No.158-2 木曽駒ヶ岳から空木岳(その2) 平成18年(2006年)8月14日〜16日 |
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→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ FIT(森林インストラクター東京会)の山仲間(山岳グループ)たちと中央アルプス(木曽駒ヶ岳〜空木岳)の縦走をしてきました。Oリーダー以下6名のメンバー編成です。当初はテント山行の予定でしたが、宿泊予定地にテント場がないことが直前に判明して、急遽山小屋利用(素泊り)ということになりました。幸いお天気にも恵まれて、展望もバッチリ。前回(3年前の9月)は時機を逸して見ることのできなかったコマウスユキソウ(別名ヒメウスユキソウ)が、たくさん咲いていました。
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八ヶ岳の右手からご来光 |
檜尾岳の山頂にて |
コマウスユキソウ |
ヨツバヒヨドリの花に アサギマダラ |
木曽殿越にて (今回の参加者は6名でした) |
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(白色系): コマウスユキソウ、ハクサンイチゲ、コバイケイソウ(葉)、ミネウスユキソウ、タカネツメクサ、イワツメクサ、ミヤマオトコヨモギ、ヤマハハコ、(ミヤマ)ダイモンジソウ、イワウメ(葉)、イワヒゲ(葉)、イブキトラノオ、ガンコウラン(葉)、ウメバチソウ、オンタデ、タカネナナカマド(葉)、ウラジロナナカマド(葉)、ナナカマド(葉)、ゴゼンタチバナ、サンカヨウ(実)、イタドリ、イブキトラノオ、ミヤマウイキョウ、ミヤマシシウド (黄色系): シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、キオン、ミヤマアキノキリンソウ、ウサギギク、ミヤマキンポウゲ、イワベンケイ(枯)、ウラシマツツジ(葉)、チングルマ(花・実)、イワオウギ、タカネニガナ、トウヤクリンドウ、ミヤマダイコンソウ、アオノツガザクラ、キバナノコマノツメ、シナノオトギリ、キバナシャクナゲ(枯)、ニッコウキスゲ、オタカラコウ、マルバダケブキ、エゾシオガマ (ピンク系): ハクサンチドリ、コイワカガミ、ヤナギラン、ヤマホタルブクロ、コマクサ、タカネヒゴタイ、ショウジョウバカマ(葉・枯)、タカネシオガマ(枯)、ヨツバシオガマ、トモエシオガマ、クルマユリ、ハクサンフウロ、タカネナデシコ、ハクサンシャクナゲ(葉)、シモツケソウ、クロクモソウ、 (紫色系): チシマギキョウ、イワギキョウ、ハクサンシャジン、コバギボウシ、ミヤマリンドウ、オヤマリンドウ、トリカブト類、ミヤマシャジン?、タカネグンナイフウロ、ネバリノギラン、クロトウヒレン?、イワインチン(枯)、コキンレイカ (その他): ハイマツ、ミヤマハンノキ、ヤハズハンノキ、ミズナラ、ダケカンバ、カラマツ、ミネカエデ、ハウチワカエデ、オオシラビソ、シラビソ、コメツガ、ヒロハカツラ、コメススキ、クロマメノキ(実)、ミヤマホツツジ ● 樹林帯・草地 サラシナショウマ、ヨツバヒヨドリ、モミジカラマツ、ヤマブキショウマ、ノリウツギ、ツルアジサイ、イワガラミ(葉)、エンレイソウ(実)、センジュガンピ、マイヅルソウ(実)、ギンリョウソウ、コバノイチヤクソウ、アキノキリンソウ、ホタルブクロ、イワカガミ(葉)、セリバシオガマ、オクモミジハグマ、カニコウモリ、ウツボグサ、タマアジサイ、ヤマアジサイ、ツリガネニンジン、ホトトギス、タマガワホトトギス、クサボタン、オトコエシ、ツルリンドウ、タケシマラン(実)、ヒヨドリバナ、サルナシ(実)、ノコギリソウ、キツリフネ、トウバナ、ズダヤクシュ(実) 資料提供は同行したFさんです。 木曽駒ヶ岳から空木岳(夏の定例山行) ゴンドラに乗り千畳敷へ着くと、ここは既に標高約2600m、森林限界を超えていて高山植物のオンパレードです。千畳敷カールの雄大な景色を眺めながら、休み休み90分ほどで頂上山荘へ着きました。 Oリーダーが作ってくれたカレーライスは絶妙な味です。レトルトにタマネギやコンビーフを炒めたものを混ぜるのですが、なにやら怪しげな液体(謎の調味料)もたっぷりと入ります。その夕餉時、辺りには薄い霧が立ち込めていました。 第2日目(8/15・快晴): 6名で一部屋を使うことができて、一畳に一人のゆったりスペースのおかげでぐっすり眠れました。小屋は意外と空いていたようで、これは嬉しい想定外でした。 朝食の前に木曽駒ケ岳(2956m・中央アの最高峰)の山頂を往復、ご来光を仰ぎます。素晴らしいお天気で、360度の大絶景です。この中央アルプスは北アルプスと南アルプスの真ん中に位置するので、その稜線からは常にその何れの大山脈も眺めることができるのです。 朝食後、宝剣岳2931m〜極楽平〜島田娘2858m〜濁沢大峰2724m〜檜尾岳2728m〜熊沢岳2778m〜熊沢五峰〜東川岳2671m…、と南へ向かって、展望や高山植物を楽しみながらの大縦走です。このコースは宝剣岳の上り下りなど随所に気の抜けない岩場があり、アップダウンの長丁場ということもあり、けっこうきついコースです。Oリーダーは「中級以上のコースだな!」と云っていました。 檜尾岳山頂での小休止のとき、その伊那側の急斜面で25年ほど前の冬に、仲間の滑落死亡事故があったなまなましい体験談をリーダーからお聞きしましたが、このときは愉快なメンバーたちも私も、流石にしんみりとしてしまいました。
第3日目(8/16・快晴): 木曽義仲が越えたとされる主稜線の狭い鞍部を木曽殿越(きそどのごえ)と云いますが、ここに建つ木曽殿山荘は二畳に3人のスペースで、これもまずまず快適でした。他のメンバーのみなさんは夜中に起きて表へ出て、星空を仰いだそうです。私は身体が重くグッスリでしたので「夜空のシャンデリア」は見損なってしまいました。でも、小屋前の小広場から、白々と夜が明けて東方に聳える八ヶ岳連峰の空がオレンジ色に輝やいている様は見ることができました。未明からの山岳風景の移り変わりは、まさに動く絵画です。 空木岳2864mは、その美しい名前に反しての案外の岩山です。特にその北面のニョキニョキと岩塊が突き出ている様は、奥秩父の瑞牆山を彷彿とさせるものです。トウヤクリンドウの咲くその岩場を登りつめて花崗岩の白砂が美しい山頂に立ちます。ここも素晴らしい眺めです。 空木岳からは空木平〜池山尾根とひたすら下り、駒ヶ根到着は午後2時15分でした。ここで解散式を行い、後泊組と日帰り温泉組に別れて、それぞれ帰路につきました。私は日帰り温泉組でしたが、入浴後のビールが美味かったことは言うまでもありません。 天候に恵まれた素晴らしい山行でした。食料や予約など、いろいろと面倒を見ていただいたOリーダーをはじめ、道すがらの折につけ植生などについて教えていただいた先輩メンバーのみなさんには感謝感激です。どうもありがとうございました。 早太郎温泉「こまくさの湯」: 信州駒ヶ根高原に建つ近代的な日帰り温泉施設。今年(H18年)で開館10周年(つまり早太郎温泉開湯10周年)を迎えるそうです。案外と新しいと云うべきか意外と古いと云うべきかは微妙なところです。当たったとみえて、その後同地に 「こぶしの湯」[前項を参照してください] も開業しています。アルカリ性単純泉、泉温27.2℃、加熱、循環、無色透明無味無臭。露天風呂からは宝剣岳などの中央アルプスの一角が望めます。入浴後に食堂で飲んだ地ビールが美味しかったです。 この地は、今年(平成18年)の2月4日に伊那と木曽を結ぶ「権兵衛トンネル」が開通して新たな基幹道路ができたこともあり、今後益々発展していきそうです。 「こまくさの湯」のHP 木曽駒ケ岳から空木岳(その1): 平成15年9月の山行記録です。 まったりと木曽駒ケ岳: 平成29年7月の山行記録です。 木曽駒ヶ岳・花の写真集: 大きな写真でご覧ください。 |