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「バイファム」第5話感想

朝(おそらく前話(第4話)の翌日)。格納庫にジミーのハーモニカが響く。シャトルの主翼の上に座る、ジミーとカチュアの二人。途切れる演奏。カチュアがたずねる、「どうしてやめちゃうの?」押し黙ってうつむくジミー。カチュアは手をジミーの手の上に重ねる。「私、ずうっと一緒にいてあげる」「あったかい…」「ウフフ、やっとしゃべってくれたのね」ジミーはカチュアの前でもほとんどしゃべらないのか。それより、この会話を見るだけで、ロディには既につけいるスキがない気がする(先の話だが)。
シャトルからペンチとシャロンが出てきた。そこにはジミーとカチュアしかいない。ほかの連中はどこに?
他の子たちはめいめい、思い思いに基地周辺をうろついているらしい。この辺、何をやっているのか、いまいち意図不明。基地周囲の荒れように改めてショックの、スコット、ケイト。その二人のところへクレアが来て、地下の管制室がまだ無事で、クレークが方々に連絡をとっているところだと伝える。それを聞いてそっちに行く二人。入れ代わりにそこに残るクレア(なぜ残るのかよく分からない)。クレアは近くで遊んでいた、マルロ、ルチーナを見つけると「こっちにいらっしゃい」と呼び寄せる。そしてスコットたちを追いかけて管制室へ。
しかしどことも通信はつながらない。「頼みの綱」のジワイメルウ基地もだ。防衛軍の司令部のある基地だ。「じゃあ」とスコットはまたもや悪いことを考える。しかし「とにかく」と、クレークはいきなり一人でジワイメルウに行くことを決める。そして戦闘機で(すごい)出発、見送ったのは管制室にいたケイトと、スコット、クレア、マルロ、ルチーナだけ。ほかの子どもたちはそんなことはお構いなしだったらしい。
クレークがいなくなり、ケイトは、スコットに子どもたちのまとめ役を頼む。しり込みするスコット。しかし彼は最年長だ、引き受けざるを得ない。ケイトは彼が承知するとさっさと管制室に引き上げる。滑走路に残るスコットたち(なぜ残るのか…)。突風が吹き付ける。スカートをおさえるクレア(ちっ)、マルロたちをかばうスコット。
マルロたちを置き去りにして(?)、スコットたちは二人でどこか(どこ?)の建物へ歩き出す。引き受けたもののスコットはやはり自信がない。「苦手だなリーダー役なんて」自分より「ガールスクラブ」の班長だったクレアのほうが適役だと。それならスコットだって来年はボーイズクラブの班長だとクレアは元気づける。が、「そっちのほうがまだマシだ」という答え。そのうえ「それももうなくなった」。「ぼやかない、ぼやかない」とクレアはスコットの手をとって(こういうの好き)、「行こう、次期班長!」(でもどこへ?)。
一方廃墟の地下らしきところにいるロディとマキ。この2人が組んでいるとは珍しい。この二人も町のありさまにショックを受けている。町の人はみんなやられたのか。どこかへ避難したのだと思いたいロディ。フレッドを伴って帰る。よく分からないが、町の様子を見回っていたということなんだろうか。帰る途中、マキとフレッドが珍しく会話する。「あんたら兄弟あんまし似てないね」「君はマキっていうんだろ?」「ああ、そうだよ」「にあうよ、その帽子」「ありがと、この帽子気に入ってんだ」帽子をとったマキの顔に思わず見とれてしまうフレッド…。
またまた一方、格納庫ではケンツとバーツがディルファムの所にいる。ディルファムに乗りたいと言うケンツに、ハッパ(身長)が足りないから無理だと答えるバーツ。「俺でさえ歯を折ったんだ、お前じゃ首の骨折るぞ」、そう言い捨てるとバーツは格納庫を出てどこかへ(でもどこへ?)。ケンツはにやっとしてディルファムを見上げる。
さらに一方みんなを探すスコットたち。格納庫から出てきたバーツに出会う。「お二人さん、おそろいでどちらへ」この二人のことを勘ぐりすぎのような(それとも、僕の方がバーツを勘ぐりすぎているのか?)。と、ごう音が。バーツは何のことだかすぐ分かって格納庫へ駆け戻る。ロディたちもその音を聞きつけて、こっちへやって来る。やっと3班が合流。
案の定、一本足のディルファムが前のめりに倒れている。バーツはディルファムの足に内蔵されているマイクでコクピットに呼びかける。ケンツはどうやら無事らしい。
ちょうどお昼頃、マルロとルチーナはシャトルの中で遊んでいる。ペンチもシャトルで読書。それをのぞき込むシャロン(きっとシャロンにはつまんない内容だと思う)。相変わらず主翼の上にたたずむカチュア、ジミー。
格納庫では、ディルファムの後始末が続いているみたいだ。ふと、僕もディルファムの操縦法を習おうかなあ、とスコットが言ってみる。たしなめるクレア。「おたく、戦う気?」とマキ(また「おたく」)。その問いにスコットはとまどう、「戦う? 僕が?」「変? だってこれ、戦闘用でしょ?」スコットは、敵が攻めてきた時にこれに乗れば助かるんじゃないかと。ケンツはそれに「自分だけ助かる気かよ」。さすがのスコットもむっとする。「何ぃ?」ケンツは、この間はスコットが戦わないのをなじったくせに、今度は自分が乗れないからって(かどうかは分からないが)、ちょっとひどい。その場が険悪になる。クレアは博士が軍と連絡をとりに行っているから大丈夫だと、とりなす。が、スコットは軍があてにならないかもしれないし、さらには博士が無事に帰ってこれるか分からないと悲観的な意見。マキは「(博士がいなくても)博士の助手がいるじゃん」と言うが、ロディは「ケイトさんは軍人じゃない、そうだろ。俺たち自分のことは自分でしなくちゃならないんだ」と。それを聞いたバーツは、ロディに身長を尋ねる。「164」(僕と同じくらい……)。ならRVに乗れるから、シミュレータで訓練しようと。みんなで手分けして探しに行く。一人残されたかたちのケンツ。
クレークはジワイメルウに到着する。ここもひどく破壊されている。しかし基地に降り立ったクレークを見る者がいる。ここの軍人たちだ。彼らはクレークを知っている。クレークは地下の基地に招じ入れられる。司令部はそっちに移されていた。クレークは司令であるベロア大佐に面会する。「早速ですが」と尋ねようとしたところ、ベロアは質問の内容を先読みしていた。コールをしているのに何故返事をせんのかと。ベロアはそれは敵にここの存在を知られたくないからだと続ける。さらに彼はベルウィックがこういう有様なのは、民間人を地球に送り届けるのにあらゆる軍船を使ってしまったからだと語る。しかし軍の方針はあくまでクレアドを手放すな、だということだ。アストロゲーターは2年前に、クレアドから撤退するよう通告してきたのだが無視した。無人の星だった以上、先住権はこちらにあるのだから。既に援軍の第一陣が地球を発っている(どうやらほぼリアルタイムで通信できるとしか思えない)。クレークはその態度に強く危惧を抱くが、ベロアは頑としてはねつける。クレークはとりあえず、自分たちの保護だけを求めて引き下がる。ベロアはジェイナスで彼らを地球に送ることは約束した。
アゾレックでは、子どもたちの訓練が始まる。下手っぴなスコットに対しロディははじめっからこういうのに向いているようだ。いきなり敵と戦いだす。ちなみに銃は何タイプかあるらしい。敵を何とか撃破したところで、行儀よく交代。次はマキなのだが、彼女とスコットは、「実習」にバーツたちが行ってしまったので忘れられていた……。バーツは「さっきぶらぶらしていた」時に(つまりみんなぶらついてたってことなんだろうか?)、格納庫でディルファムを見つけていた。やはり本物を試したいのだろう。それは二人だけでなく、ケンツもそうだ。2人がうまく発進させるのを見て、勝手に乗り込むが、やはり「寸足らず」、足が届かず暴走、すっこける。いつの間にか居合わせているスコットやマキたちの前で。ジワイメルウから帰る途中のクレークから連絡がはいったことをクレアが伝えにくる。どうやら両親たちは地球に避難したらしい、そして自分たちも地球に行けるのだ。その報に喜んでいる頃、クレークを乗せた輸送機は敵の攻撃にあっていた。ミサイルを被弾して右エンジンが火を噴く。そして……。そんなことはつゆ知らずバーツはつぶやく、「地球、か」。
そういえば、第1話では(書いてないけど)、ケイトはベルウィックにある研究所がどうこうとか言っていた気がする。それはどうなったんだろう?

この回を初めて時点では、クレークとケイトは最後まで生き残ると思っていたので後でびっくり。

原画
スタジオ・ムサシ、土屋幹夫、栗井重紀、村木新太郎、河南正昭

Vd: 1999.3.17, Vd: 1997.10.31