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「バイファム」第6話感想

博士が消息を絶った。絶望するケイト。対照的にバーツ、ロディは博士が敵に襲われたバルチカンへ行ってみようと提案する。スコットは「死んだんじゃ」と、ぽろっと言ってしまう。誰しもそう思っているのだが、それをあえて、というより何も考えずに口にできるスコットの性格がよく分からない……。マキの「暗いんだよ」というフォローに救われた感じだ。
早速出発する3人。バルチカンまでは車で半日、一日で戻ってくる予定だ。スコットは留守中に敵が襲ってきたときを心配する。バーツの言うとおり、死んだふりをするしかないけど、スコットにしてみれば頼りになる人間が3人もいなくなるのは不安だろう。見送る年少組は、クレークが敵に襲われたとは知らされていないからいぶかるが、クレアが輸送機が故障して迎えに行くと説明。
西日の中(「西」なのか知らないけど)、車は荒涼とした平原をひた走る。すでにフロントガラスは埃で汚れている。暑さに耐えかねて胸元をはだけるケイト、偶然おいしいアングルにいたロディは赤面。
ドライバーのバーツはこの辺りは自分の庭みたいなものだと語る。そしてアゾレックが攻撃されたときの話を語り出す。車が心配でそれを見に行って両親とはぐれてしまい、爆風で(?)気を失って、意識が戻ったときにはもう誰もいなくなっていたと。車のかたきを討つためにディルファムに乗ったが、それは自分の身は自分で守るということでもあると。
オアシスが見えてきて、今晩はここで野宿。ロディがギャンザーを知らなかったということは、彼はベルウィックにいたことがないってことになる。それともギャンザーの分布は限られていて、たまたま知らなかっただけだろうか?
アゾレックでは、スコットが乾燥機と格闘中(ここでのクレアが一瞬素足に見えた)。結局直らなくてケンツはパンツいっちょで一晩すごすはめに。乾燥機が1台しかないとはケチな基地だ。シャロンはパンツばかり集めて洗濯しにきたらしい。何となく、他の女の子たちはやりたくなくて、彼女が引き受けたような気がする。その晩、アゾレックからは遠くで戦闘があるのが見えた。遠くから見る分には、「花火みたい」できれいなものだ。
オアシスで食事している3人の話題はクレーク。ロディはケイトがクレークと結婚すれば、なんて言うが、まだ彼女を何とも思ってないんだろうか。一方のケイトは、クレークを好きと言ったのは、仕事の上でのことだと。しかし水浴びしているときの彼女の気持ちはどうだったのか。覗かれたと知っても、笑ってすませられるのはまだ二人を子ども扱いしているのか。雑魚寝状態でも気にならなかったみたいだし。気になるのはロディのほうでどうにも寝つかれずに外に出る。その辺はバーツも同じで、二人は一緒に泳いで体を冷ましつつ友情を深めるのだった。『Out』94年11月号の「男の子の生理現象」ってやつだ。
男同士の友情の一方で、アゾレックではスコットとクレアがいい雰囲気。二人は知りあって4年になるというが、どこで出会ったんだろうか? 10歳のクレアは今より堅苦しい性格だったらしい。スコットはどうやらその間性格が変わらなかったらしいが、クレアを変えたのは何だったんだろう? この年頃だと女の子のほうが成長が早いけど……。淡い光、淡い想い……。(だけど、スターダストはイプザーロンのほかの星でも見られるのかという問題が。後にOVA#4で出てくるが……。)
翌朝、バーツはばっちり寝不足。ケイトの代わりに助手席に座るロディと交わした笑みは、やはりロディがしゃべったからだろうか?
車中、アゾレックと連絡を取り合う。「ただしその相手というのが乾燥機なんだけどね」……つまらん。しかも4年もクレアとつきあってて、初めて冗談を言ったらしいし。
3人がバルチカンに着くと、間の悪いことに敵の汎用艇も接近する。汎用艇は着地したみたいだが、どうやって着地したのか知りたい。バーツの提案で墜落した輸送機のほうへ近づいてみる。輸送機にはコンドルみたいな鳥が群がり、死肉(?)をついばんでいる。そこへ2機のジャーゴがやって来る。コクピットから降りた異星人は輸送機を調べ始める。
(夜行性のはずの)ギャンザーに驚いてロディがたてた物音で異星人が3人に気づく。廃墟のバルチカンを逃げまどう3人。ロディは逃げ道を失って、「もう少しでプレスハムになるところで」軍のディルファムに助けられる。ひとまず窮地を脱したとはいえ、ディルファムのパイロットは、自分たちは博士の安否を確かめに来ただけで、アゾレックの子どもたちを助けるわけには行かないと。そのすげない言葉に悔し涙をにじませるバーツ。バーツだって泣くのだ。
ロディは、クレークの遺品を前に泣きはらすケイトの背中に声をかけられなかった。
今回、カチュア、ジミーのセリフが一切なし。
原画
白土理徳、小林早苗、西島克彦、宮嶋堅

Vd: 1999.5.30, Vd: 1997.11.7