる。シャロンはウェアパペットに高ゲタの細工をほどこした。ケンツはレッドベアーのマークをシャロンに全面的に描きかえられていた。「お前に似てかわいいだろ」と言われて赤くなるケンツ。
今日のメシ当番はペンチ。マニュアルを読みながらしたくしている。自動調理器を使うことになったから、ペンチはメニューをセットするだけで、マルロたちがお手伝だいで食材を運んで調理器にかければペンチはなにもしなくてすむ。貯蔵庫は「ここだけ冬みたい」。ニンニクは2人も嫌いで、結果ニンニク抜きのビーフシチューができた。
敵は相変わらず一定以上近寄らない。緊張のとけないブリッジに、シャロンからスコットに通信。ウェアパペットの高ゲタの調子をみるので、ケンツが外に出ると。30分だけ許可。「愛シテルヨ!」一瞬マジに受けとるスコット。
高ゲタは問題ない。ということで2人のたくらみは次の段階へ。第5格納庫からニュートロンバズーカが射出される。本当ならここでスコットが止めるはずなのだが、フレッドのひきつった声が。「自動調理器から食事があふれ出てるよ!」マキの「今度はキッチン? みんなよくやってくれるよ」…つまり「あたいはドジふまないけどね」ってことか。
キッチンからは本当にあふれ出ている。「何ていじわるなんでしょうこの調理器、いつまで出るつもり?」…声が下手。妙に印象に残るセリフ。犯人は、「またあの子たちが――」。今度こそちゃんとやった2人は「違うもん!」。「嘘をつくな!」――こわ〜。「133食すべて調理終了しました」のメッセージにペンチは青ざめる。しかしスコットに聞かれてとっさにしらをきってしまう。ペンチの悪いところがでてしまいました。
そんな騒ぎも船外までは伝わってこない。ケンツはまだニュートロンバズーカをいじっている。「ケンツもうヤバいぜ」とシャロンが止めても聞かない。ニュートロンバズーカを試射。しかし撃ったあとの反動を忘れていて、糸の切れた凧みたいな状態に(本当に切れたらおおごとだけど)。ドッキングカーゴやメインエンジンにニュートロンバズーカがぶつかり、船内は衝撃で「地震だ!」。しかもケンツはバズーカから手を離してしまう。「食糧守れ! 食糧!」――一見冷静だけど、もっとやることがあるような気も……。
この間もブリッジに残っているマキとフレッド。船体の損傷、航路への影響ともに軽微。(バズーカがぶつかったので)ドッキングカーゴに遺跡を調べに行くバーツとロディ。バーツはあの2人をとっちめようと息まいている。「やさしい男じゃなかったのか?」、「相手によるさ」。遺跡は無事だった。バーツはどうやらこれまで石を見たことがなかったらしい。ケイトさんのことを思い出させてしまったと謝るバーツ。もっともまだ数日だから忘れるもなにもないと思うが。
猫みたいに首根っこをひっつまかえられるシャロン、ケンツ。スコットはもう怒る気もうせている。「僕はもう自信がないんだ。だいたいキャプテンなんて柄じゃないんだ。そうに決まっている。もっと僕がしっかりしていれば……」カチュアが言葉をかけるすきもない。「だいたい甘いんだよみんな」、「そうだよガツンと言ってやんなきゃガツンと」って、じゃあお前らから厳しくしようかシャロン、ケンツ…。それをペンチは聞くに耐えられなくなって飛び出していく。
量だけは多い(でもニンニクはない)食事が始まる。ペンチはこない。ペンチの分までビーフシチューを片づけようとするフレッド。シャロンとケンツはあと5人前食わされる。
何かを決意した表情のスコット。「みんなに言いたいことがあるんだ。僕は、僕は、僕はもう…」と言いかけたところで艦内放送が。「今日の献立は…」ではなく、ペンチの懺悔。真犯人は自分だと。「あいつブリッ子してたのか!? 許せん!」、ケンツ、もっと言ってやれ。と思ったらバーツは「馬鹿野郎! あの子は勉強しながら当番やってんだ!」。たしかにやさしい男みたい。ただし女の子にだけ?
真っ先に席をたつフレッドに続いて、みんなブリッジのペンチをなぐさめる。つっぷしたままこっちを向くペンチがかわいいかも。さっきスコットが言いかけた件は、カチュアのおかげでうやむやに。「あれはもうすんだの。キャプテン、そうでしょ?」
その晩はジェイナスの中ににわかディスコが登場。さりげなく踊っていないカチュア、ロディ、ジミー。ジミーが飲み干した液体はなんだろうか? フルバージョンの"HELLO, VIFAM"がかかる中、スコットは「これで本当にタウト星にいけるのだろうか?」と独りごつ。ディスコは楽しくないらしいマルロ、ルチーナは誰もいないのをいいことに、ブリッジで艦長ごっこ。「右舷弾幕薄いぞ、砲撃手何やってんの!」、「あとでブリッジに来い、修正してやる!」(あ、これは「Ζ」だ)……ウソ。
原画
平田智浩、青木康直、長岡康史、河南正昭、富田悦子、伊藤富士子

Vd: 1999.9.18, Vd: 1998.1.30